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ウェディング・ウェディング!!

弟子×師匠モノ、ラブラブです。
ウェディングドレスとか出てきます。
ダーティーそのものなあの二人ですが、それでも二人とも人の子なわけでして、
一緒に旅していると色々思うところも出てくると想像するわけです。
たぶん、互いに利益になるからってだけで一緒に旅してるわけじゃないんでしょうね。
二人でいる事が、たぶん口には出さないけど心地いいんだろうと、そんな風に思ってます。






明るい部屋の中、一人の花嫁が立っていた。純白のドレスを身にまとい、薄いベールを頭にかぶったその姿に、なめらかな黒髪が映える。誠に美しい女性だった。
「どうです?」
そう言って、彼女は嬉しそうに微笑んだ。しかし、女性の目の前に座る、花婿の白い衣装に身を包んだ男はなにやら不機嫌な様子。女性の姿を一瞥した男は
「はいはい、似合ってますよ」
憮然とした表情で言って、ぷいと横を向く。しかし、女性は男の不機嫌を大して気にもしない様子で、
「いよいよ明日です。ああ、本当に楽しみですね……」
うっとりと呟いて、明日の予定に心を躍らせる。
そう、明日はこの男女二人の結婚式なのだ。
色んな国々をオンボロ車で巡ってきた旅人の二人組。長い黒髪の妙齢の女性と少し背の低いハンサムな男、二人は明日、この国で式を挙げるのだ。

そもそも、何がどうしてこんな事になったのか?
それは、現在二人が滞在しているこの国の、特別な制度の為だった。

「結婚……ですか?」
「さよう、結婚ですじゃ」
突然出てきた単語を聞いて、女性と男は思わず聞き返した。二人を客人としてもてなしているこの国の代表、しわくちゃの顔の老人が解説する。
現在は周辺の国々の交易の要として栄えているこの国であるが、数百年の歴史の中で幾度となく滅亡に瀕した歴史を持っている。
「まあ、この国はここら一帯の交通の要でしたからな。戦争が起こると、どの国もここを通る。小さな国ですから、そりゃあ何度となく無茶苦茶に踏み荒らされました」
男性も女性も、大勢の人が犠牲になった。今のように力のある国になるまで、それは数え切れないほどに繰り返された。
「で、結婚ですか?」
「その通り!!」
人がいなければ国は成り立たない。人が生まれるには、男女が結ばれなければならない。だから、この国では結婚する男女に対して、多額の援助を行ってきた。
ただ、国が豊かになった現在では、自国民に対する援助は大して必要ではなくなっている。その代わりに援助の対象となったのが
「我々、旅人というわけですね」
「うむ、旅人さんというのは大概、かなりギリギリの生活をしていらっしゃる。この国に来るまで結婚など考えた事も無い、なんて人が大多数じゃ」
結婚を希望する旅人カップルを盛大に祝い、結構な額のお金を与える。国民の誰かさんとの結婚を希望する旅人も、同様に援助される。
そして、国立の式場で盛大な結婚式を催し、国民総出で二人の結婚を祝福するのだ。
「ま、少子化対策の側面も大きかったのじゃが、この制度が確立された頃はまだ戦の時代、結ばれる事無く死んだ恋人たちがあまりに多かったんじゃ。
その時代からまだ50年と経っておらん。愛し合う二人が結ばれる事を、我々は切に願っておる。だからこそ、形を変えてこの制度が残っておる」
見たところ、80代に達していようかというこの老人も、苦難の時代の生き残りなのだろう。旅人二人に語りかける言葉にも、どこか憂いがこもっている。
「勿論、強制ではない。ただ、貴方がたのような若い二人が、将来を考えるきっかけになればと、そう思っておる次第じゃ」
語り終えて一息ついた老人の視線は、強制しないという割にはかなり熱がこもっていた。ハンサムだけど少し背の低い、旅人の男は困ったような表情で老人を見つめている。
なにしろ、彼と相棒の女性は、そういう関係ではなかったのだから。彼は女性のことをいつも『師匠』と呼んでいた。
やんわりと断ろうと、男が口を開きかけたその時だった。
「是非、お願いします!!」
隣の女性が先に口を開いた。驚いて何も言えない男を尻目に、女性は本当に嬉しそうに自分の希望を話した。
