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happy birthday!!(ヴィル×アリソン)

ヴィルの誕生日。
空軍の同僚の女性に妙な事を吹き込まれたアリソン。
彼女の用意したプレゼントはやっぱりというか何というか……。






ヴィルヘルム・シュルツの誕生日はおおよそ、春から夏の初めまでの間に位置するらしい。
『アリソン』シリーズの登場人物紹介のページはどれも、彼の年齢が17歳であると書かれている。
そして、シリーズは夏休みの事件に始まって、春休みの事件に終わる。この間、ヴィルがずっと17歳であったのなら、後は単純な引き算だ。
それ以上細かく特定は出来ないが、ともかく春と夏の狭間のある日が彼の誕生日である事は間違いない。
おそらくは、『未来の家』の前に一人ぼっちで置き去りにされていた彼が見つけられた日。冒険だらけの一年が過ぎて、今年もその日はやって来た。

「ヴィル、誕生日、おめでとう!」
「ありがとう、アリソン」
アリソンの言葉にヴィルが微笑む。
二人がいるのは、ロウ・スネイアム記念上級学校から南に4キロほど行った場所にある湖のほとり。二人でこの場所に来るのは、これで3度目である。
大きな木の影の下、太い幹に背中を預けて、二人は湖面を眺めていた。
「でも、まさか誕生日当日に来てくれるとは思わなかったよ」
「まあ、普通なら来れなかったんだけど、今回はたまたま運が良かったのよ。ちょうど、近くに来てたから…」
久しぶりの会話を楽しむ二人の他には、辺りには誰も見当たらない。風が木の葉を揺らす音と、小鳥のさえずりがときおり聞こえるばかりである。
僅かに揺れる湖面を、太陽がキラキラと輝かせる。どこまでも静かで、穏やかな午後だった……。
が、実は、内心は静かでも穏やかでもいられない人物がいた。
「…………」
湖の方に視線を向けたヴィルの、その穏やかな横顔を注視しながら、アリソンは一人息を飲む。
(こ、こ、ここまではいい雰囲気よね。なんかいつもと全然違わない気もするけど……)
この春の大陸横断鉄道の旅で告白して恋人同士になったとはいえ、普段は離れて暮らすアリソンとヴィルが、その後カップルらしい事をする機会はほとんどなかった。
そんな中で、ヴィルの誕生日というイベントは逃すべからざる一大チャンスである。運が良かったと言いながら、実はかなり無理をしてアリソンはヴィルの元にやって来ていた。
しかも出発を前にして例の空軍の同僚の女性から色々と吹き込まれているので、アリソンの鼻息はやたらと荒くなっている。
『誕生日と言ったら、アレしかないでしょ!』
『アレと言いますと、一体、何でありましょうか?』
『鈍いわねアリソン、恋する乙女が恋人に送るプレゼントと言えば決まってるでしょ!生まれたままの姿に赤いリボンを巻きつけて………』
『リ、リボン……』
『プレゼントは……あ・た・し………って相場が決まってるってもんでしょう!!!』
………で、アリソンはそれを真に受けた。
裸にリボンぐるぐる巻きは恥ずかしかったし、なんだかリボンがこんがらがりそうだったので、今はシャツの襟で隠れている首元に赤いリボンを一本、きゅっと結んである。

