2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『海に行こう!!』(ヴィル☓アリソン)

久しぶりの更新です。
やっぱり季節ネタは逃したくないという事で、海水浴の話を書いてみました。
明るくラブラブで、えっちな感じ。
ストレートに楽しんでいただけると嬉しいです。

それでは、追記から本編です。




夏で、海だった。
抜けるような青い空と立ち上る入道雲、遠く海の彼方から打ち寄せる波の音を聞きながら、ヴィルは大きなパラソルの下に座っていた。
周りの海水浴客達の数はほどほどといった程度、満員状態でとても泳げないという程でもなく、かといって閑散としているという程でもない。
同じように海水浴を楽しむ人達の賑わいが、心地良く耳に響く。
爽やかな夏を感じさせるその光景を眺めているだけで、ヴィルは何だか幸せな気分になれた。

そもそも、どうして彼がこんな場所に来ているのか、それにはそれなりの事情があった。
今回の海水浴の話をヴィルに持ちかけてきたのは、彼の幼馴染にして恋人のアリソンだった。
『空軍の同僚に穴場の海水浴場を知ってるって人がいて、ちょうど非番の面子を集めてみんなで海に行こうって話になったの!』
青い瞳をキラキラと輝かせて、図書館帰りのヴィルに抱きついてきたアリソンの言葉を聞いて、彼はすぐにこう答えた。
『わかった。僕も一緒に行くよ』
『あれ?何でそこまで分かっちゃっうのよ?』
彼女自身は気付いているのかいないのか。
少なくともヴィルはこれ以上ないくらいに分かっていた。
アリソンの瞳がキラキラと輝くときには必ず、ヴィルに悪戯や冒険、もしくはとびきり素敵な何かを持ちかけるのだ。
小さな頃からアリソンのそんな『キラキラ』に振り回されてきたヴィルだけど、それでも彼女のその表情が大好きだった。
輝くような笑顔を浮かべて、どこまでも駆けていくアリソン、その姿に憧れて心奪われて、ヴィルは彼女と一緒の道のりを歩いてきた。
アリソンの最初の一声を聞いたときから、勝負はついていたのだ。
こんな顔をされたら、もうついて行くしかない。
アリソン自身と同じくらいに、ヴィルもそれを望んでいる。
『最近、アリソンも任務で家にいない事が多かったしね。久しぶりに一緒に遊ぼう』
『うんうん!!今からもう楽しみで仕方ないわ!』
という訳で、二人はアリソンの空軍の仲間達と共に二泊三日の海水浴へとくり出して来たのだ。

パラソルの下、海を見つめるヴィルの所に三十代ほどの男性が近づいてくる。
「楽しんでもらえてるかな、ヴィルヘルム・シュルツ君」
男性はアリソンの同僚の一人だった。
ヴィルは自分の隣に腰を下ろした男に笑顔を向けて
「はい、とっても。…こうしてお話しするのは久しぶりになりますね」
「お、あんな昔の事を覚えてくれてたか」
ヴィルと彼の間には一度だけ面識があった。
まだ上級学校で学んでいた頃のヴィルがアリソンと共にイクス王国で繰り広げた冒険。
そのそもそもの始まり、アリソンがヴィルと二人きりになるべく決行した誘拐作戦、それを手助けしたメンバーの一人が彼だった。
この海水浴に同行している残り二人もその時に居合わせた面々だ。
「あの時はすまなかったな。ウチの伍長があんまり君に夢中なもんだから、見ている内にどうしても手助けしてやりたくなってな」
「構いませんよ。お陰であの時もアリソンと一緒に色んな事を経験できましたから」
「そうか、そりゃあ良かった」
笑顔で答えたヴィルの言葉に、男も満足げに肯く。
「何だかんだあったようだが、君が伍長と上手くやってるようで安心したよ。
ウチの隊の連中はみんな、彼女の事を末娘だとか妹だとか、そんな風に思ってる節があるからな」
「皆さん、アリソンの事、大事にしてくれてたんですね」
そんなヴィルの返答に、彼はニヤリと笑みを見せて
「何、君ほどじゃないさ」
見透かしたように言われた言葉に、ヴィルの頬が少し赤く染まる。
どうやら男は気づいていたようだった。
砂浜に座ったヴィルが先程から視線を向けているその先に、誰がいるのかを。
陽光を受けて輝く海面に白いしぶきが上がる。
それはだんだんと砂浜の方に近づいてきて、ザバっと水をかき分けてその姿を現す。
水に濡れた金色の髪がキラキラと輝いて、青い空に映える。
満面の笑顔を浮かべたその少女はヴィルの方に大きく手を振って叫んだ。
「ヴィルも早く泳ぎに来なさーい!!せっかくの海なんだから、目一杯楽しまなきゃ損よ!!」
眩しい白い肌。
空の色の瞳がヴィルを捉えて微笑む。
「伍長も呼んでる。好きなだけ泳いでくるといいさ」
「はい」
言われて、ヴィルは立ち上がり、その少女・アリソンの下へと砂浜を駆けていった。
「本当に良かったな、伍長」
晴れ渡った空の下、心底楽しそうに戯れるアリソンとヴィルの姿を見ながら、男はしみじみと呟いたのだった。