「以前から、考えるところはあったんです。ですが、明日はどうなるとも知れない旅の空、どうしても踏み切る事が出来ないでいました」
「おおっ!!それでは……」
「はい。大勢の方々に祝福されて結ばれる事が出来るなんて、この上ない思い出になると思います。もちろん、彼が同意してくれればの話ですが……」
こんな事を言い出すような人だったけ?唖然とする男の方に女性は顔を向け、まるで天使のような笑顔を浮かべて、問い掛けた。
「ねえ、私と結婚してくれますか?」
絶対の上下関係の前に、逆らう術などありはしない。苦笑いを浮かべた男は
「は、はい。喜んで」
こっくりと肯いた。

そして場面は再び、花嫁花婿姿の二人のところに戻る。
「知ってたんですね。この国のこと」
「はい、勿論」
女性は悪びれもせず、笑顔で答えた。
「お金を騙し取ろうって訳ですか?」
「それだけじゃありません。旅人の結婚式にはお祝いの品がどっさり届きます。この国はお金持ちが多いですから、これだけで相当なものになります」
「結婚詐欺ですね」
「全然違いますよ。実際、式はきちんと挙げますし、別にあなたが騙されるわけじゃありません。人も殺さないし、いつもよりきれいな仕事振りじゃないですか」
最初からこれが女性の狙いだったのだ。タダより安いものは無い。労せずに結構な収入が得られるこの国の話を、女性は以前から聞き知っていたのだ。
「どうして事前に言ってくれなかったんですか?」
男が恨めしそうに尋ねる。
「だって、言ったら嫌がるじゃないですか」
ま、その通りだった。男は何かを言うのをすっかり諦めて、椅子の上にひっくりかえる。
しかし、男の内心は穏やかならぬものだった。どんな形だろうと、どんな目的の上に立っていようと、結婚は結婚である。
縁あって、この女性を師匠と呼び、共に旅を続けてきた。幾度かの夜を、女性と同じベッドの上で過ごす事もあった。それでも、やはり違うのだ。
男は理解していた。どんな修羅場にあっても悠然と微笑む彼女の姿も、流れるような黒髪の美しさも、どんなに焦がれても、それらを自分のものにする事など出来はしないのだと。
それなのに、どうしてこんな仕打ちを受けなければならない?
たとえかりそめでも、結婚なのだ。彼女の伴侶となるのだ。決して手の届かない夢、考えるのも虚しい妄想の類、それを何故今になって見せられねばならないのか?
彼女は師匠で、自分は弟子で、それ以外の関係など有り得ないのに。こんな残酷な事が他にあるだろうか?
自然、男の表情は、普段のへらへらした笑顔と打って変わって、いかにも不機嫌そうな膨れっ面になっている。
しかし、女性はいつも通りのマイペース。男がふてくされているのを気にもしない。それがまた、男を複雑な気持ちにさせるのだが……
「……………」
そんな彼女の笑顔が、美しい事もまた事実だった。っていうか、今の彼女はいつもよりも、心なしかウキウキしているような気がした。
大儲けまで後一歩とはいえ、いつもの彼女から考えると、幾分はしゃぎすぎなようにも見える。
「……………ずいぶん楽しそうですね、師匠」
「そうですか?」
「ウェディングドレス、前から着てみたかったとか?」
「…………そうなのかもしれませんね」
予想外の答えに、男は内心ドキリとさせられる。彼女に限って、そういう憧れみたいなものは一切持っていないと思っていたのに。
「なんですか?妙な顔をして。私がウェディングドレスを着たいなんて言っちゃいけませんか?」
「いえ、その、別に……」
「普段と違う服装をすると少しはウキウキした気分になる。その程度の話ですよ。私たちは旅人ですから、尚更でしょう」
なんて答えて見せた表情が、またしても天使のように輝いて見える。畜生、なんだっていうんだ?なんだって、こんなに楽しそうにしてるんだ。
もしかして、こっちの気持ちなんて当の昔に見透かしてるのか?全部わかってて、俺はからかわれているんだろうか?駄目だ。こんなの、落ち着ける筈が無い。
白いドレスに包まれた彼女は、確かに美しい。ていうか、美しすぎるのだ。大きく開いたドレスの胸元、そこに覗く白い肌、肩のライン、鎖骨、形のいい乳房。
流れるような黒髪と、純白のドレス。見てるだけでおかしくなりそうだ。抱きしめて、キスをして、そしてこの人と本当に一緒になれたのなら………。
