2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

すれ違う日もあるけれど(ヴィル×アリソン)

アリソンとヴィルの間に起こったほんの些細な言葉と気持ちの行き違い。
だけど、そんな出来事も含めて二人の絆は深まるのです。







静かに降り続く春の雨に濡れた道を踏みしめて、私は家路を急いでいた。
空軍の仕事で一週間以上も家を空けていた私にとっては、待ちに待った帰宅の時だ。
私とヴィルが一緒に暮らすアパートはもう目の前。
最上階の一番安い部屋。
見慣れた窓に暖かな明かりが灯っているのを見ていると、周囲の気温を下げて春らしからぬ寒さをもたらしているこの雨もさして気にならなかった。
ただ、頭の中に愛しい幼馴染のいつもの笑顔を思い浮かべて、
「ヴィル、待っててね!」
アパートへと向かう足取りを早めたのだった。

「ただいま!!」
「おかえり、アリソン」
家の玄関を開けてそう声をかけた私に、ヴィルは私が思い描いていた以上のとびきりの笑顔で応えてくれた。
久しぶりの我が家。
見晴らしだけは格別の安アパートの空気を肺に吸い込んで、『帰ってきたんだ』と強く実感する。
帰ってきた。
私たち二人がここに引越してきておよそ半年。
私がヴィルに想いを伝えて、ヴィルがそれに応えて、二人で決めた新しい家。
仕事の都合で家を空ける事も多いけれど、今ここが私の『帰る』場所である事、そこにヴィルがいてくれる事がたまらなく嬉しい。
とりあえず、私は仕事の間に溜まりに溜まった恋しさをヴィルに真正面からぶつけようと決めた。
とびついて、抱きしめて、ヴィルの匂いを胸いっぱいに吸い込もう。
だけど……。
「そろそろ帰ってくる頃だと思ってたから、夕飯の準備、出来てるよ」
笑顔でそう言ったヴィルの何気ない一言に私の足は踏み出す直前でピタリと固まってしまった。
「あ…うん。ありがと」
「さ、早く手を洗ってきて」
ヴィルの何でもない一言にタイミングを逸してしまった私。
思い切り、遠慮なしに解放する筈だった感情は空回りして、私はその場に立ち尽くす事しかできなかった。
(でも…だけど……)
確かにちょっとした事に出鼻を挫かれるなんてのはありふれた話だ。
ただ、いつもの私ならそれくらい強引に押し切って、ヴィルに抱きつくぐらい出来た筈だとも思う。
どうしてそれが出来なかったのか、その理由に私は気付く。
(あ……私、緊張してるんだ……)
ちょうどヴィルに告白する前の私みたいに、久しぶりにヴィルと顔を合わせた私はヴィルへの気持ちを持て余して、ちょっとだけ緊張している。
なんだか妙にざわつく気持ちを抱え込んだまま、ヴィルに促された私は手を洗って食卓へと向かった。

ベーコンや色々な野菜と一緒に薄切りのじゃがいもを炒めた料理。
おばあちゃんもよく作ってくれた私の好物だ。
「「いただきます」」
私とヴィル、テーブルに二人向い合ってまだ出来立ての料理を口に運ぶ。
空軍の食事メニューは時と場合によっては恐ろしく貧相なものになる事もある。
久しぶりに我が家で食事をとる私のために、ヴィルが用意してくれた好物は体中に沁みわたるほど美味しい。
ただ、どうしてだろう?
