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鏡の向こうに(キノ・ムリヤリ系・触手)

鏡の向こうからキノさんを狙う謎の影。
若干ホラー風味でしょうか?
触手が出てきます。





久しぶりの熱いシャワーで旅の汚れを洗い流したキノは、大きなバスタオルをかぶって、わしゃわしゃと頭を拭いていた。
体についた水滴をあらかた拭き取ったところで、キノはハッとしたように顔を上げて周囲を見回した。誰かが後にいる。そんな気配を感じたのだ。
シャワーカーテンの陰や天井の通気口など、物陰になる場所を確かめてみるが、もちろん誰もいない。この狭い室内で、人が隠れる事の出来る場所は殆ど存在しないのだ。
「………気のせいか」
だが、妙な気配はいまだに部屋の中に漂っていた。見えない誰かの舐め回すような視線が、キノの背中に突き刺さる。
この場を早く立ち去りたい。その一心でドアノブに手を伸ばしたその時、キノはある物に目を止めて、その場に凍りついた。
キノの視線の先にあったのは、壁に据え付けられた大きな鏡。そこに映る自分の姿だった。
「………な、なんだコレ?」
鏡の中で、同じポーズ、同じ表情で立ち尽くすキノの姿。ただ一つ違うのは、その手足に巻きついた幾本もの触手の存在だった。
ウネウネと蠢く触手は体を這い登り、絡め取り、いやらしい粘液で肌を汚していく。鏡の中のキノは段々と触手に覆われていく。
乳首や耳たぶ、首筋に鎖骨、小さなお尻の割れ目と股の内側、体中の敏感な部分を触手が愛撫する。
やがて、立ち尽くす本物のキノの目の前で、鏡の中のキノは触手の与える快楽に呑まれ、悩ましげな表情を浮かべて喘ぎ始める。
言い表しがたい恐怖に駆られて、キノはシャワールームのドアノブを回した。だが、ドアは開かなかった。鍵が掛かっている訳ではない。ノブもドア自体もピクリともしないのだ。
閉じ込められたのだ。おそらくは、鏡の中でキノを嬲る、得体の知れないモノによって。
目の前で、自分の体が汚されていく。異形の愛撫を受けるその顔に浮かぶのは、歓喜の表情。荒い息遣いが、切ない喘ぎ声が、耳元まで届いてきそうだ。
「…嫌……嫌ぁ…こんなの……ボクぅ…」
そう言いながらも、キノが興奮しているのは明らかだった。鏡に映る自分の姿から目を離すことが出来ない。水滴を拭った筈の内股が湿りを帯び始める。
いつしかキノは、自分の指で体を愛撫し始めた。鏡の中で触手がするように、乳首を摘んでこね回し、大事な部分の入り口を何度も擦り上げた。
熱を帯び始めたキノの体に呼応するように、鏡の中で繰り広げられる行為は激しさを増す。
そしてついに、一本の触手が足の間を這い登り、キノの小さな割れ目にその頭を埋めた。
「…あ…ああっ…はいってるぅ……ボクのなか…うねうねがいっぱい……」
背中を仰け反らせ、触手の突き上げに体を揺らす鏡の中の自分が、キノには羨ましくてたまらなかった。太く逞しい触手に比べ、キノの指はあまりに細くかよわかった。
早く逃げろと理性が警告する一方で、キノの心の一番原始的な部分が囁きかけてくる。
どうせドアは開かない。逃げられない。それよりも今、必要なものがあるはずだ。体の奥の熱い疼きを、埋めてくれる圧倒的な質量。
「…う……あ……欲しい…うねうね…欲しいよぉ…」
床に這いつくばり、両手を使ってアソコをかき混ぜながら、キノは哀願した。
「…ボクを…犯してぇ……ボクのアソコをメチャクチャにしてぇ!!!」
その瞬間、キノの体を見えない何かが貫いた。
「……ひ…や……あああああああああああっ!!!!!」
キノが叫び声を上げた。見えないけれど確かに感じる。太くてヌメヌメのいやらしいソレ、お望みのものが自分の大事な部分を犯している。
いや、それだけではない。腕に、足に、乳首に、お尻に、体中に纏わりつく触手が、ねばつく粘液が、すぐそこにあるように感じられる。
圧倒的な存在感で体中を責め立てる触手の感触に、キノは泣き叫ぶ。
「…うああっ!!気持ちいいっ!!ボク、気持ちいいよぉっ!!!」
いまや鏡の中の虚像と現実のキノの姿は完全に一致していた。向かい合った顔に浮かぶ淫らな表情まで、何一つ変わらない。
やがて、キノを弄ぶ見えない触手は、キノの体を鏡の方に引き寄せ始める。圧倒的な快楽に理性を剥ぎ取られたキノは、その事に全く気付かない。
触手の責めに涙を浮かべ、嬌声を上げるその顔には、快楽を貪る雌の本能だけが浮かんでいた。
自ら腰を使い、短い黒髪を振り乱して、キノは絶頂へと昇り詰めた。
「ああっ!!?…イクぅ!!…らめぇっ!!…ボク…も…イっちゃうのぉおおおおおおおっ!!!!」
激しく痙攣し、叫び声を上げたキノ。その体は触手に引き寄せられるまま、鏡の中に沈んで、跡形もなく消え去った。

一台のモトラドと衣服を含めた全ての荷物を残して消えた旅人の事件は、その後しばらく国を騒がせたが、やがて彼女の存在もろとも人々の記憶から忘れ去られていった。
だが、それも今のキノにはどうでもいい事だった。どことも知れない闇の中、絶え間なく与えられる快感だけに満たされた彼女は、間違いなく幸せだった。

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