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変身ヒロイン恋愛事情(学園キノ・静×木乃)

放課後の校舎、静先輩といい雰囲気で過ごしていた木乃。
ところが、またも出現した魔物がせっかくのチャンスを台なしに……。
その上、変態・サモエド仮面まで登場!
困難極まりない状況の中、果たして木乃は静先輩との甘い時間をゲット出来るのか?






一人は学校指定の緑のセーラー服を着た、短い黒髪の少女。もう一人は白ランをまとった長身の男子生徒である。
夕日の差し込む教室で、二人はキスを交わしていた。平均身長よりいくぶん小さい少女が少し背伸びをし、長身の男子生徒も少し腰をかがめて二人の間の身長差を埋めている。
男子生徒がおずおずと少女の肩に手を回すと、少女の小さな手の平が白ランの背中をきゅっと掴む。
甘いキスの味が見慣れた教室の中を二人だけの世界に変えていた。
「先輩……」
「木乃さん……」
唇を離した二人は、うっとりとした視線を交わして微笑み合う。
二人の名前はそれぞれ、木乃と静といった。何気ないきっかけで知り合って以来、互いに惹かれあっていた二人が、ついに今日結ばれようとしていた。
ぎこちない仕草に赤く染まった頬。胸の内に渦巻く期待と不安に揺れながら、木乃は静に体を預け、大きな胸板に顔を埋める。
静は震える腕でおっかなびっくりに木乃を抱き締め、薄暗い教室の中で二人のシルエットが一つに重なる。
そして、木乃の肩の上辺りに置かれていた静の手の平がゆっくりと動き始め、木乃の幼い胸に触れようとしたその刹那………。
「…………あれ!?」
ズンっ!!!校舎が小さく揺れた。木乃が息を飲み、静も気がついて何事かと辺りを見回す。そして、何となく木乃が視線を向けた窓の外で……
「……きゃああああっ!!!」
悲鳴と共に強烈な爆発音が鳴り響いた。木乃の顔にさっと走る緊張の色。原因は一つしか考えられない。
木乃は悔しそうに歯軋りして、じたばたと駄々っ子のように手足を振り回す。それから突然キッと真剣な表情になったかと思うと
「せ、せ、先輩!!!ごめんなさい……っ!!!」
「えっ!?」
床に置いていた鞄の中から、まるで封印でもするかのようにタオルでグルグルまきにされたストラップを取り出し、それを片手に教室の外へと駆け出した。
さっきまでのムードは完全にブチ壊され、一人教室に取り残された静は、ただ呆然と木乃の出て行った扉を見つめる。
「なんなんだ、一体?だが、まあ、この場合は好都合だったかな……」
意味ありげなセリフを呟く静。彼は一瞬窓の外を見やってから、おもむろに教卓の上に登り、天井の戸板の一部を外した。そして天井裏に手を突っ込んで
「ふふふふふふふふ、魔物め待っていろよ……」
そこから取り出した真っ赤なリンゴを頭の上に載せたのだった。

一方、静先輩とのラブラブタイムを壊され怒りに燃える木乃は、全速力で廊下を駆け抜けていた。
「ねえねえ、結局静とはどこまでいったの?」
いかにも興味津々といった感じで尋ねてくるのは、先ほど木乃が鞄から取り出した、実は意志を持ち喋る事も出来る優れものストラップのエルメスである。
「うっさい!!!さっさとアレ、倒しちゃうわよ!!!…“フローム・マーイ・コー……ええい、めんどくさい、変身っ!!!!!」
いつになくおざなりな変身の掛け声と共に、木乃は腰から引き抜いたモデルガンの引き金を引いた。キャップ火薬の弾ける音に続いて、暗い廊下に七色の光が溢れ出す。
その光の中から先ほどまでとは比べ物にならないスピードでセーラー服の少女が飛び出す。そう、木乃はこの瞬間、“謎の美少女ガンファイターライダー・キノ”に変身したのだ。
さらにキノは手の平に握っていたエルメスを、力任せに宙に分投げる。
「頼むわよ、エルメスっ!!!」
「オッケー!!!」