いつもならポンポンと出てくる筈の言葉が喉の奥に詰まって、私はヴィルに話しかける事が出来ない。
どうやら、さっき感じた緊張を、私はまだ引きずっているらしい。
ドギマギと戸惑う心に引っ張られて、私はヴィルと目を合わせる事が出来ない。
勢い任せにヴィルを振り回して、だけど肝心な気持ちだけはどうしても伝えられなかったあの頃。
もう一年以上も前のかつての自分に戻ったみたいで、所在なく視線を漂わせながら、とりあえず私は食事に専念した。
と、そんな時、ヴィルが少し心配そうに声をかけてきた。
「ねえ、アリソン、どうしたの?」
「え?あ?どうもしてないわよ…ぜんぜん、べつにだいじょうぶ…!」
どうやら、今の私の様子は傍から見ても分かるほどおかしくなっているらしい。
その上、歯切れの悪い言葉で答えた私の態度は、余計にヴィルを心配にさせてしまったようだ。
テーブルを挟んでこちらに身を乗り出したヴィルが、私の顔を覗き込みながら言葉を続ける。
「仕事で何かあった?僕で役に立つなら相談に乗るよ?」
「あ…いや…そういうんじゃないんだけど……」
あくまで真面目なヴィルの言葉に私は答える事が出来ない。
私だって突然、自分がこんな風になってしまうなんて思わなかったのだから。
何がきっかけかもよく分からないから、ヴィルにきちんと説明する事も出来ない。
心配させてしまってる。
でも、それをどうにもできない。
微かな罪悪感がチクチクと私の胸の内側を突き刺す。
ただ、その次にヴィルの口から出てきた言葉は、ちょっとだけ、私にとってはショックなものだった。
「……本当に大丈夫?なんだか、アリソンらしくないよ」
「え?」
らしくない。
普段の私を知ってる人が、今のこの体たらくを見ればそう思うのは当然の事だろう。
でも、私はヴィルにそう言われた事が何だかとても腹立たしくて、そして悲しかった。
確かに私はいつでも一点突破の勢い任せ。
考えてから走り出すより、走りながら考えるのが私のスタイルだ。
そのせいで時々失敗をやらかして、周りのみんなに迷惑をかけちゃうのもいつものパターンなのだけど。
それは悩みや不安を抱えている時も同じで、自分ではどうにも出来ない問題にぶつかった時は
ヴィルや空軍の同僚のみんなに相談しながら、立ち止まる事なく解決まで突っ走る。
これまでもこれからも変わらない、それがアリソン・ウィッティングトンの生き方だ。
だから、今の私にヴィルがそんな言葉をかけるのも仕方の無い話なのだ。
でも、だけど、私は思う。
それだけが、私の全部じゃないのだと。
「ヴィル……」
「え?」
自分でもわかるくらいムスッとした顔を、見下ろすヴィルに向ける。
「心配してくれてるのは嬉しいけど、その言い方、ないと思う」
こんな私でも、優柔不断にウダウダと言葉に出来ない悩みを抱え込む事だってある。
心配しても仕方ない事を心配し続けて、ぐるぐると回るその思考で頭がいっぱいになる事がある。
猪突猛進、元気爆発の裏に隠して、『私らしくなく悩む』時間は確かに存在する。
誰だって、そういう人には見せない自分を隠し持っているものだと思う。
外からはなかなか見えないソレを、言葉にもしないで理解してもらおうなんて、虫の良い話なんだろうけど、
それでも、私はヴィルにあんな事を言ってほしくなかった。
「ヴィルにだってあるでしょう?自分が自分らしくなくなっちゃうとき。……でも、そういう時の私も間違いなく私なの」
そして、私が今までの人生で、そんな風に自分を見失うくらい悩んだ一番の事。
それは、今目の前にいる優しい目をした幼馴染の男の子の事だ。