「……………すみません。少し外の空気、吸ってきます」
取り留めの無い夢想を断ち切るには、それ以外の手段は無かった。椅子から立ち上がった男は、ズカズカと大股歩きで部屋のドアに向かおうとして
「そんなに、嫌ですか?」
その言葉で、振り返った。
「私と結婚するのは、そんなに苦痛な事ですか?」
その笑顔が、先ほどまでより少し不安げに見えて、男の心はさらに揺さぶられた。それでも精一杯気を張って、なるべく憮然とした態度で言葉を返す。
「はい。とても、もの凄く、すさまじく、居たたまれない気分です」
「そうですか……」
と、今度は寂しげな表情。だから、やめてくれと言ってるのに……。
「あなたと俺は、師匠と弟子です。それ以上じゃ有り得ません」
「その通りですね」
「だから、こんな事はもう……」
しかし、男の言葉のその先は、女性のピンと立てた右の人差し指に遮られた。
「私だって、相手は選ぶんですよ」
そう言った女性の表情は、まるで悪戯をたくらむ子供のようにきらきらと輝いていた。
「私は自分のやりたい事だけをやっている人間です。知ってますよね」
「………はい」
「これまでも、これからも、私はあなたの師匠で、それはずっと変わりません。ただ、今度のこの仕事だけは、あなたとやりたい。それでいけませんか?」
女性は呆然とする男の前まで歩み寄って、囁いた。
「大の悪党のあなたが、子供みたいに拗ねてみせる。それと同じ程度の気持ちが私の中にあったとして、何か不思議な事がありますか?」
畜生、なんて人なんだ。まさに殺し文句だ。どうやったって敵いっこないじゃないか。さすがは俺の師匠だ。
そっと伸ばしたその腕で、女性を抱きしめる。それでも目を合わせることが出来ず、男は向こうの壁を見ながら、女性の耳元に話し掛けた。
「わざとらしく甘い言葉で囁いて、弟子に色仕掛けですか?」
「まあ、そんな所です」
「そうまでして、俺に悪巧みの片棒を担がせたいんですね?」
「はい」
本当に嬉しそうに、女性は言った。
女性の言葉に導かれるように、そっとキスをした。唇を重ねる直前、女性の頬が恥ずかしげに紅く染まっているように見えたのは、目の錯覚だったのだろうか?
ただ、舌を絡ませ、お互いの唇を味わうその時間は、今まで二人が交わしたどのキスよりも甘く熱かった。
女性は男の腕に身を任せ、男は彼女を部屋に置かれたソファーの上に運ぶ。ふわりと音も無く広がったドレスの布地と、それに包まれた彼女の姿に、男は息を飲む。
「綺麗です、とても………」
「素直なのは、とてもいい事です」
ドレスの上から触れただけでも、彼女の乳房の形の良さ、柔らかさ、温かさは十分に手の平に感じる事が出来た。
薄いドレス越しに抱きしめた女性の体は、いつかの夜に抱きしめた裸の彼女より、儚げなものに感じられた。
胸元の布をどけて、露になったピンクの先端に軽くキスをする。舌先に微妙な力を込めて、そろそろと舐めてやると、女性の体がそれに反応するようにゾクゾクと震える。
「………っあ……くぅ…は……ああんっ…」
甘い吐息。快感に震える体。少なくとも今は全て、自分の腕の中だけのものだ。熱っぽく潤んだ瞳を見つめながら、男は何度も女性にキスをしてやった。
そして、男はドレスの裾から腕を潜り込ませ、その奥に隠された秘めやかな場所に指を差し入れる。背中に絡みついた女性の腕が、一際大きく震えるのを感じる。
「…っあああ……ひ…や……あまり…はげしくかきまわさないで……」
女性はそう言ったが、指に滴る熱い蜜の感触は、男の理性を消し飛ばすには十分すぎるものだった。深く激しくかき混ぜられるその音が、二人の興奮をさらに高める。
「…っ……はぁ…ああっ…ひはああああっ…」
「師匠の声、エロ過ぎです。こっちをいじったら、今度はどんな声を出してくれますか?」
女性の反応に気を良くした男は、片方の腕を、女性の後ろ側のすぼまりに這い入らせた。それは、男にとっても初めての試みだったのだが………。
「ひあっ…うしろぉ…や…ああああああああああああああっ!!!!!」
一際大きな声をあげ、背中を仰け反らせて叫んだ女性の反応は男の予想を遥かに上回るものだった。男が軽く指を抜き差しするたびに、女性は悲鳴を上げ、体を痙攣させる。
「師匠、アナル弱かったんですね」
「…や…おしり…らめぇ…おしりぃ……っ!!!」
「聞こえてないみたいですね。それじゃあ……」
男は後ろに突き入れた指を、さらにスピードを上げて抜き差ししたかと思うと、くにくにと内側からほぐすように動かした。
女性の悲鳴は後ろの穴の中の、指の動きが変化を見せるたびに色を変え、それにつられる様に前の穴もしとどに蜜を溢れさせ始める。
「あああっ!!!ああんっ!!!やああああああああああっ!!!!!!」
女性は前後から襲い来る快感の波に耐えようと、必死で男の体にしがみついた。なりふり構わず女性が自分に縋ってくるのが、男には愛しくてたまらなかった。
「師匠、可愛いですよ」
「…あっ…そう言うあなたの表情も…ひぅ…真っ赤で…かわいいです」
切れ切れの息の合間に、女性は健気に答えた。
真っ赤。きっと、確かにそうなんだろう。この人と、こんな格好でこんな事をして、俺もこの人と同じような、夢見心地の表情を浮かべているに違いない。
「…そろそろ、くれませんか?」
「……えっ?」
「もっと、気持ちよくしてください。あなたのコレで、前の穴をぐちゃぐちゃにして……」
女性の指が、男の股間のはちきれそうなファスナーの上を撫でた。
「あなたのも、こんなに苦しそうにしてます。だから……」
女性は男につかまっていた腕を離し、ドレスを捲り上げて、熱く湿った花びらを露にする。ファスナーを下げて、解放された自分のモノを、男は女性のアソコに押し当てた。
「師匠……」
相手の耳に呼びかけながら、挿入を開始する。じゅくじゅくと濡れそぼった肉壷は、何の抵抗も無く男のモノを受け入れる。
切ないほどに喰い締めてくるその中で、男のモノはゆっくりと前後運動を始める。
「…ひああっ!!…ああんっ!!!すご…ふああああんっ!!!!」
くちゅくちゅと水音を立てる前の穴と、きゅっとすぼまった後ろの穴、その両方を無茶苦茶にかき混ぜられ、突き上げられ、女性は乱れに乱れた。
自分の口から漏れ出る嬌声が恥ずかしくて仕方がないのに、圧倒的な気持ち良さが、それを止める事を許さない。
苦し紛れに男とキスをして、声を出さないようにしてみても、触れた唇の熱さに茹った頭が、我知らずまた声を上げてしまう。
「ふああっ!!!はあああんっ!!!!すごひっ!!!すごひのぉおおおっ!!!おしりもっ…まえもっ…ああああああっ!!!!」
排泄のための穴をいじられて最初は感じていた羞恥心も、どこかへと消えていってしまった。今この瞬間、体を満たす快感だけが、女性の脳裏を満たしていた。
もっと気持ちよくなりたい。もっとこの感覚を味わいたい。その圧倒的な衝動に突き動かされ、女性は自ら腰を振り、さらなる快楽の高みへと昇り詰めていく。
前の穴を突き上げられる快感に体を震わせ、後ろの穴を蹂躙される恍惚に涙を流す。砂漠で水を求めるように、雨のように降るキスを求めた。
「…うあっ……あはぁっ!!?…やあ…あああああんっ!!!!」
体中に迸り、駆け抜けていく快感は、今まで過ごしたどの夜よりも激しいものだった。頭の中が雷に撃たれたように何度も真っ白になった。
これほどまでに感じて、乱れても、増幅し続ける快感が止まる気配は無い。もはや自分が何をしているのかもわからないまま、腰を振り、喘いで、二人は限界に近付いていく。
「師匠っ!!!俺、もう……っ!!!!」
「あああああああっ!!!!…きてぇ!!!だしてくださいっ!!!!なかにっ!!わたしのなかにぃいいいいいっ!!!!」
どこまでも熱く硬くたぎる男のモノが、後ろを犯し続ける指先が、今までで一番深くまで突き入れられた。その瞬間、巨大な快感の津波が女性の意識を押し流した。
「ひあああああああああああああああああっ!!!!イクぅ!!!イクううううううううっ!!!!!」
先端より解き放たれた熱い濁流が、女性の中で暴れまわった。胎内に波打つその熱さに、女性は背筋を痙攣させ、ビクンビクンと小さな絶頂の連続を味わった。
「師匠………そういう顔も、好きですよ」
男が瞼の上にキスをする。絶頂感に脱力した女性の体の中、男の背中に回された腕だけに、強く強く力が込められていた。

さて、二人がそれなりに落ち着いて、ソファーの上で怠惰な時間を過ごしていたころである。
「婚前交渉、褒められた話ではありませんね」
「ははっ、確かに」
なんて、談笑していた二人の前で、ガチャリとドアが開いた。