空中で光に包まれたストラップは、一秒も掛からずに滑らかにモーフィングして、大型のバイクに姿を変える。キノは見事に変形したエルメスに跨り、一息にアクセルを入れた。
巨大な車体が無人の廊下に滑り出す。が、そこでエルメスは大変な事に気がついた。
「キノ!!そっちは行き止まり!!!降りるんなら階段を使わないとっ!!!!」
「百も承知よぉおおおおおおおっ!!!!」
キノの絶叫とエルメスの悲鳴を残して、猛スピードで走り出したバイクは廊下の向こうに消えていった。

場所は変わってグラウンドの校舎よりの一角。夕日の中、地面に長い影を落として、ソレは佇んでいた。
優に6メートルは超えようかという巨体、ギラリと邪悪に光る眼、鋭い牙。魔の誘いによって異形へと変わり果てた人間、魔物である。
「い、いやああああああっ!!!誰かぁ…助けてぇ!!!!」
無数の触手を背中から生やした魔物は、数人の少女たちを捕えて宙吊りにし、触手から滲み出る粘液で彼女達の体を汚していた。
恐らく媚薬の成分でも含まれているのだろう。少女達の顔には恐怖と共に、抑え切れない欲情が滲み始めていた。
ここがエロパロ板である事を考慮に入れてのサービスであろう。なかなかどうして、わかってる魔物である。
「ふああっ…いやぁ……こんなバケモノにさわられて…私ぃ……このままじゃ…おかしくなっちゃうよぉ……」
大粒の涙を溜めて、救いを求める少女。熱い疼きに理性を溶かされながら、朦朧とした意識の端で彼女は妙な事に気がついた。
エンジン音が聞こえる。それも、あり得ない場所から。校舎の二階の辺りを、右から左に駆け抜けてエンジン音が近付いてくる。
そして、校舎を見上げる少女の前で、その一角のガラス窓が派手にブチ破られた。
「うりゃあああああああああああああああああっ!!!!!!!」
夕焼け空に浮かんだ黒いシルエット。飛び散るガラス片の雨の中、それはまっしぐらに魔物へと突っ込んできた。
「ギャヒイウウウウウウウウッ!!!?」
加速のついた大型バイクをどてっ腹に喰らって魔物の体が傾く。バイクの乗り手はそこからさらにアクセルを入れて、魔物の体の上からジャンプする。
土煙と共に魔物は倒れ、少女たちは地面に投げ出される。真っ先に体を起こした先ほどの彼女は、バイクの乗り手の姿を認めて叫んだ。
「……あ、あなたは、謎のガンファイターライダー・キノっ!!!!」
キノは少女にコクリと肯いてから、腰に吊り下げた“ビッグカノン~魔射滅鉄~”を引き抜く。その行動に、またもエルメスが声を上げる。
「ちょ、キノ!!ビッグカノンは一発しか撃てないんだよ!!!」
「一発で十分!!!さっさと終わらせて静先輩のとこに戻るっ!!!!」
そう叫んだキノは、エルメスをストラップに戻して魔物に向かって駆け出した。真っ直ぐに突っ込んでくるキノに、魔物はエロ触手を飛ばして応戦する。
きわどいタイミングで触手をかわしながら魔物へと接近するキノ。全ての触手をくぐりぬけ、今まさにビッグカノンを撃とうとしたその時だった。
「うははははははははははははっ!!!!魔物よ、覚悟しろ!!!!」
キノの前方に白い影が踊り出た。白いマスクに白いマント、頭の上にピョコンと飛び出た犬耳と真っ赤なリンゴが変態チックなその姿。
「くぉらぁ!!!変態っ!!!!」
「違うぞっ!!!サモエド仮面Xだっ!!!」
毎度お馴染みの変態の出現で、キノは魔物への道を閉ざされてしまった。今から方向転換しようにも、先ほどかわした触手たちが体勢を立て直して迫ってきている。
「ええい、仕方が無いっ!!!」
「おわっ!?謎のキノよ、何をして!!?」
勢いよく宙に舞い跳んだキノ。さらに、前方に立ち塞がるサモエド仮面Xの頭を蹴って、魔物の頭上へとジャンプする。
「私を踏み台にしたっ!?」
驚愕するサモエド仮面Xを、キノを狙っていた触手たちが叩き伏せる。キノは眼下を通り抜ける魔物に狙いを定め
「これでっ!!おしまいよっ!!!!」
た―――――――――――んっ!