ヴィルに気持ちを伝えたい。
そう思っても、いざ行動に移そうとすると、私の体からはいつもの元気が消えてなくなって、酷く臆病になってしまう。
嫌われたらどうしよう、そんな埒の明かない考えで胸がいっぱいになって、次の一言を選ぶのさえ怖くなる。
大事な事だから。
他に代えられない、本当に大切なものだから。
どうしようもない不安や心細さ、そういう物を乗り越えて、ようやくヴィルに気持ちを伝える事が出来たのだから。
「……………」
無言でじっと睨みつける私の前で、ヴィルの表情にハッと驚いたような色が浮かんだ。
それからヴィルは少し苦しそうに、きゅっと目を細めて
「ごめん、アリソン……」
静かな声で、私に謝ってくれた。
その肩が力なく縮こまるのを見て、私の胸に罪悪感が湧き上がる。
普通なら気づかない事、言わなければ分かってもらえない事。
長い間一緒にいた仲だとは言っても、ヴィルは私の全部を知ってるわけじゃない。
そして、それは私も同じ。
一緒に暮らしていく中で互いの知らなかった面に気付いて、認め合っていく。
きっとそれが本来のあり方で、『わかってもらえなかった』とヴィルに怒りをぶつけた私のやり方は間違っていたんじゃないか。
冷静さを取り戻した頭でそう考えた。
「……こっちこそごめんね、ヴィル。きちんと話せばいい事なのに、急に怒ったりなんかして」
だけど、おずおずと口を開いた私にヴィルはこう答えた。
「ううん。ありがとう、アリソン」
「あり…がとう…?」
その言葉を聞いて、私はポカンとヴィルの顔を見上げた。
「アリソンが言ってくれなかったら、僕は自分の言葉でアリソンがどんな気持ちになったのか、きっと気付く事が出来なかったと思うから。
自分が何をしたのかも、アリソンが傷ついた事も知らないで、いつかまた同じ事をアリソンにしてしまう。
そんなの絶対に嫌だから……だから、ありがとう、アリソン……」
いたわるように頬に触れるヴィルの手の平が温かい。
私はその手に自分の手を重ねてヴィルに応える。
「それじゃあ、ヴィルも言いたい事、言わなきゃいけない事、我慢したりしないでね。
私だって、知らない内にヴィルの事を傷つけたりするのは嫌だもの」
「うん。わかった。約束する」
微笑み、頷き合った後の私たちは、きっと前よりもっと近くにお互いの心を感じられるようになった。
そんな気がした。
それから再び私たちは食事を再開。
料理は少し冷めてしまっていたけれど、二人で食べる夕食はやっぱりとても美味しかった。
というわけで、その日、私とヴィルの間に起こった小さな行き違いは解決して、全ては一件落着となった
……その筈だった。

(………なんで、どうして!?)
先にシャワーを使わせてもらって、一人きりで座り込んだ寝室のベッドの上。
私は枕をぎゅっと抱きしめて、高なる心臓を無理に抑えつけようとしていた。
(どうして、まだ私、こんなに緊張して、ドキドキしてるのよ!?)
今日、私の調子を狂わせた緊張の原因は、久しぶりに家に戻ってヴィルに会える、その事から発生していた筈だ。
僅かな空白期間が私を少しだけ以前の私に立ち返らせていた、それだけの事。
面と向かってヴィルと話ていればその内元に戻る筈だったし、現に夕食の後はすっかりいつもの調子を取り戻していたのに。
ヴィルがシャワーを浴びに行ったつい先ほどから、あの緊張感が、ドキドキが、勢いを増して心を覆い尽くしている。
(わ、私、どうしちゃったんだろう?)
混乱する頭の中で、導き出した答えは一つ……。
(それだけ……ヴィルが恋しかったって事なのかな?)
(でも、ヴィルと離れてたのはたかだか一週間と少しよ。
昔はもっと長くヴィルと離れ離れだった事なんていくらでもあったし、その時はこんな風にはならなかったのに……)
(……違う。昔の私は、たぶん気付いてなかっただけなんだ。ヴィルに会うのが楽しみで、それこそ緊張なんか意識できないくらい、
とっても嬉しくて、本当に嬉しくて、嬉しくて嬉しくて嬉しくて…………)
(そうよ。今日の私だって同じ。帰ってきた時は嬉しくて、自分がドキドキしてる事にほんの少ししか気づけなくて……
でも、ヴィルと夕食を食べて、話して、ヴィルが傍にいるって実感がようやく湧いてきたから………)
と、そこまで私が考えたときだった。
ガチャリ。
「アリソン、シャワーあがったよ」
「ふぇっ!!?」
シャワーを終えたヴィルが寝室に入ってきたのだ。
何をどうしていいやら分からず、私は咄嗟に毛布を頭からかぶって身を隠した。
やがて、ダブルベッドの隅っこにヴィルが腰掛けて、その時の揺れがこちらにまで伝わってきた。
毛布の端っこから顔を出して見ると、パジャマ姿のヴィルの背中が見えた。
「もう寝ちゃったのかな……」
私の様子を伺いながら、呟くヴィルの声が聞こえる。
「……仕事、随分大変だったみたいだし、疲れてて当然か」
ヴィルが振り返る気配を感じた私は再び毛布の中に潜り込む。
そんな私の頭の上に、毛布越しにそっとヴィルの手の平が触れた。
「今日は、悪いことしちゃったかな。……確かに、『らしい』とか『らしくない』とか、簡単に言える事じゃないよね」
言いながら私の頭をなでるヴィルの手の平の感触に、私の心臓はいよいよ加速する。
「言いたい事、言わなきゃいけない事は我慢しないように、か………アリソンはもう寝ちゃったけど、言っておくのも悪くないかな」
(えっ?ええっ!!?ヴィル?何?何なの?何言ってるの!!?)
毛布越し、ゆっくりとヴィルの気配が近づくのを感じた。
「アリソンがいない間、正直さびしかったよ……」
(は…え…うあ!!?)
「上級学校に通ってた頃はずっと会わないのが普通だったのに、不思議だね……」
それらの言葉は既に臨界ギリギリの私のハートに叩き込まれて
「だから、またこうして一緒にいられるのがすごく嬉しいよ……おかえり、アリソン」
その最後の台詞がついに私にトドメを刺した。
エンジンフルスロットル。
機首を高く上げた飛行機が雲海を突き破ってまん丸の満月の下に躍り出るイメージが脳裏を駆け抜けた。
「ヴィルぅううううううううううううううううううううっっっ!!!!!!」
「うわ!?ア、アリソンっっっ!!?」
もはや制御不能の気持ちを爆発させて、毛布をはねのけた私はヴィルに踊りかかった。
思いがけずベッドの上に押し倒す形になったヴィルの体を、情け容赦なしにぎゅうぎゅうと抱きしめる。
「え?え?起きてたの、アリソン!!?」
明らかに戸惑ったヴィルの声。
耳に届くその言葉さえ愛しくて、私は今まで緊張のただ中でセーブされていた気持ちを一気に解放する。
「私も嬉しい!!ヴィルの近くにいられるのが凄く嬉しい!!…大好きよ、ヴィルっ!!!!!」
決壊したダムから流れ出る濁流の如く、ヴィルへの感情がとめどもなく溢れでて言葉に変わる。
さらに私はその勢いに押されて、ヴィルの唇に自分の唇を重ねあわせた。
「ふえ…あ……アリソン!!?」
「ん~…ヴィルのからだあったか~い」
ふわりと漂う石鹸の匂い、シャワーを浴びたばかりの肌の熱、体全体で感じるヴィルの感触に私の胸は幸せいっぱいだ。
最初は驚いていたヴィルも、やがて苦笑しながら私の背中を優しく抱きしめてくれた。
「寝たフリして、いきなり飛び起きるなんて、驚いたよ、アリソン……」
「今日の教訓を活かしただけよ、ヴィル」
「教訓?」
「ヴィルもさっきやった事。言いたい事、言わなきゃいけない事は我慢しない」
「あ……さっきのやっぱり聞かれてたんだ……」
今更ながらに頬を染めるヴィルに、私はこう続ける。
「というわけで、やるとなったら何事も徹底的に。教訓に従って、今夜は言いたい事は我慢しないわ」
「えっ?」
湧き上がる愛しさだとか、気恥ずかしさだとか、色んな感情が胸の内でぐるぐると渦を巻く。
ドキドキと自分の心音がうるさいくらいに耳に響く。
(ああ、やっぱりヴィルの事、好きだな……)
ほんの僅かな会えない時間が浮き彫りにした自分の気持ちをしみじみと噛み締めながら、私はヴィルに言った。
「ねえ、しよ?」
口に出してから、形容し難い恥ずかしさがカーっと胸の奥から湧き上がってきた。
でも、これが今の私の気持ち。
もっとヴィルと触れ合って、その体温を感じて、ずっとずっと愛し合っていたいという強い想い。
顔を赤くしながら、私はヴィルに問いかける。
「ねえ、ヴィルはどうなの?」
「ぼ、僕は……」
じっと見つめる私の顔を映して、ヴィルの瞳が揺れる。
しばしの逡巡。
それから、私の背中に回されていたヴィルの右手が、そっと頬に触れて……
「僕も…したい。時間も何も全部忘れて、ずっとアリソンと愛し合っていたい……」
いつの間にかシンクロしはじめた二人分の心音に惹かれるように、私たちはその身を重ねあわせたのだった。

「うう…やっぱり、これは恥ずかしいな……」
「なんて言われちゃうと、余計に気合が入っちゃうのよね」
「いじわる言わないでよ、アリソン……」
ヴィルの下腹部、体の奥底から湧き出る熱情を受けていきり立ったヴィルの分身に私の唇が触れる。
ヴィルはどうにもこうやって私に口でされるのが恥ずかしいらしい。
確かに、こういう部分は男の子も女の子も隠したがるものだけど……。
「でも、ヴィルだって私の恥ずかしいところ、同じように気持ちよくしてくれたわよね」
「あう……それを言われると……」
まあ、ヴィルのこの反応も仕方がないものではある。
首都に引越してきてから半年が経過した今でも、まだまだ私とヴィルはこういった行為をそんなに多くこなしてる訳じゃない。
ヴィルは勉強、私は仕事、それぞれのやるべき事に忙殺される毎日の中でなかなか機会に恵まれなかったのだ。
ヴィルだって男女のアレコレについて知識がない訳じゃないし、むしろいつもは私をリードしてくれるのだけれど、
『口でしてあげる』場合、ヴィルはされる側になるわけで、行為に没入して私を気持ちよくする事だけを考えるという訳にはいかなくなる。
それがどうにも恥ずかしくてたまらないらしいのだ。
だけど、私だってヴィルには気持ちよくなってもらいたいわけで、
まだまだ十分とは言えない経験と聞きかじりの知識を足がかりに、こうしてヴィルにご奉仕してあげるのだ。
「んちゅ…んんっ……あっ…ヴィルのが私の口の中でビクビクいってる……」
「ぁ…くぅ…アリ…ソン……」
口の中に含んだソレはヴィルの体の他のどの場所よりも熱くて、火傷しそうなその熱量に圧倒されながらも私は夢中でそこに舌を這わせる。
血管の脈打つ幹のを、キノコの笠のようになった先の部分をしゃぶる度にソレはビクンと震える。
(私の口で気持ちよくなってくれてるんだ……)
幾度も舌を絡ませ、ねっとりとした唾液を塗りつけて、私はヴィルのモノから溢れるその熱を享受する。
しゃぶって、ねぶって、夢中になって尽くすほどに、焼けるようなその熱が私の興奮を高めていく。
「ふぁ…んぅ…んくぅ……うう…んむぅ……ぷぁ…あ…ヴィルの……熱いよぉ……」
「…アリソンの舌が…ああ…何度も絡みついて……く…うう……」
ヴィルの分身が熱を増していくほどに、私の下腹部にもじわじわと体中の熱が集まり始めているのを感じる。
奉仕すればするほどに、ヴィルのモノが熱くなって、私の体も熱くなる。
だんだんと呼吸が荒くなって、ときどき自分のものとは思えないくらいいやらしい声が漏れでてしまう。
それはヴィルも同じで、淫靡な熱を帯びた互いの声を耳にしている内に、私とヴィルは狂おしいほどの昂りを共有していく。
ビクン。
小さく脈打つ度にヴィルのモノの先端から溢れる、透き通った熱い液体。
(これが…ヴィルの……)
口の中に薄く広がるその味が私をさらに夢中にさせる。
固く張り詰めたヴィルの一番感じやすい部分、その舌触りを、質量を、絡めた舌で、口の全体で感じ取る。
熱い。たまらないほど、おかしくなりそうなほど熱いソレが私の心を内側から溶かしていく。
下腹部に渦巻く熱はついに限界まで高まり、滴る蜜となって太ももの内側を流れ落ちていく。
(うあ……ああっ…ヴィルぅううううっっっ!!!!!)
そして、そんな体さえも置き去りにするスピードで、私の心の中で身を焼くほどの熱情が高まっていく。
昂ぶる想いは眼前のただ一つの行為に集約され、それは着実に激しさを増していく。
そして……
「く…アリソン……僕は…もう……っ!!!」
限界を感じたヴィルの声が聞こえた。
ビクビクと激しく脈動するヴィルのモノの内側から、何かがこみ上げてくる気配を感じる。
ヴィルは私の口の中に出してしまわないよう、腰を引こうとした。
だけど、私は無我夢中でその腰に縋りついた。
「アリ…ソン!?」
(ヴィルのなら…ぜんぶ…受け止められる……受け止めたい……)
やがて、堰を切ったように溢れ出したヴィルの熱が、私の口の中に迸り出た。
激しく波打ち、暴れまわる白濁の津波を、私は必死の思いで嚥下する。
舌に、喉に、絡みつく粘り気はヴィルが今そこにいて生きている事の証のように思えた。
白濁の放出は留まるところを知らず、ついには口から溢れでて、しぶきとなって私の肌の上に降り注いだ。
口の中を満たし、喉の奥に流れ込み、外側からも私を白く塗りつぶしたヴィルの熱。
その沁みるような熱さに呆然とする私に、ヴィルが絶え絶えの息で声を掛けてきた。
「…っはぁ…はぁ……アリソン…ごめん……」
「いいのよ、ヴィル……私がしたくて…ヴィルのが欲しくてやった事なんだから………まあ、ちょっとむせちゃったのは事実だけど…」
申し訳なさそうなヴィルの顔を見て初めて、今の今まで口での行為に没入していた自分が少し照れくさくなって、
私はちょっとだけ顔が熱くなるのを感じながら、ヴィルにそう答えた。
ヴィルはそんな私の頬に手をやって
「…僕もあんまり…我慢できそうになくなってきたみたいだ……」
そう言って、私の体を強く抱き寄せ、唇を重ねあわせてきた。
「ん…ううんっ…ぷぁ…ああ…ヴィル……ヴィルぅ…」
「アリソン…きれいだ……」
まだ白濁の残る私の口の中に構わず舌を這入らせ、ヴィルは強く激しいキスをしてくれた。
舌と舌が絡み合わせ、息継ぎする間も惜しんで私とヴィルは互いの口の中を愛撫した。
優しく肩に置かれた手が、そんな私の体をゆっくりとベッドの上に押し倒す。
ヴィルはそこでようやく私と重ねていた唇を離して、今度は首筋にキスを落とした。
「ひぁ…あ…くぁ……ヴィルぅ…ふぁああんっ!!」
そこから続けざま、体中に降り注ぐキスの雨。
胸に、腕に、脇腹に、脚に、次々と刻まれていくキスマーク。
甘く駆け抜ける電流のようなその刺激に、私は為す術も無く身悶え、声を上げた。
「うあ…ああっ…あくぅ…そんなとこ…ダメぇ…っ!!!」
降りしきるキスの嵐の最中でも、ヴィルの手の平は休むことなく動く。
私の左右の乳房はヴィルの優しく、だけど休む間を与えずに続けられる愛撫によってくちゃくちゃに蕩けてしまいそうになる。
さらに、限界いっぱいまでいじくられた胸の先端でピンと張り詰めた突起をつままれて、弾けた甘い痺れに弓なりに反らした背中が震えた。
ヴィルの指先が、舌が、私の肌の上を滑って、私がみるみる変えられていく。
鎧のように分厚く着込んだ理性は溶けて崩れて、残されたむき身の自分自身が強く激しくヴィルを求めて叫ぶ。
「はぁ…あ…ヴィル…もっと触れて…手の平で、唇で、…もっとヴィルの事を感じさせて……っ!!!」
ヴィルの舌先がするりと私の太ももを滑り、その刺激に全身を震わせたのもつかの間、
その舌先は今度は私の両脚の付け根の内側、溢れ出した雫で濡れた一番敏感な場所に近づいていく。
「ふあ…ああ……ヴィル…そこは…!!?」
私の言葉が届くよりも早く、ヴィルの舌が私のアソコを軽く撫でた。
「くぁ…ああっ…だめ…そんなとこ…汚いよぉ……!!」
「アリソンに汚いところなんてないよ。それに、さっきは同じ事を僕にもしてくれたじゃない……」
「うぅ…ヴィルのいじわるぅ~…」
丹念に、繊細に、どうすれば一番私が気持ちよくなるのか、僅かな経験で既にすっかり熟知しているヴィルの舌が私のアソコを刺激する。
やがて、その舌先は割れ目の部分にもぐりこんで、浅いところを何度もかき混ぜた。
次から次へと押し寄せる快感の波に晒されて、無防備な私の体が踊り、くねる。
自分でも信じられないくらいエッチな声を上げながら、ヴィルの愛撫がもたらす快楽に私はどんどん溺れていった。
「すごい…アリソンのアソコ、もうビショビショになって……」
「ひあっ…うああ…ヴィルのばかぁ…そんな…恥ずかしい事…あんっ…言わなくてもいいでしょ!!」
「ごめん、アリソン…だけど……」
恥ずかしさに耐えかねてポカポカと頭を叩く私に向かって、ヴィルはこう続けた。
「アリソンがこんなになるのも…僕といっしょ…だからなんだよね……?」
その言葉に、私の手は自然に止まって
「うん……きっとそう……ヴィルだから…ヴィルじゃなきゃ…こんな風にはなれないよ……」
そう答えていた。
ゆっくりと体を起こしたヴィルと、私の視線が交差する。
「ねえ、ヴィル……」
「わかってる……」
固く固く、張り詰めたヴィルのモノの先端が、私のアソコの入り口に押し当てられる。
高なる鼓動はいまや最高潮に達して、その熱に浮かされた私とヴィルには、もうお互いの事しか見えていない。
「いくよ、アリソン……」
「うん。…きて……」
私が頷くと、ヴィルはゆっくりと腰を沈めて挿入を開始した。
熱い血の通った粘膜同士がこすれ合って、私とヴィルの口元から熱っぽい息が漏れる。
「アリソン……っ!!」
「くあっ…ああんっ!!ヴィルが…ヴィルのが私のなか…こすって……っ!!!」
恥ずかしいぐらいに濡れた私のアソコをかき分けて、奥へと進むヴィルのモノ。
軽く腰を動かしただけで、互いの粘液が混ざり合ってくちゅりといやらしい音が耳元に届く。
ただ、互いの体を触れ合わせて、愛撫しているだけとは違う、もっと直接に互いの存在を感じている実感。
快感を生み出す神経と高め合った熱が直に交わって、私の体の隅々にまで快楽の電流が押し寄せてくる。
その激しさに振り落とされそうな錯覚を覚えた私は、知らず知らずの内にヴィルの背中を強く抱きしめていた。
「ああっ…ひあああっ!ヴィルっ!!すごいっ!!ヴィルのあついのが…私の奥まで届いて……あああんっ!!!」
ヴィルの腕もまた、私に応えるように背中をぎゅっと抱きしめてくれた。
渦巻く快感の濁流の中、互いの存在を委ねて、委ねられて、私はより強くヴィルの事を感じていた。
耳元に伝わる息遣いが、燃えるような体温が、優しい肌が指先が、ヴィルがそこにいると教えてくれる。
交わり、弾ける快楽の光が、そこにいる愛しい人の心をより強く浮出たせてくれる。
「うあ…ヴィル…ヴィルぅううううううっっっっ!!!!!」
「アリ…ソン……っ!!!」
無我夢中で名前を呼べば、応えてくれる声がそこにある。
熱と快楽に翻弄され、乱れ続ける心と体の中に、それだけはしっかりと刻み込まれる。
好き。
大好き。
こみ上げる熱情に背中を押されて、私たちの行為は際限なく加速していく。
夢中で腰の動きを合わせて、体を駆け抜ける快感に、まるで子供に戻ったみたいに声を上げる。
「ああっ…アリソンのなか…すごく熱い……っ!!!!」
「ふあ…ああああっ!!!すごい…ヴィル…きもちいいよぉおおおおおっっっ!!!!」
熱が、快感が、そして燃え上がる感情が、オーバーフローを起こして私たちの瞳から涙の雫に変わって零れ落ちる。
求めても求めても終わることの無い官能のスパイラルの中で、私とヴィルは上へ上へと押し上げられていく。
そして、やがて………。
「…アリソン…もう僕は……っ!!!!」
「…ヴィルっ!!…イこうっ!!二人いっしょに!いっしょにぃいいいいいっ!!!!」
バチバチと視界に飛び散る白い火花。
心も体も融け合った私たちは無我夢中で頂点を目指して加速を続け、
やがて、限界を越えた心と体は熱と快感の渦の中で私とヴィルは絶頂を迎えた。
「くぁ…アリソンっ!!アリソンっっっ!!!!」
「ふああああああああっ!!!!!ヴィルっ!!!ヴィルぅうううううううっっっ!!!!」
ビリビリと駆け抜ける激しい絶頂感に全身が激しく痙攣する。
そして、その大波が過ぎ去った後も、私とヴィルは互いを抱きしめた腕を放す事なく、ずっと体を寄せ合っていた。

翌日、私は久しぶりの休暇にヴィルとのデートを満喫した。
昨夜からのハイテンションを引きずったままの私は、随分好き勝手にヴィルの事を振り回してしまった。
その事について、ちょっと無理をさせてしまったんじゃないかとヴィルに尋ねると
「昨日話したばかりじゃない。言いたい事、言わなきゃいけない事は我慢しない。
無理ならちゃんと伝えるし、嫌ならここにはいない。今、僕がいたい場所はアリソンの隣なんだよ」
優しく笑って、そう答えてくれた。
夕日に照らされた帰り道は、一日の終わりを否が応でも意識させて、少し切ない気分にさせる。
また明日からはいつも通り、空軍の仕事に励む日々だ。
ヴィルとべったり一緒にいられた一日はもうすぐお終いだ。
寂しい気持ちを持て余して歩く私。
そんな私の前に、不意にヴィルの手の平が差し出された。
「手を繋いで帰ろう。せっかくのお休みで、デートなんだから……」
「それも昨日の教訓?」
「……うん。僕は今、アリソンと手を繋いで帰りたいって思ってる」
にっこり笑ったヴィルに、私もとびきりの笑顔を返して
「そうね。私も同じ気持ち……」
ぎゅっとヴィルの優しい手の平を握りしめた。
夕日が長い影を落とす帰り道。
夜が近づいて、だんだんと冷たくなっていく風の中、握り合った手の平だけはとてもとても温かかった。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

SBI

Author:SBI
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR