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『大好き』な人(ヴィル×アリソン)

アリソンⅢ終了直後、ロクシェに戻るまでの一夜をホテルの同じ部屋で過ごす事になったヴィルとアリソンですが……。
アリソンとヴィルの『初めて』の話。
『大好き』な人と気持ちを確かめ合った二人の幸せな時間を描きました。






熱いシャワーで今日一日の汗を洗い流す。色んな事があったこの一日、驚いて、ドキドキさせられて、叫んで、跳ねて、本当に目が回るようだった。
濡れた体をタオルで拭いて、髪をまとめて服を着て、私は部屋のドアに手を掛ける。ヴィルが、私の恋人が待っている部屋に戻るのだ。
そうだ。そうなのだ。
「ヴィルと同棲かぁ……」
あの時、みんながいなくなった後で、ちょっと強引にキスをして、思いの丈をぶちまけた。
『ねえ、私のこと好き?ずっと一緒にいてくれる?』
精一杯の勇気を込めた私の言葉に、ヴィルはしばらく呆然としていた。
たった数秒の沈黙が随分恐ろしく感じられた。やっぱり駄目だったのかな、なんて事も考えた。不安に耐えられなくて思わず目を閉じた。その時……。
『………うん』
これ以上ないくらいはっきり聞こえたのに、一瞬自分の耳の方を疑ってしまった。
でも、恐る恐る開いた瞳の前にあったのは、見た事が無いくらい嬉しそうなヴィルの笑顔。
それからは本当にもう大騒ぎだった。
夢じゃない事を確かめようとヴィルのほっぺをギュウギュウ引っ張って、痛いよって言いながら笑ってるヴィルに抱きついて………
まさに、人生最良の一日だ。
「でも、これだけじゃ終わらないわよ」
なにしろ、パパの事件のせいで列車の旅は台無しになってしまったのだ。明朝の飛行機で、私たちはロクシェに戻らなければならない。
その前にやるべき事がある。同棲はまだまだ先の話だ。このチャンスを逃せば、次はいつになるかわかった物ではない。
ヴィルと、ヴィルと一緒に、一つのベッドで………。
私は勢いよくドアを開いた。だが、しかし……。
「…………あれ?」
意気込んで戻ってきた部屋のベッドの上で、ヴィルはすやすやと寝息を立てていた。豪華列車で過ごしたあの夜と同じだ。
「まあ、ヴィルはヴィルだもんね………」
恋人になったからって、すぐに態度を変えるわけも無い。まあ、仕方が無いのだろう。
それに今日は、私とパパのために随分頑張ってくれたのだし、疲れてしまうのも無理はない。
「でも、少しは私の気持ちも考えなさいよ……」
なんて事を言いながら、それでも私は笑顔だった。
毛布に包まったヴィルは、私の方に背中を向けてすっかり熟睡中。そんな朴念仁の後ろ頭を撫でながら、私はけっこう良い気分だった。
こうして側にいられる。それだけの事がこんなにも嬉しい。
私はヴィルのベッドに横になって、毛布に潜り込んだ。ぴったりとくっつけた体から伝わってくるのは、あの夏の冒険の最中に一緒のベッドで寝た時と同じぬくもり。
「蹴っちゃうかもしれないけど、それぐらい我慢してよね」
一人で言って、クスクス笑った。私は今、本当に幸せなんだ。
「おやすみ、ヴィル。大好きよ」
耳元で囁いて、私は瞼を閉じた。

本当に幸せそうで穏やかなアリソンの声を耳元に聞きながら、一方の僕は全然穏やかな心持ちではなかった。
心臓がバクバク言ってる。恥ずかしいのか嬉しいのか訳が解らなくなりそうで、胸の内を吹き荒れる嵐に僕は完全に翻弄される。
全部、今日の出来事のせいだ。
(アリソンが、本当に僕の事を…………?)
時間が経つにつれて、段々と解ってきたアリソンとのキスの意味。その重大さ。
触れた唇は甘かった。キラキラ輝く髪と、吸い込まれそうな青い瞳。魔法のようなあの言葉を紡ぎだした唇の動きのひとつひとつ。
あの時のアリソンの笑顔を思い浮かべるだけで、胸がきゅーっと締め上げられる。
アリソンの気持ち。自分の気持ち。それだけで僕の心は完全に混乱してしまっていた。
その上、今のこの事態。
(うわあああぁああぁああっ!!?アリソンがっ!!アリソンがぁ!!!?)
今日の出来事ばかり考えていた僕は、僕のベッドに座ってくるまで、アリソンに気付いていなかった。
驚いた僕は何も言えなくなって、身動き一つ取れなくて、気がつけばこんな有様。
沢山言いたい事があった。だから、眠らないで待っていたのに………。
耳元に息がかかる。柔らかい指が僕の肩口をきゅっと握っている。さらさらした髪の毛が頬に触れる。背中全体にアリソンの体温を感じている。
どうしようどうしよう?本当にどうしたらいいんだろう?
自分の中に初めて見つけた、こんなにも激しく、壊れてしまいそうなほど切ない気持ち。出会ってから今日まで僕が見てきたアリソンの全て、それが頭の中に次々に映し出される。
声を聞きたい。キラキラ輝く髪を、柔らかな頬を撫でてあげたい。どこまでも青いあの瞳を見つめて、アリソンの唇にもう一度………。
(……って、僕は何を考えてるんだ!?)
どう考えても異常だ。今日の僕は絶対変だ。
考えがまとまらない。アリソンが触れているのは背中の側だけの筈なのに、全身が熱を帯びて、じっとりと汗をかいてしまう。
………うああっ!!ダメだダメだダメだっ!!こんなの絶対におかしいっ!!!
僕の気持ちは、ずっと変わらなかったのに。
今までもこれからも、きっと変わらないのに。
それなのに、今の僕はこんなにも戸惑って、混乱して、まるで迷子の子供のようで。自分の気持ちが、抑えられなくなっていく。
『ねえ、私のこと好き?』
僕を見つめて問い掛けた言葉。
『おやすみ、ヴィル。大好きよ』
ついさっき、優しく囁いてくれた言葉。
嬉しかった。とても、もの凄く、これ以上ないくらい嬉しかったんだ。
アリソンが僕と同じ気持ちでいてくれた事が、本当に嬉しかったんだ。
「…………好きなんだ」
抑えきれずに言葉になってしまうほどに………………って、あれ?
(僕は今、ひょっとして…………!?)
恐る恐るベッドの上に起き上がり、ゆっくりと振り返る。
「えっと、…………ヴィル?」
そこにあったのは予想通り、僕と同じようにベッドの上に起き上がって、僕を見つめる幼馴染みの女の子の姿だった。
「………ヴィル、起きてたの?」
「う、うん」
「………聞いてたの?」
「うん」
僕が肯く度に、アリソンの顔が赤く染まっていく。恥ずかしそうに俯いて、声が小さくなっていく。
言葉に詰まったアリソンの代わりに今度は僕が口を開いて
「でも、僕がさっき言った事も、聞いちゃったんだよね?」
「………うん」
アリソンと同じように耳まで真っ赤になった。
見知らぬ異国のホテルの一室、同じベッドの上に座った僕達は、いつもの幼馴染みの気安さはどこへやら、完全に固まってしまっていた。
お互い、言うべき事などとっくに解っているのに、高鳴る鼓動に心を掻き乱されてなかなか言葉が出てこない。
「えっと………………うん、そういう事なんだ」
「え、あ、何?」
「さっき僕が言った事。僕はアリソンのことを………す、す、好きだから……」
「う、う、う、うん。私も」
「それで、だから……だから、その……」
いつの間にやら、互いに身を乗り出していた。
だけども、顔を真っ向から見るのが恥ずかしくて、二人とも上目遣いに相手の顔を窺う。
どぎまぎと落ち着かない様子のアリソンはとても可愛くて、だから、僕は………。
「あ、アリソン………大好きだっ!!!!!」

…………私、抱きしめられてる?
「好きなんだっ!大好きなんだっ!!!」
ガバッと大胆に、本当にもういつもなら有り得ないぐらいに大胆に、ヴィルは私を抱きしめた。
「嬉しかったんだ。ずっと好きだったアリソンが、あんな風に言ってくれるなんて思っても見なかったから………」
私の体を包み込んだヴィルの腕は、かすかに震えていた。
うわずったその声には、いつものヴィルの落ち着いた様子は感じられなかった。
胸の奥から搾り出すように、ヴィルは言葉を重ねていく。
「昼間はちゃんと言えなかったから、もっとちゃんと伝えたかった。だけどこんなにドキドキしたの初めてで、上手く切り出せなくて…………」
たどたどしいヴィルの言葉を聞きながら、私はただただ呆然としていた。
ああ、こういう事なんだな。
私はヴィルの事が好きで、ヴィルは私のことが好きで、二人の想いが一方通行じゃなく、お互いに向けられて……。
張り裂けそうなこの想い、胸の奥で燃え上がる熱い感情、それが一人だけのものじゃないという事。
二人が愛し合ってるという事。
「だから言うよ、何度でも………。アリソン、大好きだ」
震える声の奥、確かに感じる優しさ。
ああ、やっぱりヴィルはヴィルなんだから………。
「私も、好き………」
「………アリソン」
ヴィルの唇が、私の唇に触れる。瞳を閉じて味わう、甘いひととき。
昼間とは違う。ヴィルが望んで、私にくれた初めてのキス。
抱きしめる腕が緩んで、私がヴィルの顔を見上げて、ヴィルが私の瞳を見つめる。
見た事が無いくらい赤くなって緊張しきっているヴィルの顔。きっと私も同じ顔だ。
今、心に願う事もきっと同じ。
「…………ねえ、ヴィル」
「何?」
きゅっと拳を握り締め、覚悟を決めて、私は私の願いを口にする。
「……………いっしょになりたい。ヴィルと、いっしょに……」
私の言葉に、ヴィルはこっくりと肯いて
「…………うん。」
恥ずかしそうに笑って見せた。
鼓動が速まっていく。ドキドキ、ドキドキと私の胸の中で早鐘が鳴る。ずっと夢見て来た瞬間がついに訪れた、その事を告げる鐘が、私の中で鳴り響く。
私は震える体をヴィルの胸に預けた。ヴィルの腕が私の体を抱きしめて、そして…………。
「………………あれ?」
そのまま、何も起こらなかった。ヴィルは腕の中の私を、ただ抱きしめているだけ。
これは、ひょっとして………っ!?
「ヴィル、さっき私が言った事の意味わかってる?」
「うん。僕もがんばるから、首都で一緒に暮らそう。二人で、一緒に」
にっこり笑うヴィルの顔の屈託の無さは、本当にもう憎たらしいぐらいだった。
男の子らしく私にドキドキしてくれたと思ったら、どうやらヴィルの想像力は抱き締めあって、キスするまでで止まってしまっているらしい。
「あのねえ……」
「今から楽しみだよ。また一緒アリソンとにいられるなんて」
いや、そう言ってもらえるのは嬉しいのだけれど、今私が言いたいのはそれじゃなくて
「あ、愛し合ってる男女が一緒にする事と言ったら、他にもっとあるでしょう!!?」
「えっ?それってどういう……」
「だ、だからぁ………」
真っ赤を通り越して、顔から火が出そうだ。
「……だから、ヴィルと私がいっしょに……」
「いっしょに?」
「……いっしょに……いっしょに……」
いくらなんでも、これ以上言うのは無理だ。堪りかねた私は大声で叫ぶ。
「お、女の子にこれ以上言わせないでよっ!!!!!」
その言葉で、ようやくヴィルは理解してくれた。事の重大さに口をぽかんと開けてしばらく凍りついた後、たどたどしく私に問い掛ける。
「それって、もしかして………」
「お察しのとーりよ」
「でも、まだ、僕たち………」
「まだも何も、家にいたころから、もう長い付き合いじゃない」
「大事な事だよ。すごく、大事な事だ」
「わかってるわ」
「お互い初めてなんだよ」
「そりゃあ、誰だって同じよ」
そこまで言ってしまうと、陸に揚げられた魚みたいに口をぱくつかせていたヴィルが、きゅっと目を閉じて
「本当に、僕でいいの?」
言った。私の答えは、ひとつっきり。
「もちろん」
ずっと前から、決まっている。
「好きだって。そう言ったでしょ、ヴィル?」

結局、なんだかんだでいつものペース。同じ気持ちでいるつもりでも、やっぱりどこかがズレている。だけども、それがとても愛しい。
それでも私は、私たちは、ここまでいっしょにやって来た。
寝間着を脱いで、私は下着姿。目の前には、同じく下着姿のヴィル。長い付き合いでも、あんまり見せた事の無いお互いの姿に、二人して照れてる。
「どう……、かな?」
「う、うん。きれいだよ、アリソン」
あんまり素直に、ヴィルがそんな事を言うものだから、さらに私が照れてしまう。
「………下着は、ヴィルに取ってもらいたい」
ぼそぼそと言う私に答えて、ヴィルが私のブラに手を伸ばす。今回のために用意しておいたコレ、本当にヴィルが外してくれるなんて、少し前なら想像も出来なかった。
「………うわ」
露になった私のおっぱいに、ヴィルが感嘆の息を漏らした。恐る恐るの手の平が、それを包み込む。その瞬間、痺れるような感覚が駆け抜ける。
「ひあっ!?」
触れられたところが、こそばゆくて、痺れて、じんじんと伝わってくるヴィルの体温を燃えるように熱く感じてしまう。
「すご……あったかくて、やわらかくて……」
段々とヴィルは私の胸を揉みしだく事に夢中になっていく。恐る恐るの空気が薄らいで、次第に大胆にヴィルは私の胸を責め始める。
「…あっ……ひゃああっ…や……ヴィ…ルぅ……」
あくまで優しい手つきで、しかし確実に、私が反応するところへ愛撫を重ねる。強くも弱くもない微妙な力加減の指先が私の乳首を転がして、おっぱい全体をこねまわす。
初めて触れ合う互いの体に夢中になった私たちは、まともに言葉を発することも出来ず、耳に入ってくるのはお互いの荒い息遣いだけ。
「……ひっ…あああっ!…ヴィルっ…そこぉ………っ!!!」
いつのまにやらヴィルの指先は、汗と、それ以外の液体でじんわりと湿り始めたショーツの内側に這い入っていた。
私の恥ずかしいところの入り口をヴィルの指先が撫でる。その度に聞こえる、くちゅり、という音。
「………これが、アリソンの……」
私のアソコに触れた指先を目の前に、ヴィルがため息をつく。指先を濡らした露が、部屋の照明にきらきらと輝く。
恥ずかしさでどうにかなってしまいそうな私に追い討ちをかけるように、ヴィルは私のショーツに手をかけて、下のほうへとずらす。
私の敏感な部分に、部屋の冷たい空気が触れて、ぞくりと電気が背骨を駆け上がる。露になった私のアソコは、ぐっしょりと濡れて、輝いていた。
「……や…はずかし……」
たまらず手の平で顔を覆った私。だけど、ヴィルはそんな私にお構いなしで、濡れそぼったその部分に指を這わせる。
「きれい、だよ……」
「うそぉ…」
「ううん、きれいだ。はだかになったアリソン、すごくきれいだと思う」
私の耳元で囁きながら、ヴィルは柔肉の間に浅く指を差し込んで、何度もかき混ぜてみせる。
「あっ…くぅ……は…ひあああああっ!!!!」
我慢できずに声を漏らしてしまう私の唇を、ヴィルの唇が塞いだ。ヴィルは私のアソコを指で撫でて、かき混ぜて、同時に私の唇も味わった。
敏感な突起を指で突かれて悲鳴を上げて、首筋をなぞる舌先に体を震わせて、私は何度もいやらしく声を上げた。
初めて味わう快感の中で、私はどんどんエッチになっていく。
どんどんエッチになって、もっとヴィルの事が欲しくなっていく。
「……ヴィルぅ…ヴィルのが…欲しいよぉ……」
自分で信じられないくらい甘えた声で、私はヴィルに訴えかけた。
もっと体の奥でヴィルを感じたいと、訴えかけた。
「うん……僕も…アリソンが欲しい……」
ヴィルは答えて、大きくなった自分のモノを私のアソコに、その入り口にピトッとくっつけた。
苦しそうなぐらいに張り詰めて、ドクドクと脈打つヴィルのモノ。私のことを考えて、私の体温を感じて、あんなに大きくなったんだ。
「………いくよ」
「……うん」
短い受け答えの後、ヴィルはゆっくりと私の中へと入ってきた。
肉を裂く痛みと共に、奥へ奥へと、ヴィルが進んでいく。ヴィルが私を埋め尽くしていく。
「…ふあああっ!!……ヴィルっ…今、私たちいっしょになってるんだよね?」
ヴィルの背中に必死で抱きつくと、ヴィルが私をぎゅううっと抱き締めてくれた。ヴィルに満たされて、包まれて、私は今、ヴィルと一つになっている。
「動いて……いいよ」
ヴィルの耳元で囁く。
「うん」
ヴィルは肯いて、それでも私を気遣って、痛みを紛れるように愛撫を続けながら、ゆっくりと、本当にゆっくりと腰を動かし始めた。
互いを味わうような長いキスを何度か交わして、互いの名前を呼び合って、次第に私の中で、痛み以外の何かが疼き始める。
「…きゃ……ああんっ!!…ふあぁ!!…ヴィルっ!!ヴィルぅうううっ!!!!」
ヴィルの熱いモノが私の中を、前後に動いて、かき混ぜて、その度に私の体の奥に電気が走る。熱が弾ける。
ヴィルは次第に動かすペースを速めて、熱い痺れが何度も駆け抜けて、私の頭の中は何度も真っ白にさせられた。
「…すご…きもちいいっ!!きもひいいよぉっ!!…あああああああああっ!!!!」
体の中が、外が、ヴィルに触れたところ全てが熱い。蕩けて、痺れて、喘いで、私はどんどんヴィルに溺れていく。
もう何度目かもわからないキスを交わし、ヴィルが私の耳元で囁く。
「愛してるよ、アリソン……」
そうして微笑んだ笑顔は、私の良く知っている、私が一番大好きな、あの笑顔だった。
「私…も……ヴィルの…ことぉ…」
抱き締めあう腕に精一杯の力を込めた。ヴィルがさらにペースアップして、私はさらなる快感に飲み込まれていく。
「くぅ……アリソンっ!!僕…もうっ…」
「私もっ……ヴィルぅうううっ!!!!」
張り詰めた熱が限界の近いことを告げていた。だけど、高まっていく気持ちが、燃え上がっていく体が、私たちを加速させていく。そして………。
「うああああっ!!!アリソンっ!!イクよっ!!!!!」
「ひああああああっ!!!!ヴィルぅ!!きてっ!!!きてぇえええええっ!!!!!」
荒れ狂う熱の最中で、私とヴィルは絶頂へと押し上げられていった。

すやすやと眠るアリソンの頭を撫でながら、僕は何をするでも無く薄暗い天井を見つめていた。
「夢じゃ、ないよね………?」
体が、心が、なんだかふわふわして、まるで現実のように感じられない。僕もアリソンも、あまりに無我夢中にこの夜を過ごしたから………。
穏やかなアリソンの寝顔が、なんだか僕に問い掛けている様に思えた。あの日出会った妖精が、あの日から変わらないキラキラの笑顔で、僕に言った言葉。
ねえ、私のこと好き?
「大好きだよ」
ずっと一緒にいてくれる?
「うん、一緒にいよう。ずっと二人で、一緒に………」
言ってから、僕はアリソンの肩をきゅっと抱き寄せる。
僕を戸惑わせ続けた胸の中の嵐はいつのまにか静まって、今の僕の心の中にあるのは、ただただ穏やかで、じんわりと温かいひとつの感情。
アリソンを、愛している。
もう、このままずっと、アリソンを抱きしめていたい。そんな事を思った。
そのまま何秒が過ぎただろうか?突然、アリソンの体が、ぷるぷると震え始めた。
「えっ?な、何!?」
驚いて起き上がった僕の前で、アリソンはガバッと顔を上げた。
「ごめん、起きてたっ!!!」
「えぇっ!!!?」
「いや、うとうとしてたのは本当なんだけど、でも、ヴィルが耳元であんな事言ってくるもんだから………」
たちまち僕は赤面、胸の中に嵐が舞い戻って、心臓がバクバクと音を立て始める。
「……でも、まあ、嬉しかったんだけど………ね?
はにかみながら言ったアリソンは、結構満更でもなかったみたいで………。
「………ねえ、もう一度言って」
僕の顔を覗き込んで、アリソンがとんでもない事を言った。
聞かれてた事が解っただけでもこんなに恥ずかしいのに、今更面と向かって言うなんて、想像するだけで頭がクラクラする。
「もう一度聞きたいのっ!!!ヴィル、お願いっ!!!!」
「いや、その、でも、その………」
もはや、『ただただ穏やか』だの、『じんわりと温かい』だの、そんな騒ぎではなくなっていた。パニックは再燃、僕にはもうどうしようも出来ない。
キラキラと瞳を輝かせて、アリソンが僕を見つめている。
「…………す……き………だよ…」
やっと喉から搾り出せたのは、聞こえるか聞こえないかの小さな一言。
「ヴィルぅうううううっ!!!!」
それを聞いた瞬間、弾かれたようにアリソンが飛び出して、僕を抱き締めた。柔らかな胸で、僕の頭をぎゅうううっと抱き締めた。
「私も好きっ!!大好きよ、ヴィルっ!!!!」
柔らかなアリソンのおっぱいがぎゅうぎゅうと僕の顔に押し付けられる。しゅうしゅうと湯気を立てて、僕の頭はオーバーヒートした。
完全にアリソンのペース。無抵抗。なすがまま。結局、僕はどこまでも僕のままだった。
(もうちょっと、ちゃんとアリソンの気持ちに向き合って上げられると思ったのにな……)
そんな事を考えながら、アリソンの胸の中の僕はそれはそれで、とても幸せなのだった。

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