その頭部に銃弾を叩き込んだ。

魔物を倒したキノは、息を切らしながら階段を駆け上っていた。
「ちょっと、キノ!!変身を解かなきゃ!!」
「あ、忘れてた!!」
変身解除も忘れるほどキノが慌てているのは、もちろん愛しの静先輩のためである。
今更ラブラブな雰囲気に戻る事も出来ないだろうが、せめて突然抜け出してしまった事を謝りたかった。
「でも、もしかしたら先輩、もういないかも。魔物が出てきてとんでもない騒ぎになったし……」
教室の手前まで辿り着いた木乃だったが、扉を開く勇気が湧いてこない。どんな顔をして静に会っていいかがわからないのだ。
「木乃、だいじょうぶだよ。きっとそんなに怒ってないって」
「だといいけど……」
「さ、いつまでも先延ばしにできないよ」
「………うん、わかった」
エルメスに促され、ようやく扉に手をかけた木乃。ガラガラと開いた扉の先で木乃を待っていたのは……
「はははははははっ、どうしたんだい木乃さん、そんな顔をして」
「な、な、なんでアンタが……」
そこにいたのはさっきの変態でした。触手にぶん殴られたせいで白いコスチュームのそこかしこが汚れていましたが、当人は至って元気です。
完全に絶句している木乃に向かって、サモエド仮面Xはキラリと白い歯を見せて微笑み、さも得意げに話し掛けてきた。
「驚くのも無理はないかな。この華麗な姿とただの一学生とを頭の中で結びつけるのは、いくら聡明な木乃さんとはいえ……って、木乃さん?なんで椅子なんか持ち上げて……」
「くぉの変態っ!!!静先輩をっ!!どこにやったぁああああああっ!!!!!」
力任せに、木乃は変態めがけて椅子を投げつけた。しかし、サモエド仮面は身じろぎもせずに刀を一閃させ、真っ二つに切り裂いてしまう。
だが、それこそが木乃の仕掛けた罠だった。
「とりゃああああああああっ!!!!!」
サモエド仮面Xが椅子に気を取られている隙に、木乃は一気に距離を詰めていた。体勢を低くしたまま変態の足をすくい、地面に押し倒す。
「うむむ、なかなか強引かつ大胆。ドキドキしてきたぞ」
「うーるーさーいーっ!!!」
口の減らないサモエド仮面Xの腕を捻り上げ、逃げられぬようにガッチリとホールドする。仕上げに取り落とした刀を遠くへ蹴飛ばして、木乃はサモエド仮面Xを取り押さえた。
「まさか木乃さんがSだったとは……。でも、それはそれで……」
「ほんとに口が減らないわねっ!!さあ言いなさい、静先輩をどこにやったの?」
「だから、さっきから私がその静先輩だと……」
「またそのウソを言うかっ!!言っていい冗談と悪い冗談があるって、前も言ったでしょーがっ!!!」
取り付く島の無い木乃の剣幕に、サモエド仮面Xはしばし考え込んでから
「誤解は解かなければいけないな……。そうだ、誤解を解くには…」
唐突にくねくねと体を動かし始めた。
「な、な、何やって!!?そんな事したって……っ!?」
自分の体の下で変態が気持ち悪い動きを始めて、木乃は思わず悲鳴を上げた。
サモエド仮面Xはその一瞬の隙をついて、軟体動物チックな動きで固められていた腕を木乃の手の平から引き抜き、あっと言う間に木乃の体の下から逃れる。
そして、木乃の背後に回りこんだかと思うと、ねっとりと絡みつくような声で木乃の耳元に話し掛けてきた。
「誤解を解くにはやはりコレっ!!!肌を合わせ、心を合わせ、裸と裸で語り合うしかない~っ!!!」
「い、いやあああああああああああっ!!!!先輩助けてぇええええええっ!!!!」