(後はチャンスを、夜が来るのを待つだけね……)
上級学校の寮では男女別々の部屋に寝る事とか、そういった様々な障害は今のアリソンの脳裏からは消え去っていた。
(ヴィ、ヴィ、ヴィルと、今夜はヴィルと~……っ!!)
頭の中に渦巻いているのは、ヴィルと過ごす甘い夜のめくるめく妄想ばかり。ちょっとばかり、向こう側の世界に行ってしまっているアリソンだった。
「……アリソン?どうしたの、顔が赤いけど大丈夫?」
「……えっ!?…あ?…ああ、うん、大丈夫大丈夫!!!」
ヴィルの言葉で、アリソンは一気に現実に引き戻された。相変わらずのヴィルののんびり顔を見て、アリソンは少しばかり恥ずかしくなる。
「去年も、ここに来たよね」
「そ、そうだったわね」
「あれから、色んな事があったよね……」
嘘つき爺、ワルター・マクミラン中佐との出会いに始まり、壁画の発見や、イクス王国での事件、豪華列車での旅と、僅かな間に二人はさまざまな冒険をする事になった。
「危ない目にも、辛い目にも、たくさん遭った……。でも、色んな凄い物を見ることもできた。アリソンがいたから巡りあえたんだと、僕は思ってる」
「……まあ、私がヴィルを色んな所に引っ張りまわしちゃっただけだけど……」
「引っ張り出して、連れて行ってくれたんだよ、アリソンが。色んなものを見た時、横にアリソンがいてくれた事が、僕にはとても嬉しかった」
そこでようやく、アリソンは気付いた。ヴィルの表情はいつもと変わらぬ穏やかなものだけれど、その眼差しに何か真剣な色が含まれていることに……。
「大好きだよ、アリソン……」
呟いたヴィルの顔が、アリソンの顔の間近まで接近する。
「キス……していいかな……?」
ヴィルの言葉で、アリソンの頭の大事な部分のネジが片っ端から吹っ飛んだ。思考停止のアリソンは言葉を返す事も出来ず、ただコクコクと肯いた。
「アリソン………」
ヴィルの唇が、アリソンの唇に重なる。そのままアリソンは息をする事も忘れて、その夢の様な感触に身を委ねる。
相変わらず辺りには人影は一つとしてなく、いつの間にか小鳥のさえずりも、木の葉を揺らす風も止んで、その静寂の中、二人は互いの、速まっていく鼓動の音だけを感じる。
そして、永遠とも思えるような時間が終わり、ヴィルはアリソンからゆっくりと唇を離した。
「………あ……ヴィルぅ……」
いまだ夢見心地のまま、アリソンが呟いた。自分から仕掛ける筈が、完全に先を越されてしまった。そのあまりに意外な展開に、すっかり骨抜きにされてしまったのだ。
(あ……そだ………プレゼント……ヴィルに…プレゼントあげなきゃ………)
キスの衝撃は、アリソンが今回の作戦に対して抱いていた不安感や羞恥心、作戦の実行の障害となる諸々を全て吹き飛ばしてしまっていた。
ただ、ヴィルとの甘い一時を過ごしたい、それだけを考えてアリソンはシャツの襟元のボタンを外す。首に巻かれた赤いリボンが露になる。
だが、うっとり気分のアリソンは全く気付いていなかった。自分の目の前、これからアプローチを掛けようというその当人、ヴィルが顔を真っ赤にして俯いていることに。

(………うああ!?…や、や、や、やっちゃった!僕から…本当に……アリソンに……っ!!)
実はヴィル、かなり無理をしていた。雰囲気に呑まれてアリソンは気付かなかったようだが、『キス……していいかな……?』のセリフなど、声が完璧に震えていた。
(で、でも……もう僕とアリソンは恋人同士なわけだし、僕はこういうのは苦手だから、意識して積極的にやらないと……)
で、慣れない事をやった反動で、ヴィルの緊張の糸は完全に切れてしまっていた。ともかく無事に成し遂げた安堵感で、今にもその場に崩れ落ちそうである。
だから、アリソンが何やら熱っぽい表情で自分の顔を覗き込んできている事に気づいた時も、ヴィルは何が何やら判断する事ができず……
「………ヴィル」
「…アリソン?」
「…ヴィルっ!!ヴィルぅううううぅぅうっ!!!!!!」
されるがままに押し倒されてしまった。
「…ヴィルっ!!!大好きっ!!!私も、ヴィル大好きぃいいいいっ!!!!」
「……ちょ!?…アリソン、一体どうしたの!!?」
訳も解らないままヴィルの口から飛び出た問いに対して、アリソンは一瞬動きを止めて、それから自分の首元を指差す。
「……誕生日の、プレゼント……ちょっと恥ずかしいけど、でも、ヴィルの方が先に私にくれたし………」
「えっ?ええっ!!?」
アリソンはシャツのボタンを、ズボンのベルトを次々に外し、するすると服を脱いでいく。ヴィルは事の重大さを把握しきれぬまま、その様子を呆然と眺める。
あっと言う間に下着姿になったアリソンが、ヴィルに覆い被さる。
「た、誕生日プレゼントって……!?」
「…だから、つまり、私がっ!!!!」
そこまで言ってからようやく、アリソンは自分のやろうとしている事の意味を思い出した。
「………私が…プレゼントって事で……」
「アリソンが…プレゼント?」
顔が赤くなり、言葉にも勢いが無くなる。しかし、そのまま崩れ落ちてしまいそうなアリソンの背中を先程のキスの感触が押しやる。
「……つまりっ!!!私がヴィルに……え、え、えっちな事をぉ……っ!!!!」
「ええぇええええ―――――――――っ!!!!!!」
えいっ!!とばかりに、アリソンはヴィルに抱きついた。胸が、お腹が、太ももが、アリソンの体の柔らかな感触がヴィルの体に押し付けられる。
全身で感じる肉感、燃えるような体温、それらの圧倒的な存在感に飲み込まれそうになりながらも、ヴィルは必死に叫ぶ。
「だ、だ、駄目だよアリソン!!!!……ここは…外だよっ!!…見られちゃうよっ!!!!」
「……うっ!……うぅ…み、見られたって平気っ!!!私はぜんぜん大丈夫っ!!!」

ヴィルの言葉に一瞬躊躇したアリソンだったが、それでも止まらない。止まれない。ヴィルのキスで火のついたアリソンの心が、それを許さない。
「僕は大丈夫じゃないよぉっ!!!!」
必死に叫ぶヴィルだったが、彼の心も初めて自分からしたキスの興奮で平静な状態とはとても言えない。
次第にアリソンの誘惑に抵抗する力は失せて、頭の芯が痺れるような感覚に支配されていく。
ヴィルらしい冷静な判断力は次第に消えていき、残るのはただただアリソンが愛しいという感情のみ。押さえる物の無くなったその感情が、ヴィルの中で暴発する。
「ア、ア、アリソン――――っ!!!!!」
勢い任せにアリソンの体を抱きしめ、そのまま本日二度目のキスをする。先程の、静寂の中での夢の様なキスとは違う、熱く激しい接吻。
そして、唇を離した二人は、互いの上気した顔をうっとりと見つめる。
「ヴィル……受け取って…私のプレゼント……」
「うん……ありがとう、アリソン……」
アリソンの残されていた下着を、ヴィルの手が優しく脱がせて、ヴィルもシャツをはだけて、ズボンの中で硬くなっていたモノを取り出す。
木の幹に背中を預けたままのヴィルの、その腰の上に、アリソンはゆっくりと体を下ろす。互いの体の最も熱い、大事な場所が触れ合う。
そうしているだけで伝わって来る、痺れるような快感と凄まじい熱量に、二人は微かに息を漏らす。
「……っあ……ヴィルぅ…ヴィルのが当たって…そこだけ…熱くてぇ……」
「…アリソンっ……すごい……すごいよ…」
二人はそのまま抱きしめ合い、訳の解らぬまま必死で互いの体を弄った。自分の体温が相手の体温の中に溶けていく様な、その感覚に二人はしばし我を忘れた。
二人が体を預ける大木以外には何一つ視界を阻む物がない今の状況も、二人の興奮をさらに高めるだけだった。
陽光に照らし出されて、アリソンの体の、その曲線の美しさ、肌のきめ細やかさが、余すところ無く露にされた。
「……ふあっ!…ああっ!!…ヴィルの指ぃ…きもひ…い……っ!!!!」
ヴィルはそのきらめく様な美しさに心奪われて、無我夢中でアリソンの体中を愛撫した。
背中からお尻に至る曲線の滑らかさを何度もその手の平で味わい、可愛くすぼまった後の穴に触れて、過敏に反応するアリソンの体を強く抱きしめた。
胸の上にピンと立つ、ピンク色の突起を舌先で転がした。敏感な内股を何度も撫でてから、大事な部分に指を這わせて、その蕩けるような蜜を掻き回した。
「…ヴィルぅ…わたし…も…がまんできないよぉ……っ!!!」
「アリソン……僕も……もう……っ!!!!」
必死に愛し合う二人の体は、いつの間にか上下が逆転し、アリソンの上にヴィルが乗っかる形になっていた。
はちきれそうなヴィルのモノが、濡れそぼったアリソンの大事な部分に触れると、それだけで果ててしまいそうなほどの衝撃が二人に襲い掛かる。
二人はどちらからともなく視線を交わして、コクリと肯き合った。熱く硬いモノを入り口に押し当て、ヴィルはアリソンの瞳を見つめながら言う。

「いくよ……アリソン」
「きて……」
じゅぷり……。ヴィルの熱が柔肉を押し割り、その奥へ奥へと身を埋めていく。
「……っああ…ふああぁ……ヴィルっ…ヴィルぅ……」
快感と熱がない交ぜになったその感覚に吹き飛ばされそうになる自分を、アリソンはヴィルの背中にしがみついて必死に繋ぎとめる。
やがてその全体をすっかりアリソンの中に埋めたヴィルのモノが、ゆっくりと前後運動を始める。
「…アリソンっ……すご…熱いっ!…熱いよっ!!」
「ヴィルぅ……私も……熱くて…すごく熱くて……っ!!!」
熱いのが気持ちいいのか、気持ちいいのが熱いのか、押し寄せる感覚を理解できないまま、圧倒的なその波の中で二人は翻弄され、本能の促すままに体を動かし続ける。
腰を動かすたびにじゅぷじゅぷと響く淫靡な水音と、どんどんと荒く激しくなっていく呼吸の音、頭の芯まで熱に侵蝕されて、思考は溶けて流れ出す。
「うあ…だめだ…僕……腰が…止まんないっ!!!」
「…っああああっ!!!あはあっ!!…ああっ!!!きもちいいっ!!きもちいいよぉっ!!!!」
体中が痺れて、訳が解らないほど熱くて、全ての感覚が狂っていく中、腕の中に抱きしめる愛しい人の存在感だけが大きくなっていく。
突き上げて突き上げられて、掻き混ぜて掻き混ぜられて、熱さと痺れに頭をやられたまま、ひたすらに相手と溶け合っていく。
二人を巻き込んだ快感の大渦は容赦なくその速度を増し、やがてアリソンとヴィルをその遥か高みにまで吹き飛ばす。
「……アリソンっ!!…僕…もう…これ以上は……っ!!!」
「ああああっ!!!ヴィルぅ…わたし…も…らめぇっ!!…らめぇええええええっ!!!!」
アリソンの中でヴィルの熱が弾ける。瞬間、全身を快感の衝撃が駆け抜けて、体を弓なりに反らして、アリソンは昇りつめた。
「……っああ!!アリソンっ!!アリソンっ!!!!!」
「…ヴィルぅ!!!…わたしぃ…イクぅ…イっちゃうぅううううう――――――っ!!!!」
絶頂の津波に飲み込まれた二人は、そのままその場に崩れ落ちた。

それから一時間ほどが経過した。
絶頂の余韻も大方過ぎ去って、ただいまアリソンとヴィルは勢いに任せすぎた自分達の行動を反省している真っ最中だった。
「誰かに……見られちゃったかしら?」
「………この辺りはあんまり人は来ないと思うけど……」
行為が目撃されたかどうかも不安だったが、そういった可能性を承知の上で事に及んでしまった自分達の軽率さも、今更ながらに気分を重くさせた。
「まあ、後悔しても、ほんと後の祭なんだけど……」
「うぅ……ごめん…僕が慣れない事をしたりするから……」
二人は俯き、同時にため息を漏らした。
そのまま固まってしまった二人だったが、しばらくして、ふとアリソンが顔を上げた。
「そういえば、次は私の誕生日よね……」
微妙に頬を赤らめながら、アリソンが言った。ヴィルも顔を上げる。
「いや、その……私もヴィルからなにか貰えたら嬉しいかなぁって……その…お金のかからないプレゼントを……」
空軍の同僚の女性が教えてくれた、この作戦の締めくくり。この手のパターンの定番である。
「…でも今回の事で懲りたわよね…っていうかやっぱりこんなの何度もは無理だろうしそもそもまた誕生日に都合良く来れるわけないし……」
そっぽを向いて、もじもじと呟くアリソン。その声に、ふいにヴィルの声が重なる。
「あげるよ」
「へ!?」
横を見ると、恥ずかしさで今にも消えそうな感じで、ヴィルがこう言った。
「素敵なプレゼントを貰ったから、僕もお返しがしたい。………………まあ、その時はお手柔らかにお願いしたいけど……」
アリソンの顔が真っ赤になって、くぅ―――っ!!と小さくガッツポーズ。そして傍らのヴィルにぎゅっと抱きついて
「それじゃあ改めて、誕生日おめでとう、ヴィルっ!!!」

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