「えっ!!?」
「あ、あなたは………」
この国の代表の老人が、なにやらしかめつらしい顔をして立っていた。一方の二人の服装は乱れたまま、行為の後の脱力感が二人を油断させてしまったのだ。
どうあっても、これはマズイ。一儲けの算段が、すっかり雲散霧消してしまう。いつものように暴力で解決できる問題でもないし………。
なんて、青褪めた二人が思考を巡らせていると
「感動いたしましたじゃっ!!!」
「「はいっ!?」」
老人は大声で叫んだ。
「実を申しますと、最近ではこの国の結婚援助制度を悪用して一儲けする輩が増えておって、我ら国民どうにも疑り深くなっておりましたじゃ。
お二人の事も、どうにも恋人同士とは違うように思えて、内心不安で仕方ありませんでしたのじゃが、とんだ考え違いでありましたじゃ!!!!」
老人は大きく腕を広げ歓喜のポーズ。顔に浮かぶは紛れも無い感動の表情と、それを裏付ける大粒の涙。どうやらこの爺さん、本気のようだ。
「誰にはばかる事無く愛の行為にいそしむ姿、お二人の気持ちはまさに本物っ!!!感服いたしましたっ!!!!」
さらにこの爺さん、完全に置いてけぼりの二人に微笑みかけて
「しかし、やはり二人だけの秘めやかな時間も大切ですが、こういう事は大勢でやるのが楽しいものですじゃ!!!」
とんでもない事を言ったのだ。
「あの、それは一体どういう……」
「既に人をやって、参加者を集めておりますじゃ」
言われて、女性と男は耳を澄ました。遠くからドカドカと、大勢の人の波が押し寄せるその足音が聞こえる。それは次第に、二人がいるこの部屋に近付いて来て
「さあ、みなで楽しみましょうぞ!!!!!」
老人の言葉と同時に、部屋になだれ込んだ。

「うう、最初からあんな国だと知っていれば私だって………」
黄色いオンボロ車の助手席に、黒髪の女性がへたり込んでいた。
「仕方ありませんよ。お国柄ですから」
運転席に座る男の顔にも、憔悴の色が見える。今日であの日からかれこれ10日目、二人はようやくあの国を出国したところである。
全ては苦難の歴史に対する反動ゆえであった。幾千、幾万もの引き裂かれた愛の記憶が、彼らは愛し合う者達に対して寛容な文化を生み出した。
そして、それと同様に、愛し合う者たちが本来こっそりと二人だけの時間にやっているだろう行為についても、異様なほどにオープンな文化を獲得したのであった。
10日間、明けても暮れても、休む事無く繰り広げられた乱交パーティー。老若男女が入り乱れる快楽の園から逃れる事も出来ず、二人は愛の地獄を味わった。
「もうすっかり、お尻でイかされる体にされてしまいました」
「まあ、予定通り贈り物もお金もたくさん貰えましたから、それでいいじゃありませんか」
「全然割に合いませんよ………。それに、あなたさっきからずいぶんと嬉しそうじゃないですか」
「そうですか?」
男はしれっとそう言って見せたが、にへらと緩んだ口元は隠しようが無い。
真っ白なウェディングドレスの上を、白濁の化粧でドロドロに汚され、二つの穴を同時に責められながら恍惚としていた女性の表情。
ちょっとやそっとじゃ見られない彼女のあの顔を思い出すたびに、男はどうしようもなくにやけてしまうのだ。
「やっぱり、あなたはあの国が随分と楽しかったみたいですね」
「いや、ほんと、そんな事ありませんって」
じろりと睨む女性の視線をかわしながら、男は楽しそうに笑って
「可愛い師匠といられれば、俺はどこにいても楽しいですよ」
そう答えた。それを聞いた女性は一瞬、少し驚いたような表情を浮かべてから
「そうですか」
可笑しくて堪らないといった感じに笑って見せた。彼女の横顔を見つめる男の顔にも、同じ笑顔が浮かぶ。
これといって目的も無く、明日がどうなるのかさえわからない。ついでに言うなら、この二人でいつまで旅を続けられるのか?当ての無い旅の空では、何一つ確実な事は言えない。
ただ、こうして笑い合う時間が二人にとって楽しいものである事だけは、確かなようだった。
「では、いきましょう」
「はい」
ガタガタと揺れるオンボロ自動車は二人を乗せて、どこまでも続く道の先へと消えていった。

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