サモエド仮面Xの腕の中でじたばたともがく木乃。
しかし、サモエドの指先がつーっとセーラー服の上をなぞると、体の中を電流が走ったかと思うと、木乃の体から力が抜けてしまった。
「えっ!?なんで…あぅ…からだがぁっ!!?」
「ふふふ、めくるめく快楽の園に招待してあげよう」
躍起になってその感覚を否定しようとする木乃だが、サモエド仮面Xに触れられるたびに、ぞわり、ぞわぞわと走るその感覚に次第に追い詰められていく。
ただ触れられているだけなのに、服の上からピッタリと密着してくる指の感触に、どうしようもなく興奮させられてしまう。
「呼吸が荒くなってきたぞ、木乃さん。とってもエッチだ…はぁはぁ……」
「ひあっ…ふぁああんっ!!そんな…うそよぉっ!!きゃううううううっ!!!!」
セーラー服の布地ごと、木乃の可愛らしい乳首がきゅっと摘ままれる。クリクリとサモエドの指先に乳首を転がされて、木乃の口から悲鳴が漏れ出る。
既に大事な部分から溢れ出した蜜でショーツが濡れてしまっている事を、木乃は自覚していた。スパッツの股間に出来ているであろう、いやらしいシミが目に浮かんでしまう。
(こんな…変態の指で…感じさせられるなんてぇ……)
実際、サモエドの愛撫は巧みだった。木乃の感じやすい部分を的確に責めてくるのだ。しかも、一箇所への愛撫を短めにして、木乃を物足りない気分にさせてしまう。
焦らされて、焦らされて、木乃の頭の中では快感にお預けを喰らったストレスと、言いようの無い欲情ばかりが高まっていく。
(今だって…コイツ…こんなに隙だらけなのに……体がゾクゾクして…逃げられないよぉ…)
サモエド仮面Xの愛撫に翻弄され続けて、木乃の体からは力が抜け切っていた。もはやほとんど自力では動けない有様である。
サモエド仮面Xは自分の胸板にもたれかかり荒い息を切らすだけになった木乃を、いいように弄び続ける。
「ふあっ…やらぁ…そんな…ちくびばっかりぃ……はぁあああんっ!!!」
「ぐふふふふ、何を言う木乃さん。こんなので音を上げるようじゃいけないぞっ!!!ほれっ、今度は直接攻撃だっ!!!」
無遠慮にも服の中に侵入を始めたサモエド仮面Xの指先。しかし今の木乃に抵抗する術は何一つ無い。熱い手の平が自分の体を這い登る感触に、ただただ震えるばかりである。
幼い木乃の胸を、汗ばんでじっとりと湿った肌の上を、サモエド仮面Xの指が滑る。柔らかな肌に吸い付いた指先が、木乃の未発達な胸を思うさまに揉みしだいた。
「あっ…くぅんっ!!…らめっ!らめぇえええっ!!!…あはぁあああんっ!!!!」
先ほどまでとは打って変わって、木乃の小さな胸に集中した執拗な愛撫が開始される。焦らされ続けてほとんど決壊寸前だった木乃の理性が、この時ついに弾けとんだ。
さらに、サモエド仮面Xは隙だらけの木乃の耳たぶを甘噛みし、そのまま首筋へと舌を這わせる。
「ひはああああんっ!!!あっ!!ああっ!!ひああああああんっ!!!!!」
もはや意味のある言葉を発することも出来なくなった木乃。その様子を確かめたサモエド仮面Xはトドメを刺しに掛かる。
そろそろと木乃の下半身に向かって這い降りる指先の動きに、快感漬けにされてしまった木乃は気づく事ができない。
スカートを、スパッツをくぐり抜け、ついにショーツの中に這い入る指先。冷たい外気の侵入に、木乃が気付いた時には手遅れだった。
「…も…やぁ……いやぁっ!!!…ひううっ!!?あああああんっ!!!!」
木乃の敏感な割れ目に差し込まれた指が、情け容赦なく膣内を攪拌してくる。待ちに待って訪れた快感の爆発に、木乃の体は全身をビクビクと痙攣させて歓喜する。
望まぬ相手から与えられる快楽に木乃は必死で抗おうとするが、既に木乃の体は理性や意思が介入できる状態ではなくなっていた。
与えられる快感に、ただただ身悶え、あられもない嬌声を上げる。今の木乃には、それ以外の何一つとして残されていなかった。
「ゆるひて…も…やらよぉ……おねがひ…わらひを…ゆるひてぇ……」
「えっと、物の本によると『イヤよイヤよも好きの内』だったな……。オッケー、木乃さん!!!クライマックスまでまっしぐらだっ!!!」
「ひぃ…いやああああああああっ!!!!!」
木乃の悲痛な哀願を完全無視して、サモエド仮面Xはさらに責めをヒートアップさせる。全身を駆け抜ける快感の連続攻撃に木乃の意識は滅茶苦茶にかき混ぜられる。
そして、体の内で高まり続けた熱の渦が、木乃の嬌声とともに弾けた。
「ふぁああっ!!わらひぃ!!イクぅうううううううううううううっ!!!!!!」
絶頂の衝撃が木乃の全身を貫き、木乃の意識は一瞬の間白い闇の中でストップした。
糸の切れた人形のように崩れ落ちた彼女を、サモエド仮面Xは床に敷いた自分のマントの上に寝かせる。
そして、何やらウキウキとした様子で、ゴソゴソと自分の上着の懐を探り始める。やがて、サモエド仮面Xは懐から取り出した何かを高々と掲げた。
「ふふふふふ、次はいよいよ本番だぁ!!!」
「ふぇ!?ちょ…それってまさか……」
ぼんやりとその様子を見つめていた木乃の表情が、さっと強張った。サモエド仮面Xが誇らしげに掲げるそれは、コンドームに間違いなかった。
貞操の危機に、木乃は一気に正気に戻った。あんなものを取り出して、ヤツはいよいよ本気のようだ。
「イヤぁあああっ!!!そんなのイヤよっ!!イヤだったらぁ!!!」
「何を言ってるんだ木乃さん、避妊はちゃんとしなくちゃあ」
「んな事言ってるんじゃないわよっ!!!寄るなっ!!この変態っ!!!」
「無茶を言わないでくれ。避妊はちゃんとしないと、大変な事になるぞっ!!!」
「だからそういう事じゃないって言ってるのにぃ!!」
「とにかく、避妊は大切だ。大切なんだっ!!!まさか木乃さんの方からナマがいいと言ってくれるとは思わなかったが、ここはぐっと我慢だ!!!」
なんて言いながら、床に横たわる木乃に覆い被さってきた。しかし、貞操の危機を前にして、いつまでも黙っている木乃ではない。
イかされて脱力していた体に喝を入れ、木乃は渾身の頭突きを繰り出した。
「おごぉっ!!?」
「だからぁ!!そういう話じゃないってぇ!!!!」
素早く床から立ち上がった木乃は、大きく拳を振りかぶる。
「言ってんでしょぉおおおがぁあああっ!!!!!」
そして、全体重を乗せた拳打を、頭突きでふらつくサモエド仮面Xのみぞおちに叩き込んだ。
木乃の全力パンチを喰らったサモエド仮面Xの体は宙を舞い、教室の入り口の扉をブチ破って廊下に吹っ飛んだ。
「さあ、トドメを刺してあげるわよっ!!!」
崩れ落ちた扉の下敷きになった憎き変態男の下へ、木乃はつかつかと歩み寄る。しかし、反撃を警戒して注意深く持ち上げた扉の下にいたのは、木乃にとって意外な人物だった。
「し、静先輩ぃ!!?」
ズタボロの状態で目を回している静を、木乃は慌てて抱き起こした。
「どうして?まさか、変わり身の術?」
辺りに散らばる砕けたリンゴや白いマスクを見れば、先ほどの変態と静の関係には気付きそうなものだが、木乃の脳は忌まわしい変身グッズの数々を完全に無視する。
まあ、変身前後であれほど人格がかけ離れている事を考えれば、それも無理からぬ事ではあったのだけど……。
「うう、アイツのせいで静先輩まで………」
「う……ううん……木乃さん…なのか?」
「あっ、先輩気がついたんですね!!」
静が目を覚まして、木乃の顔がパーッと明るくなる。しかし、次の瞬間静が口にした言葉を聞いて、その顔が一気に強張った。
「避妊は大切だ。木乃さん……」
「へ!?」
完全に固まった木乃の前で、静はいたって真剣な表情で話を続ける。
「いいかい、木乃さん。避妊を怠るとどんなに困った事になるか」
「…って、またか――――っ!!!!」
「き、木乃さん?どうしたんだ、しっかりしてくれ!!」
静の発言で先ほどまでの悪夢がぶり返した木乃は、なぜか再登場したバカップルに追い討ちを掛けられて、完全にブチ切れた。
じたばたと暴れる木乃を、静は必死の思いで取り押さえる。
「静先輩まであの変態と同じ事言うなんてっ!!私をいじめてそんなに楽しいんですかっ!!?」
「木乃さんっ!!落ち着くんだっ!!!木乃さ~んっ!!!」
「魔物も変態仮面も、みんなして邪魔ばっかりしてっ!!先輩が好きなのに、先輩と一緒になりたいのに、どうして上手くいかないのよ――――っ!!!!!!」
静の腕の中でようやく暴れるのをやめた木乃だったが、静を見上げる瞳に涙を溜めて、必死に睨みつけてくる。
静はそんな木乃の真剣な表情を見て、ふうっと一つ息をする。そして、穏やかな声で自分の気持ちを木乃に語り始めた。
「やはり、なかなか上手くいかないものだな。何事も初めてのときには………。気ばかりが急いて、上手く事を進められない。挙句に木乃さんを怒らせてしまった……」
「先輩……」
「なんとも無様な話だよ。木乃さんだって、不安な気持ちは同じなのに………本当にすまなかったよ」
シュンとした様子の静を見て、昂ぶっていた木乃の神経が次第に落ち着きを取り戻し始める。
激しい怒りの反動なのか、今度はズーンと落ち込み始めた木乃の肩に、静は優しく手を置いてから、こう続けた。
「木乃さん、私は木乃さんとだからこそ、こういう事をしたいと思った。その木乃さんが望まないのなら、私にこれ以上何かする権利はない。
だけど、もし木乃さんが私を望んでくれるなら、もう一度この頼りないパートナーに木乃さんの心と体、預けてみてくれないか?」
なんとも静らしいぎこちのない言い回しだったが、木乃の胸にはしっかりと届いた。木乃は静の白ランの袖をきゅっと握り、静の胸板に顔を埋めた。
静はそんな木乃の体を姫抱きに抱き上げて、教室の中へと運ぶ。サモエド仮面Xのマントの上に木乃を寝かせてから、気休めに壊れた扉を元の位置に立てかけた。
「先輩………」
おそるおそる、震える手でスパッツとショーツを下ろした木乃。サモエド仮面Xにさんざん責められたせいか、可愛らしいアソコは蜜に濡れて輝いている。
かちゃかちゃとぎこちない手つきで、静が大きくなった自分のモノを取り出す。始めてみた男性のモノ、そそり立つその姿に木乃は思わず息を飲む。
「先輩……きて」
「あ、ああ……」
静は腰を落として、アリソンとヴィルの二の舞にならぬようしっかりゴムを装着したモノを、木乃の濡れそぼった入り口にあてがう。
「じゃあ……いくよ」
静が呟いて、木乃は小さく肯いた。数秒の間を置いてから、木乃の中にゆっくりゆっくりと静のモノが挿入され始める。
「ひぅううっ!…あっ…ああっ!!…ああ、先輩の…わたしのなかにぃ……」
まだ誰の手にも汚されていない清らかな割れ目を、柔肉を引き裂くようにして静のモノが埋めていく。つうっと流れた血の赤が、入り口の辺りに浮かんだ水滴に紛れて滲んだ。
静の背中をきゅっと抱き締めて初めての感覚に耐える木乃は、破瓜の痛みとそれをも上回る形容し難い熱に体を震わせていた。
やがて、静のモノは木乃の奥の奥まで侵入し切った。ビクビクと体を振るわせる木乃に、静は心配そうに声を掛ける。
「だいじょうぶか、木乃さん。辛いなら、無理はしない方が……」
「だいじょぶ…です……ただ、先輩のが熱くて…とっても熱くて……わたしぃ…」
そう言って静の背中を抱く腕に、さらに力を込めた木乃。静は木乃の瞳の端からこぼれた涙を唇で拭い、荒く息を切らす口にそっとキスをする。
「うごいて…ください……わたしも先輩みたいに…熱くなりたいです……」
囁くような声で促され、静はゆっくりと腰を動かし始める。焦らしに焦らしたサモエド仮面Xの責めのお陰か、木乃が感じる痛みは幾分柔らかいもののようだった。
痛みとない交ぜになって押し寄せ、こみ上げてくる熱と疼きに、木乃の呼吸は段々と荒く激しいものに変わっていく。
「ふあああっ!!!ああんっ!!!先輩っ!!先輩ぃいいいいっ!!!!」
静が突き上げるごとに、木乃の反応はより激しいものになっていく。快感に漏れ出てしまう声は徐々に大きくなり、背中を駆け上る電流にビクビクと痙攣してしまう。
快感の爆弾が体の中で何度も爆発しているようだった。頭の中が真っ白になってしまうほどの衝撃に、木乃の意識は何度も寸断された。
先ほどまでの責めとは根本的に性質が違う。文字通り体の奥を貫かれるようなその快感に、木乃はいつしか我を忘れ始めていた。
「くぅ…あはぁ!!……あっ!…あぁ…すごい……せんぱいのぉ…すごすぎるよぉ!!!!!」
一方の静も、ちぎれそうなほどに締め付けてくる木乃の中の感触に、すっかり無我夢中になって腰を振っていた。
自分の動きに合わせて、腕の中に抱き締めた木乃の体が切なげに身悶え、ビクビクと体を震わせて、あられもない声を上げる。
快感に翻弄され、華奢な体を痙攣させる少女は、静にとってあまりに愛しすぎた。彼女の声を聞く度に、頭の中で理性の糸がプチプチと音を立てて切れていくようだった。
もっとこの少女の声を、体温を、全身で感じていたい。その思いを糧にして、さらに強く、さらに激しく、静は責めを加速させていく。
「ああっ…木乃さんっ……可愛いっ!!可愛いよっ!!!」
「ひゃうっ!!…ひはぁあああっ!!!…ああっ……先輩っ…好きっ!!好きぃいいいいっ!!!」
無我夢中のまま快感の濁流に溺れる二人は、呼吸をするように互いの唇を求めた。何度と無く繰り返されるキスのその度に、二人の熱は混ざり合い一つになっていく。
ビリビリと痺れるような快感の狭間で、考えられるのは目の前の愛しい人の事ばかりだった。
木乃は弓なりに背中を反らせ、セーラー服を胸まで捲られて、可愛らしいピンクの突起に吸い付かれる快感に声を上げた。
静の理性は木乃の反応を前にして完全に吹き飛び、もはや加速するピストン運動を自分で止めることすら出来ない。
お互いの体から流れ出た汗に濡れ、自らの最も熱く敏感な部分で相手を感じる。愛しい人が熱い。自分が熱い。何もかもが熱くてしょうがない。
「あああああああっ!!!せんぱいっ!!わらひ…も…おかひくなっひゃうよおおおおおおおっ!!!!」
「くぁ…木乃さん……私も…もうっ!!!」
限界が近付く二人。しかし、加速していく熱の渦は、二人に止まる事を許しはしない。次々に弾ける熱と快感が、二人をさらなる高みへと追い立てていく。
体の内側も、外側も、ただただ熱くて、おかしくなりそうで、だけど恐怖さえ感じるほどの激しい快感にさらされてなお、行為をやめる事ができないのだ。
それでも、もっと熱く。愛しい人と共に、もっと熱く、もっと激しく………。その思いが何もかもを凌駕していく。
そして、高まり続ける熱の中、何かが自分の中で切れたような感覚と共に、それは津波のように木乃に襲い掛かった。
「あああっ!!!木乃さんっ!!!木乃さんっ!!!!」
「せんぱいっ!!せんぱいぃ!!!わらひ…わらひぃ……ああっ!!ひあああああああああああああっ!!!!」
全身を貫いた絶頂の雷。それが過ぎ去った後、燃え尽きた木乃の体はその場に崩れ落ちたのだった。

さて、それから30分ほど後。事後の余韻に浸りながら静の肩にもたれかかる木乃は、サモエド仮面Xの事も忘れてすっかり上機嫌である。
「すごくよかったです、先輩」
「ああ、私もだよ」
「それに、やっぱり初めてを先輩と一緒にする事ができたのが、一番嬉しいです」
なんて言いながら、すっかりいい雰囲気の木乃と静。このまま何時間でもこの状態でベタベタしてそうな勢いである。
しかし、幸せな時は長くは続かなかった。
「あれっ?木乃さん、何か変な音がしなかったかい……」
「本当だ。これは、体育館の方から………って、まさか!?」
どーんっ!!どーんっ!!という音ともに校舎に低く響き渡る振動。そして、木乃の頭をよぎった予感の通り、それは訪れた。
『ギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャッ!!!!!』
『うわあああっ!!!バケモノだぁ!!!!』
校舎に響き渡る耳障りな鳴き声と、誰かの悲鳴。木乃はうんざりとした表情を浮かべてから、それでも気を取り直して立ち上がる。
「あの、先輩……私、急な用事を思い出して……」
「あ、ああ、構わないが……しかし」
「すぐに終わらせて戻ってきますからっ!!だから、待っててくださいね!!!約束ですよっ!!!」
一気にまくしたてて、廊下へと飛び出したキノ。取り残された静はしばし呆然と座り込んでいたが、おもむろに立ち上がると教卓に歩み寄り……
「せいやっ!!!」
気合のチョップで教卓を叩き壊したかと思うと、舞い散る破片の中からソレをつかみ取った。
「よしっ!!待っていてくれよ、謎のキノっ!!!!」
薄闇の教室の中で、赤いリンゴがギラリと輝いた。

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学園キノ

どうも、いつも楽しく正しく活用させてもらってます(使用法は聞かないで下さい)。それはさておき、もっと学園キノのムフフ小説が欲しいです。木乃とキノの可愛さに、胸を打たれる一存であります。相手は静、犬山、はたまた見知らぬ誰かでも構いません。どうか頼みます。
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