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伝えたい気持ち(トレイズ×リリア)

リリアとトレイズⅥ終了直後のお話。
行方不明だったトレイズが学校に姿を現し、リリアは溜め込んできた感情を爆発させます。
リリアがトレイズに向けて放った『伝えたい気持ち』
直球ストレートなトレイズ×リリアSSです。





自分で自分の行動が信じられなかった。
「リ、リリア……?」
わたしの下敷きになった、トレイズが呆然とつぶやく。わたしは今、自宅の、今夜トレイズが泊まる部屋の、そのベッドの上にトレイズを押し倒していた。
「…どうして?」
「知らないわよ!」
わたしをそうさせた衝動の、その正体がわたし自身にもわからなかった。
行方知れずになったトレイズの消息を待ち続ける内に春休みが明けて、もやもやとした気持ちを抱えたままのわたしの前に平然とコイツは現れた。
しかも、私の学校の制服を着て、私のクラスメートだと言って。
色んな事を聞こうと思った。色んな事を言おうと思った。だけど、言葉にしようとしたその一つ一つが、まるで手の平をすり抜けるように消えていった。
転校生に興味津々のクラスメート達の質問攻めをかわして、今夜はわたしの家に泊まるトレイズと一緒に帰宅するまで、トレイズとほとんど会話する事も出来なかった。
(あいつの顔を見た瞬間は、色んな事を言ってやろうと思ってたのに……)
胸の中に広がるもやもやをどうする事も出来なくて、それでも何とかしようと訪ねたトレイズの部屋で、振り返ったあいつの顔を見た瞬間、わたしは動いていた。
何をどうしようと思ったわけではない。気が付いたらこんな形になっていただけだった。
ベッドを背に倒れて、私に乗っかられて、トレイズは戸惑いながらもわたしの肩に手をやって、心配そうに見上げてくる。
その顔を見ているだけで、胸が締め付けられた。
不意に、トレイズの顔に水滴が落ちて飛び散る。気が付くとさらにもう一滴。次々と落ちる水滴に濡れるトレイズの顔が、わたしの視界の中で次第に滲んで、ぼやけていく。
「リリア…涙が……」
わたしは泣いていた。
肩を震わせて、まるで小さな子供のように、わたしは泣いていた。
「誰のせいだと思ってるのよ!!」
そう叫ぶ間にも、ぼろぼろと零れ落ちていく涙。トレイズの手の平が左目の端から零れたその一滴を拭う。
堪えようとしても、それは後から後から湧き出して決して止まってくれない。当たり前だ。ずっと我慢してたんだ。ずっと、気が遠くなるほど……。
「リリア……」
訳も解らず泣きじゃくるわたしから、トレイズは目を逸らさなかった。戸惑いながらもまっすぐわたしに向けられた視線に、わたしは自分の心が次第に落ち着いていくのを感じた。
そのまま、私たちは見詰め合う。私を見上げるトレイズの顔が、戸惑いの色が消え、何かを決意したような表情に変わる。
「ごめん……」
トレイズの両手がわたしの頬に添えられて、
「リリア…好きだ」
ようやく、私はその言葉を聞く事が出来た。
そして、気が付く。聞きたい事も、言いたい事もたくさんあった。だけど、その中で本当に大切な事は一つだけ
「私も、好き」
言わなければ、そう思っていた。

あの時知ってしまったトレイズの気持ちに、わたしは答えてあげなければならなかった。
もしかしたら、ずっと前から知っていたのかもしれない。いつだって、トレイズはわたしの事を大切にしてくれて、大事に思ってくれていた。
春休みの事件だけじゃなく、もっと昔から……
そんなトレイズに、何も言えないまま、私の思ってる事を何一つ伝えられないまま、もう少しで何もかもが終わってしまうところだった。
凶悪犯罪者にまで説教されて呆れられて、それでも自分の気持ちをはっきりさせられない。とんでもないバカ。だけど、それでも……
「私だって、好きなんだから……」
それでも、いつだって必死に私の事を思ってくれたトレイズの気持ちを、私は知っていたのだから……
「ありがとう、リリア」
涙でもうほとんど見えないトレイズの顔が、近づいてくるのがわかった。
唇が、重なった。
「リリア……」
「ん……トレイズ…」
自分の唇に触れたその熱さに、息が止まりそうになる。
そういえば、こんな風にするのは初めてじゃなかったな、と思い出す。さらに、目の前の当人がそれを知らない事も思い出して、何だかおかしな気持ちになる。
唇を離す。トレイズを正面から見る事が出来なくて、どうしていいかわからず、思わずトレイズの肩に顔を埋めた。
そんなわたしの肩を、背中を、優しく撫でながらトレイズが話し掛けてくる。
「心配かけた…?」
「当たり前よ」
「今日まで連絡しなかった事、怒ってる…?」
「当然よ」
戸惑うようなトレイズの口調が面白くて、トレイズに見えないように、わたしは笑う。
ようやく、トレイズが戻って来たんだという確かな実感。溢れ出る想いが、わたしにある決意をさせた。
顔を上げ、トレイズの目をまっすぐ見つめる。
「だから……」
「な、何?」
「だから、わたしの言う事、何でも聞いてもらう事にするわ」
すぅーっと肺一杯に空気を吸い込み、わたしは言った。
「トレイズと、ひとつになりたい……」
その言葉の意味をトレイズが理解するまで数秒掛った。それからあっという間に顔を真っ赤にしたトレイズがブンブンと首を横に振る。
わたしはそんなトレイズをじろりと睨みつけて
「………嫌なんだ」
「そ、そ、そうじゃないけど……そうじゃなくてぇ!!!」
「じゃあ、何?」
こっちだって恥ずかしいのに、トレイズの煮え切らない事ときたら……。それでも、顔から火を吹きそうな気分を押さえつけて、さらにもう一押し。
「………覚悟を決めなさい」
「でも……」
「ヘタレ」
「うぅ……」
そこまで言われて、ようやくトレイズも腹を括ったみたいだ。両手をわたしの肩に乗せ、まっすぐに見つめてくる視線に、自然とわたしの胸も高鳴る。
「俺も……リリアが欲しい……」
いざ言われてみると、どう言葉を返したらいいかが解らなくて、それでも真っ赤になったままのわたし達は、磁石が引かれ合う様にもう一度唇を重ねる。
お互いの言葉に触発されたように、さっきのキスより、さらに激しく相手の唇を、舌を、求め合って唾液を絡ませ合う。
抱き締められたままベッドの上に仰向けに倒され、唇を離すと、わたしに覆い被さるトレイズの姿が、緊張に赤く染まったその顔が見えた。
「リリア…触るよ…」
「うん……」
トレイズの手の平がわたしの胸の上に触れた。そのまま、おっかなびっくりの手つきでトレイズはわたしの胸を揉む。
触れる方も触れられる方も、同じように緊張し、初めての愛撫に息を飲む。くすぐったいような、切ないような、何とも言えない感触が駆け抜けた。
「……ぁ…はぅ…」
思わず漏れ出た自分の声が妙にいやらしくて、わたしの体はさらに熱くなってしまう。恥ずかしさと、もっとトレイズの手の平を感じたいという欲求がわたしの中でせめぎ合う。
「ねえ…脱がせてくれない……」
聞こえるか聞こえないかのほんの小さな声で、わたしはそう囁いた。
その願いを叶えてもらいたい。でも、本当に叶えられたらどうなってしまうんだろう。その葛藤を、トレイズの答えが断ち切る。
「うん…わかった、リリア……」
わたしのシャツのボタンに、ためらいがちにトレイズの指が伸ばされる。一つ一つ、ボタンが外されていくのを感じながら、わたしはトレイズの顔を見ていた。
初めての行為に緊張しながらも一生懸命なトレイズの表情が可愛くて、自然に顔が綻んでしまう。
シャツも、スカートも、ブラジャーも、トレイズの手に次々と脱がされて、生まれたままの姿に近付いていく。
最後に残ったショーツが、一番大事なところを隠していたそれがゆっくりとずらされて、露になったわたしの裸にトレイズが息を飲むのが聞こえた。
「……リリア…」
無防備に晒された肌にトレイズの視線が突き刺さるようで、嬉しさと恥ずかしさが頭の中で入り混じる中、わたしはトレイズを見つめ返す。
「トレイズのも…見たい……」
「あ、う、うん……」
わたしの言葉で、トレイズも自分の服を脱ぎ始める。しゅるり、しゅるる、という衣擦れの音の中、わたしはその様子を声もなく見ていた。
華奢でもなく、かといって厳ついわけでもない、引き締まった体。筋肉の描くなだらかなラインを追って、視線を上半身から下半身へ。
初めて見るトレイズの、既に大きくなり始めているその部分。視線を逸らす事も出来ず、ドキドキしながらソコを見ていると、トレイズが恥ずかしそうに話し掛けてきた。
「や、やっぱり変かな……」
「え、いや……その…他の人のは知らないから……よくわからないけど……」
対するわたしもしどろもどろ。顔を真っ赤にして答える。
「…初めて見てドキドキしてるけど……トレイズのだって思うと……」
手を伸ばして、触れた。一瞬、伝わってきたあまりの熱量に、ヤケドしそうな錯覚を覚える。ゆっくりと指を絡めた。
「…きゅんとして…愛しくて……」
「リリア…うあ……」
反応してかすかに震えるトレイズの体。荒くなるお互いの呼吸。トレイズもわたしの胸に両手を伸ばし、再び触れる。
「リリアも……きれいだ…」
耳元でトレイズが囁き、そのまま首筋にキスをしてきた。その言葉の嬉しさと、首筋を滑る舌のゾクゾクが一体になってわたしの体を駆け巡る。
「…ふあっ…トレイズぅ……」
両胸を優しく愛撫するトレイズの手の平。乳首がピンと張り詰めて、信じられないくらい敏感になって、指先で弄ばれるごとに電気が走った。
しばらくすると、右手はそのままにして、トレイズの左手が背中の方にまわされる。微妙な力加減の指先でなぞられると、背中に甘い痺れが駆け抜けた。
「…くひぅ…あぁ…すごい…すごいよぉ……」
「…あぁ…かわいいよ…リリア……」
トレイズのキスは鎖骨に移動して、さらに執拗なものになっていた。トレイズの舌が這った跡はビリビリと痺れて、吹き抜ける風に触れただけでわたしは反応してしまう。
トレイズがわたしに夢中になって、トレイズの手の平や舌先がわたしの体中に触れて、胸板や腕や太ももや、体のあらゆる場所が触れ合って、その全てがわたしを蕩かしていく。
(いま…体中で感じてる熱さは……ぜんぶトレイズなんだよね……)
わたしも無我夢中でトレイズの体に触れて、少しでも強くトレイズを感じようとした。
触れて触れられて、快感を分かち合って、それなのに胸の奥の切なさはどうしようもなく大きくなっていく。
「…ね…トレイズ……」
押さえ難い衝動がさらにわたしを突き動かす。
「おねがいが…あるの……」
「……何?」
「…ここも……して…」
おずおずと指先で示した先は溢れ出す蜜に濡れた、脚と脚の付け根の、一番敏感で、一番大事な場所。
「…トレイズに…さわってもらいたい……」
わたしの言葉に、トレイズは一瞬戸惑いの表情を見せたけれど
「…うん」
やがて右の手の平をゆっくりと、わたしの大事な部分へと伸ばし始めた。
「…ひゃんっ!」
指先がぷくりと立ち上がって存在を主張する小さな突起をかすめ、わたしは小さく叫んだ。そのままトレイズの指は太ももの間の、入り口の部分に到達する。
「…こんなに熱いんだ……」
トレイズが思わず漏らした感嘆の言葉がなんだかとても恥ずかしくて、触れられただけのその状態があまりにもどかしくて、本当におかしくなってしまいそうだ。
やがて、トレイズの指先はそのまま入り口を何度か撫でて、ゆっくりとわたしの中に入ってきた。

「…あぁ…ふああっ!!…あはぁ…あああっ!!!」
ごく浅い部分を、指先で何度かかき回されるだけ。それでも、他の部分とは比べ物にならない衝撃に襲われ、わたしはトレイズの肩にしがみついた。
「…ひあっ…ああぅ…トレイズの指が…くちゅくちゅってぇ……っ!!!」
トレイズが指を動かすごとに溢れ出た蜜が彼の手の平を濡らす。恥ずかしさにイヤイヤと首を振りながらも、その快感に流される自分を止められない。
トレイズの指遣いもだんだんと激しさを増し、突き抜けるような快感に何度も声を上げた。
「…はぁうっ!!…あっ…あはぁ…あんっ!!…ト…レイズぅ…っ!!!」
「…ああっ!!…リリアっ!!リリアっ!!」
鼓動を、切なさを、熱を、お互いの全てを高め合い、加速させていく。心も体も、あらゆるものが互いの色に染まっていく。
もっと強く、もっと深く、もっと激しく、トレイズの事を感じたい。どうしようもなく高まる思って、頭の中はトレイズの事だけでいっぱいになってしまう。
「くあ…うぅん……トレイズ…わたし……」
「…リリア…俺……」
わたしは見つめる。トレイズを。トレイズだけを。真っ赤になったその顔を。まっすぐな瞳を。
トレイズが見つめる。わたしを。わたしだけを。トレイズと同じぐらい真っ赤になっているに違いない顔を。トレイズの事しか見えなくなってしまった瞳を。
「トレイズのが…ほしい……」
「俺も…リリアのなか…はいりたい…ひとつになりたい……」
トレイズの指がわたしのアソコから引き抜かれ、そのまま太ももの内側に移動し、ゆっくりとわたしの脚を開かせていく。
「…………あっ」
トレイズの大きくなったモノがあてがわれて、指先よりもずっと高い体温に、わたしは背中をビクンと震わせる。
お互いの荒い呼吸だけがやけに耳につく。早鐘を打つような心音に気持ちばかりが逸らされる。見詰め合うわたし達の間だけで一瞬が永遠に引き伸ばされていくような感覚。
「いくよ…リリア……」
声が出なくて、トレイズの言葉にわたしは何とか首を僅かに縦に振って答える。それを確かめてから、ゆっくりとトレイズがわたしの中に入ってきた。
「………っ!」
指先だけでも精一杯に感じていた入り口が、トレイズのかたちに押し広げられる。確かな質量と存在感が、わたしから溢れ出した蜜を潤滑油に奥へと進んでいく。
やがて、これ以上進めそうにない行き止まりのような感触に、トレイズの挿入が一旦止まる。心配げな視線を送ってきたトレイズを、まっすぐに見つめ返して肯く。
トレイズの腰に再び力が入る。一瞬遅れて、じんわりとわたしに押し寄せる痛み。わたしは思わずトレイズの肩にしがみつき、声を漏らす。
「……っあ…トレイズが…トレイズのが……」
小刻みに震えるわたしの体をトレイズの手の平が何度も撫でるのが心地良くて、痛みと共に感じるトレイズの存在に、わたしの瞳から涙が零れ落ちる。
トレイズはその涙を舌先で拭い、絶え間なくわたしの体を愛撫し続ける。
その慰め方はまるで本やテレビで目にする野生動物の毛づくろいのようで、全身に感じる一生懸命なトレイズの想いが次第にわたしの痛みを紛らわせていく。
「…っく……んっ…」
少しだけ体を動かす。痛みと、その奥に感じる甘い痺れ、そしてどうしようもない熱さが、同時に襲い掛かってきて、わたしは体を震わせた。
「リリア、大丈夫なの?」
「う、うん…だいぶ…へいきになってきたかも……」

あくまでわたしを気遣うトレイズの手の平に指を絡ませ、きゅっと握り締める。
「…うごいて…トレイズを…もっと感じたい……」
「…リリア……」
やがて、トレイズはゆっくりと腰を動かし始めた。トレイズの質量がわたしの中を動いて、その度に押し寄せる感覚の波に、トレイズにしがみついくわたしの腕に力が込められる。
「……っあ…うあぁ……あはぁああっ!!!…あっ…トレイズぅ…っ!!!」
じゅぷじゅぷと、いやらしい水音がわたしの鼓膜を攻め立てる。
抜き差しされるごとに、痛みを凌駕するスピードで、甘い痺れと熱が際限なく増大していき、わたしの意識は何度も吹き飛ばされそうになる。
腰を動かしながらも、トレイズはわたしの体へのキスを続ける。唇が吸い付く毎に体中が敏感になっていき、わたしの声も押さえ切れずに大きくなっていく。
「……ああっ…あああっ!!!…や…わたし…へんに…なっちゃうぅっ!!!」
「…っあ…リリアっ!…リリアぁ…すご…かわい……」
信じられないほどいやらしい自分の声に、トレイズの無我夢中の声が重なって絡み合い、頭が芯から蕩かされていくようだった。
いまや痛みもわたしの衝動を何一つ阻む事は出来ず、全身で感じるトレイズをさらに求めて体が動いてしまう。
「…好きだっ…大好きだよリリア…愛してるっ!!!」
「…ああ…トレイズぅ…わたしも…好き…大好きだよぉ……っ!!!」
これ以上ないぐらいの至近距離からわたしの耳に届くトレイズの言葉が、わたしの全身をさらに熱くさせて、わたしの思いを伝える言葉も溢れ出して止まらなくなる。
どうしようもなく激しさを増していく行為。神経が焼き切れそうなほどの熱と快感。何度も唇を重ね、きつく抱き合い肌を合わせ、溶け合う体温の中でトレイズだけを求めた。
「トレイズっ!!…きもちいいのっ!!…トレイズの…熱すぎて……ふああああああっ!!!!」
「俺も…リリアが熱くて…腰が止まんなくて……っ!!」
トレイズのが一番奥まで届くたびに、わたしの視界に白い火花が飛び散る。
汗と涙でぐしゃぐしゃの視界でも、トレイズがわたしを愛しげに見つめるその視線だけはしっかりと感じる事ができた。
胸が張り裂けそうに切ない思いが溢れ出す。もっと高く、もっと熱く、トレイズとどこまでも登りつめたい。
「…あぁ…トレイズっ!トレイズっ!!トレイズぅ……っ!!!…わたし…もう…もうこれいじょう……っ!!!」
「リリアっ…射精るっ!!…俺も…もう……っ!!!」
「ちょうだいっ!!…トレイズの…わたしにっ!!わたしにぜんぶぅうううっ!!!」
荒れ狂う熱の奔流の中で、貪るように互いの全てを求め合った。どこまでも続く快感の連鎖に弾けてしまいそうなわたしの中に、トレイズのすべてを受け入れたかった。
「…リリアっ!!!…リリアっ!!…ああああああああああっ!!!!」
「…好きぃっ!!トレイズっ!!大好きぃ!!!ふああああああああああ―――――っ!!!!」
激しく突き上げられ、突き抜けるような電流が体を走りぬけた。それと同時に溢れ出した熱の塊が、わたしの中で波打ち暴れまわる。
それでも腕だけはたがいをしっかりと抱きしめたまま、わたし達は絶頂に達した。
「……はぁ…はぁ……リリア…」
力尽きて崩れ落ちたわたしに、トレイズがそっとキスをする。その心地良い感触を感じながら、わたしはそのまま気を失った。

それからしばらくして、トレイズの部屋のベッドに腰掛けていた。
さすがにママに見つかるのはアレなので、急いで服を身につけて、だけどその後はどうしてもトレイズの側を離れる気になれず、何となく体を寄せ合っていた。
トレイズの腕がわたしの肩を抱いて、手の平が優しく頬を撫でる。わたしはただ、それに身を任せる。
こうして穏やかな時間を過ごしていると、さっきの事がウソみたいに思える。
「で、どう?まだわたしが好きかどうか、よくわからない?」
「ごめんなさい。ほんと、勘弁してください」
何となく恥ずかしくて、いたずらめかした声でトレイズをからかってみる。答えたトレイズの声はいつもと変わらない響き。
だけど、そこに感じる心地良さ、愛しさが、さっきの事が夢じゃないと教えてくれた。
照れ隠しに、わざとムスッとした声で、トレイズにもう一言。
「あれだけ心配かけたんだから、まだまだ、あれぐらいじゃ埋め合わせは出来ないわよ。」
「うぅ…わかりました」
睨むわたしに、トレイズの言葉はやっぱり弱気だ。
だけど、ぎゅっとわたしの肩を抱きしめる腕は力強くて、優しくて、その感触が嬉しすぎて、わたしはまたトレイズに見えないようにくすりと笑ったのだった。

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