この惑星唯一のジャガイモ型の大陸、その内陸部でこれまでの人生のほとんどを過ごしてきたアリソンとヴィルには、
そもそも海を見る機会自体があまり無かった。
もっとも、川遊びで泳ぐ機会は何度もあったし、アリソンの場合は軍で訓練も受けていた。
しかし、広い海をと真っ青な空に囲まれて、自由に海水浴をする楽しさはやはり格別のものだった。
「うおりゃー!!」
アリソンの打ち上げたボールが高く中を舞う。
「ナイス、アリソン!後はこっちに任せて!!」
現在、ヴィルとアリソンとその同僚の二人は男女に分かれてのビーチボール合戦の真っ最中だった。
アリソンから回されたボールを受けて、二十代半ばほどの女性がソレを相手方であるヴィルに向けて打ち込む。
絶妙な角度・スピードのボールを返す術はない、彼女はそう確信したのだけれど……
「えいっ!!」
ヴィルはそれをいとも簡単に受け止めて見せる。
「おお、流石は噂のカアシの六位!」
それを見て、もう一人の男性が声を上げる。
軍人ほどに鍛えられてはいなくても、ヴィルは幼い頃からアリソンのハチャメチャな冒険に付き合わされてきた。
そこらの連中とは地力が違うのだ。
加えて、得意の射撃の腕を支える動体視力がある。
四人の頭上を高速で行き交うボール、男女両チームの実力は伯仲していた。
一進一退の攻防は結局、決着のつかないまま終りを迎える事になる。
「ふう、やるわね。ヴィル君」
「当然っ!ヴィルはなんたってヴィルなんだから!!」
「しかし、よく俺達のペースについて来られたな」
「無駄な動きは最小限に抑えて、効率よくボールを返す事だけに専念してましたから……でも」
そこでヴィルはそう言って、
「でも、流石にそろそろ限界だったみたいです」
浅瀬にへたり込んでしまう。
現役軍人な三人について行く為に色々と工夫をしてはいたが、やはり限度があったようだ。
「大丈夫、ヴィル!?」
「平気だよ、アリソン。ちょっと疲れただけだから。それに、すごく楽しかったし」
そんなヴィルの下に駆け寄ってきたアリソンに、彼は照れくさそうな笑顔で答えてみせた。
それから……
「あ……」
「どしたの、ヴィル?」
「いや、その………水着、やっぱり似合うなって、そう思って……」
疲れのせいで少し油断してしまったのか、ポロリ、ヴィルの口から本音が零れる。
「…って、な、何言ってるんだろう、僕は……」
「い、い、いいのよ。……ヴィルがそう言ってくれると、やっぱり嬉しいし……」
思いがけず飛び出た言葉に、少年と少女は頬を染めてうつむく。
「いいわねいいわね、二人共可愛いじゃない」
「これ以上俺達がこの場にいるのは野暮かな?」
「えっ、せっかくいいシーンなのに!」
「その点にぬかりはないさ。こんな事もあろうかと、双眼鏡は既に用意してある」
一方、ニヤリと笑みを浮かべた同僚二人は、すっかり自分たちの世界に突入してしまったアリソンとヴィルを残してその場を退散した。
「……一緒に水着選びに行ったときもそう言ってくれたけど、改めて言われると、やっぱり照れるわね、ヴィル」
「でも、やっぱり綺麗だって、そう思ったから……」
実際のところ、その水着はアリソンによく似合っていた。
シンプルな白のビキニスタイルは、彼女の輝く髪と蒼い瞳に映えて、その魅力をより一層強めていた。
そのまま二人はしばしの間、互いに見つめ合っていたのだけれど
「……せ、せっかくの海なのに、いつまでもこんな風にしてたら勿体ないわよね」
「そう…だね……」
照れくさそうにそう言ったアリソンの手を借りて、ヴィルは立ち上がる。
「それじゃあ、私はまた泳ごうと思うんだけど……」
「僕も付きあうよ、アリソン」
笑顔で答えたヴィルの言葉に、アリソンの表情がぱっと明るくなる。
「それじゃあ、行きましょう、ヴィル!!」
アリソンはそのままヴィルの手を取り、輝く水面を蹴って二人一緒に走り始めた。

遠い水平線に白いしぶきを上げて、少年と少女が泳いでいく。
金色の髪の少女はまるで人魚にでもなったかのように打ち寄せる波を物ともせずどこまでもまっすぐに。
普段は勉強三昧の生活を送る少年もこの時ばかりは全身で水をかき分けて進む喜びに身を委ねて。
アリソンもヴィルも、夏の海での一時をこれでもかという程楽しんでいた。
ただ、この時の二人は知る由もなかった。
彼らが今泳いでいるのは、遊び慣れた小川や湖などではない事。
もちろん、ヴィルは事前に海での危険について調べて、アリソンにもキチンと注意をしていたのだけれど、それでも不測の事態は起こり得る。
二人をその出来事が襲ったのは、アリソンとヴィルが泳ぎ始めてしばらく経った後の事だった。

その時、アリソンはヴィルがついて来ている筈の後方から、バシャバシャと必死に水をかく音が聞こえる事に気づいた。
「ヴィル……っ!?」
溺れている。
助けを求めて必死にもがいている。
一体何があったのか、原因は分からないが、早く助けなければ。
アリソンは必死で溺れるヴィルの下へと急いだ。
二人にとって不運だったのは、そこが砂浜から離れた沖合にあたる場所だった事だ。
陸側の人間が異変に気付く可能性が低い上、もし誰かが助けに来ようとしても距離が開きすぎている。
泳ぎに自信のある者でも、溺れた人間を助けるのには危険を伴うが、今は他の誰かの力を期待する事は出来ない。
「ヴィル、しっかりして……!!!」
水中に潜ったアリソンと、苦しみもがくヴィルの視線が交差する。
完全に体勢を崩してどちらが水上かも分からなくなっていたヴィルだったが、それでも残された僅かな思考力で下した判断は冷静なものだった。
自分が不必要に動けば動いただけ、助けに来たアリソンまでも危険に晒してしまう。
それだけ考えたヴィルは、アリソンが伸ばした手の平を握り返し、酸欠状態の苦しみをぐっとこらえて、彼女の手に全てを委ねた。
おかげでアリソンはそれほど苦労する事なく、ヴィルと共に水面へと浮かび上がる事が出来たのだが、ここでもう一つの不慮の事態が発生していた。
溺れるヴィルを必死で助けようとする内に、二人は沖へと流れる海流に捕まっていた。
その中では水泳の選手ですら、流されていく事しか出来ない。
「アリ…ソン……」
「だ、だいじょうぶ?ヴィル!?」
「うん……でも、このままじゃ、僕達、流されてしまう。だから……」
そう言って、ヴィルはちょうど海岸から見て右側になる方向を指さした。
「こっちへ泳いで、海流から抜けるんだ…」
「うん、わかった」
ヴィルに肩を貸しながら、アリソンが泳ぎ始めた。

それからしばらくして、泳ぎ続けた二人が辿り着いたのは、元いた海水浴場からは随分離れた岩場の合間の小さな砂浜だった。
急な潮の流れに逆らえず、二人は遠くまで流されてしまったのだ。
「ヴィル、足の様子はどう?」
「うん。ちょっと腫れてるけど、もう平気だよ」
そもそもの原因はクラゲだった。
「この時期にはあまり発生しないって聞いてたけど、やっぱりいる時にはいるものなのね」
「僕も注意してたつもりだったんだけど……」
海岸に辿り着いてようやく一息ついたヴィルの右足には、クラゲに刺された赤い跡が残っていた。
いかに知識で知っていても、やはり実際に体験しなければ分からない事は多い。
それは、これまで海で遊ぶ事の無かった二人にとって、どんなに注意していても予測できない出来事だった。
それでも、『もしかしたら、そんな事もあるかもしれない』と頭の隅で考えていたヴィルは、刺された直後、何とか体勢を立て直そうと試みる事が出来た。
だが、そこにもう一つの災難が降りかかった。
外海からやって来る大きく高い波。
片足が痺れて使えないヴィルは、これに一発でやられてしまった。
波に巻き込まれたヴィルは水中で上下の感覚を失い、完全に溺れてしまった。
「ありがとう。アリソンが助けてくれなかったら、本当に危なかったと思う」
感謝の言葉を述べたヴィルだったが、一方のアリソンの表情は暗い。
「ごめんね、ヴィル……」
「アリソン?」
そう言って俯いたアリソンは、すっかり元気をなくしているようだった。
「どうしたの?アリソンのお陰で、僕は助かったんだよ?」
「そうかもしれない。でも……」
夢中になって泳いでいる内に、海岸から離れてしまっていた。
そのせいでアリソンはヴィルを一人で助けるしかなかった。
溺れている人間を助けるのは非常に難しい事である。
通常、溺れた人間はその苦しみのあまりにパニックに陥り、助けに来た人間までも水底へと引きずり込んでしまう。
ヴィルが比較的平静を保って、アリソンの助けに従ってくれたから良いようなものの、一歩間違えれば二人がどうなっていたかは分からない。
もし、二人が泳いでいたのがもっと陸に近い場所なら、アリソンの同僚や周囲の海水浴客達の助けを得られたかもしれないし、
そもそも、ヴィルが溺れる事だって無かったかもしれない。
「私もヴィルも、海に慣れてないのは最初から分かってたのに、私、またヴィルを引っ張りまわして……それで危ない目に遭わせて……」
アリソンの中にはいつだって、走り出したら止まらない、爆発的なエネルギーが満ちている。
それこそが彼女の美点であり、魅力でもある。
ただ、それが周囲の人間に、特にいつもアリソンの側にいたヴィルを危険な出来事に巻き込んでしまう事も少なからずあった。
二人が壁画を発見したあの夏の冒険などが最たるものだろう。
何とか無事に戻って来れたものの、一歩間違えれば、二人はルトニの向こうの異国の地で命を落としていたかもしれない。
しかし、そんなアリソンに、ヴィルは首を横に振ってみせる。
「アリソン、それちょっと違うよ」
「ふえ?」
「僕はいつも、アリソンを追いかけてた。そりゃあ、アリソンもちょっと強引な所があるから、一緒にいて大変な事もあったけど。
でも、いつだってアリソンの後ろをついて行こう、アリソンと一緒に走って行こうって、そう決めたのは僕の意思だった」
一人では未知の世界に踏み出す勇気を持てなかったヴィル。
その背中を押してくれたのが、アリソンの存在だった。
心の赴くまま、空を舞うように自由に、どこまでも駆けていくアリソンにヴィルはずっと憧れていた。
今まで経験してきた冒険だって同じ事。
ヴィルはいつだって、危険なんて承知の上で、アリソンの隣を走り続けて来たのだ。
「だから、今日の事もおんなじだよ。アリソン一人で突っ走った訳じゃない。
アリソンは僕を危険な目に遭わせたって言うけど、それならアリソンにきちんと『危ないよ』って言ってあげられなかった僕も同じ。
二人でいっしょに反省して、おしおきも僕とアリソンで半分こして、それでおしまいだよ」
にこり、笑ったヴィルの優しい表情に、アリソンの顔もほころぶ。
「ありがと、ヴィル……!!」
「わっ……」
嬉しさを満面に表して、ヴィルに抱きつくアリソン。
ヴィルもそんな彼女を苦笑しつつ、しっかり受け止める。
「こっちこそ、改めてありがとう、アリソン。僕を助けに来てくれた時のアリソン、なんだか人魚みたいだったよ」
「な、いきなり何言うのよ!?」
「綺麗だったって事」
「………っ!?」
これでもかと赤面したアリソンを、自身も照れくさそうに頬を染めるヴィルがぎゅっと抱きしめた。
とくんとくん、濡れた肌が触れ合って、冷え切った体をお互いの体温が温めていく。
いつしか二人はおでこをくっつけ合って、互いの瞳をじっと見つめ合っていた。
「うぅ…ちょっと、ドキドキするわね……」
「僕も……」
つい先ほど命の危機を乗り越えたばかりの反動なのか、二人は自分の心の中で互いを想い求める熱情が高まっているのを感じていた。
周囲に人の気配はない。
とはいえ、いつ誰が来るとも知れない外で、このまま抱き合い続けるのはマズイと分かっているのだけれど……
(このままアリソンを抱きしめていたい……)
(ずっと、ヴィルとこうしていたい。ううん、それだけじゃなくて、もっと……)
衝動と理性の狭間で揺れ動く二人の心。
そして、その均衡を最初に破ったのは……
「ん…んぅ…ぷぁ…ヴィ…ルぅ……」
「アリソン…可愛いよ……」
ヴィルの情熱的な口づけが、アリソンを踏み止まらせていた最後の一線を軽々と飛び越えてしまう。
先程の会話で思いがけず、互いの気持ちを再確認した事も二人を後押ししたのかもしれない。
アリソンとヴィルは目の前の愛しい人に魅せられて、幾度となく強くくちづけを交わした。
もうこうなってしまえば、誰も止める事なんて出来はしない。
繰り返されるキスが二人の理性を溶かして、熱情を炎の如く燃え上がらせる。
「んんっ…ヴィル……好きっ!」
「ああ…アリソン…っ!!」
数えきれないほどのキスの後、一旦抱き合う腕を緩めた二人は、互いの水着姿に改めてドキリとさせられる。
もちろん、恋人同士になってから、ベッドの上での営みも経験した二人だったけれど、
燦々と太陽の降り注ぐ青空の下、隠すところもなく光に照らされた互いの体を見るのは、薄暗い夜の寝室でのソレとは違う興奮を与えてくれた。
陽光の下、ヴィルはアリソンの肌の白さ、絹のような滑らかさにただただ見とれる。
彼はそのまま、吸い寄せられるように、アリソンの鎖骨の辺りにキスを落とした。
「あっ…あんっ!…ヴィルぅ……」
海の水の塩辛さの向こうに、アリソンの肌の甘い味を感じる。
白い水着をたくしあげると、露になった形の良い乳房が、キスの度にピクンと震えるアリソンの体と一緒に揺れる。
アリソンはちょうどヴィルの膝の上に乗るような形で、ヴィルの指先や唇が体に触れる度、彼の背中に回した腕にぎゅっと力を込めて反応を返す。
「ふあっ…ああんっ!…ヴィルぅ…だめ…そんなに強くされたら…私……っあああ!!!」
ヴィルの手の平の中で、アリソンの双丘がくにくにと揉まれて、形を変える。
ヴィルの愛撫を受ける毎に、アリソンの乳房の奥で熱い疼きが塊となって、ジンジンと彼女の官能を責め立てていく。
刺激を受ける度に声は大きく、あられもない物に変わり、濡れた髪を振り乱しながら、アリソンは次第に乱れていった。
「アリソンの声…エッチで…すごく可愛い……」
「ばかぁ…ヴィルが…あんっ!…ヴィルのせいで…わたし、こんなにエッチになっちゃったんだから…っ!!!」
絶え間ない快感の波に耐えかねて、アリソンがヴィルにぎゅっと抱きつくと、今度は首筋にヴィルの舌が振れる。
「ひや…ああ…そこも…駄目なのぉ……ふああああああっ!!!!」
首筋に耳たぶ、そこから少し背中側に回ってうなじの辺りまで、ヴィルのアリソンの肌の上にヴィルのキスマークが刻まれていく。

やがて、終わる事の無い快感の渦の中で、アリソンもより大胆にヴィルを求め始める。
「うあ…あ、アリソン……そこ、そんなに擦りつけられたら…!?」
「だって、ヴィルの熱くて硬いのが当たってるだけでもう我慢出来なくて……それに、ヴィルにも気持よくなってほしいから……」
白い水着の奥から海水以外の何かが滲み出し始めたアリソンの股間。
しとどに溢れ出した蜜でぬるぬるになった水着の布地が、既に膨張を初めていたヴィルのモノに水着越しに擦り付けられる。
やがて、ヴィルのモノの先端からも先走りが溢れ、粘液同士が擦れ合うぬちゃぬちゃといやらしい音が聞こえ始めた。
「あっ…くぅ…アリ…ソン……アリソンのアソコ…すごく熱いよ…」
「ふああっ!!…ヴィルのも…熱くて硬くて…わたしっ!!わたしぃいいいいいっっっ!!!!」
お互いの水着の二枚の布地を間に挟んでの接触。
そのもどかしさが、二人を余計に行為に夢中にさせた。
もっと互いの熱を感じたくて、アリソンとヴィルは我を忘れて自分の敏感な部分を擦り合わせ続ける。
「あっ!ああんっ!!…ヴィルっ!ヴィルぅうううううっ!!!!」
「アリソン……っ!!!」
二人の行為はとどまる所を知らずヒートアップを続け、ついにはアリソンが限界を迎える。
「ひあっ!!ああああっ!!!!ふあああああああああああっっっ!!!!」
全身をビリビリと痙攣させ、ヴィルの体にぐったりともたれかかるアリソン。
どうやら、擦り合わせていただけで軽く絶頂に達してしまったらしい。

「……もしかして、イっちゃったの?アリソン……」
「う、うん……」
ヴィルの腕の中、恥ずかしげにアリソンが肯く。
海水浴の疲れと、野外でこんな行為に及んでいるという緊張感とスリルが、彼女の体を余計に敏感にさせたのかもしれない。
「でも…まだ足りないの…ヴィルをもっと感じて、ヴィルといっしょに気持よくなりたい……」
それから、アリソンは力の抜けた体を砂浜に横たえ、潤んだ瞳でヴィルを見つめてそう言った。
愛する人を求めてやまない熱情。
その気持ちはヴィルにしたところで変わらない。
もっと強く、深く繋がり合って、快楽の渦の中で一緒に昇りつめたい。
「アリソン…僕も……」
「ああ、ヴィル……」
ヴィルは大きくなった自分の分身を水着から出し、アリソンの水着の大事な部分を守る布地にも手を伸ばす。
ゆっくりとずらされたそこには、薄桃の花びらが、愛しい人を求めて蜜に濡れていた。
その入口に、ヴィルは自分のモノの先端をあてがう。
「アリソン……っ!!」
「ヴィルぅ……っ!!」
互いの名前を呼び合いながら、繋がり合う二人。
敏感な粘膜が触れ合う刺激は、ヴィルとアリソンの感情の高ぶりも相まって、強い快感となって二人の体を駆け抜けた。
「あっ…くぅううっ!!!…すご…ヴィルぅ……!!!!」
「アリソン…んっ……んむぅ…」
無我夢中で絡め合わせた舌先で、互いの唾液を混じり合わせながら、二人は動き始める。
既に二人の体を濡らしていた海水はほとんど乾いていたが、溢れ出す汗と愛液が雫となって彼らの肌の上を流れ落ちていく。
くちゅくちゅとアリソンの中をかきまわすヴィルのモノが、その最奥部を突く度にアリソンは一際大きな声を漏らした。
「ふあ…あああああっ!!!ヴィル…わたし…きもちいいよっ!!!きもちいいよぉおおおおおっ!!!!」
声が大きくなる度に、二人の脳裏に『誰かに聞かれてしまうんじゃないか?気付かれてしまうんじゃないか?』そんな危惧が浮かび上がる。
だけど、互いを求めてやまない情熱はそんな事では止まらず、むしろ『どうなってもいいから、もっと強く愛し合いたい』と二人をさらに激しく行為に没入させていく。
突き上げて、それに合わせるように腰を使って、甘い痺れと感情に身を任せてひたすらに交わり続けるヴィルとアリソン。
「ひっ…あっ…ヴィル…もっと…もっとぉおおおっ!!!!」
「アリソン…可愛い……」
もはやお互いの事しか見えなくなった二人は、強く強く抱きしめあいながら、ひたすらに互いの体を求める。
膣壁をヴィルのモノが擦り上げる度に、アリソンの背中に甘い電流が走り抜ける。
その震える細い腰を抱きしめて、ヴィルはより激しくアリソンの体を突き上げる。
止まらない愛蜜は二人の水着をぐしょぐしょに濡らし、それを潤滑油にして二人はどんどん行為をペースアップさせる。
「ヴィル…だめぇ…も…きもちよすぎて…わたし…おかしくなっちゃうよぉおおおおおっ!!!!」
「…アリソン…僕も…アリソンの中が熱くて…溶けちゃいそうで……でも、止まれなくて……っ!!!」
「…わかった、ヴィル…いっしょにもっときもちよくなろ!…おかしくなったって構わない…ふたりでいっしょに……っ!!!」
「アリソンっ!!わかった、僕ももっと激しくいくよ…っ!!!!」
ガクガクと動き続ける腰は、もう二人の意思では止める事が出来ない。
心が、体が、この快感と熱を求めている。
どろどろに融け合って一つになるまで、もっと強く、もっと激しく、愛しい人を感じていたい。
高まり続ける熱情の中で、ついに二人はクライマックスへと向けて加速を始める。
「ふあああっ!!!!ヴィル、私、もうっ!!!うあ…あああ…イっちゃう!!イっちゃうううううっ!!!」
「アリソン…僕も…いっしょに……っ!!!!」
強く強く抱きしめあった二人の中で、限界まで高められた熱が弾ける。
津波のように押し寄せた快感はいとも容易くアリソンとヴィルの心と体を高みへと押し上げ、二人はついに絶頂へと至る。
「アリソン…大好きだよ!!アリソン……っっっっ!!!!!」
「ふああああああああっ!!!!!ヴィルぅ…好き…私も…っ!!…ヴィルぅううううううううううっっっ!!!!」
ガクガクと全身を痙攣させ、上り詰めた二人。
凄まじい絶頂感が通り過ぎた後、少年と少女の体から一気に力が抜け、二人の体は砂浜の上に投げ出される。
息も絶え絶えで、絶頂の余韻に時折体を震わせる二人。
だが、その腕だけはしっかりと、互いの背中に回されたまま、放される事はなかった。
そのまま、しばらく抱き合っていた二人だったが、ヴィルがアリソンの瞳を見つめながらふとこんな事を呟いた。
「…うん。やっぱりそうだ……」
「…な、何よ、ヴィル?いきなり、何のこと……?」
「えへへ…さっきも言ったけど、今日のアリソンは人魚みたいに綺麗だよって話……」
「あう…ヴィ…ヴィルぅ……」
その言葉に赤面したアリソンを、ヴィルは強く強く抱きしめる。
一緒に海水浴に来たアリソンの同僚達に心配をかけないためにも、早く元の海水浴場へ戻るべきなのだろう。
だけど、今はもう少し、こうしていたい。
そうして、アリソンとヴィルはしばらくそのままの状態で、互いの体温に身を委ねていたのだった。


……ところが
「いやはや、こんな外でするなんて、思った以上に大胆だな、あの二人は」
「でも、お互い夢中になってる感じで、ちょっと羨ましいかもな」
「そうそう、ラブラブで初々しくて、ホント、あの二人ってば可愛いんだからっ!!」
岩場の影からアリソンとヴィルの姿を見つめる人影が三つ。
例のアリソンの同僚三人である。
双眼鏡で二人の様子をのぞき見していた彼らはヴィルが溺れた事に気付き、二人が流されたこの場所まで歩いてきたのだ。
最初は普通に二人を助けるつもりだったのだけれど、いかにもラブラブな二人の会話を聞いている内に
いつしかその目的も忘れて、すっかり出歯亀に夢中になってしまっていたのだ。
「ふふふ、あんな可愛い所を見せられちゃったら、こっちも悪戯したくなっちゃうじゃない……」
同僚の女性が怪しい笑みを浮かべる。
今回の海水浴は二泊三日、時間はたっぷりとある。
その間にアリソンとヴィルに何が起こるのか、それは今はまだ、神のみぞ知る、といった所だろうか。





という訳で、まあ読んだまんまのお話しでした。
でも、久々にラブラブなヴィルとアリソンを書けて楽しかったです。
アリソンの同僚たちは彼女が首都に転属したとすると、同じ面子である可能性は低いと思うのですが、
見知ったキャラクターの方が話が進めやすいかと思ってこんな形になりました。
アリソンと彼女の空軍仲間達の和気あいあいとした雰囲気はかなり好きです。
それでは、今回はこの辺で……。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

SBI

Author:SBI
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR