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デートな話(ヴィル×アリソン)

アリソンとヴィルの初デートのお話です。
二人の初々しい感じやデートへの緊張なんかが出せたらと思って書いたのですが、
果てさて、その辺りを上手く表現できているでしょうか?






「眠れない……」
暗い寝室のベッドの中、頭から毛布をかぶった私が唸る。
時間はもうとっくに夜中を過ぎている。空高く昇った月は、カーテン越しからでも容赦なく明るい光を投げかけ、ただでさえ眠れない私をさらに苦しめる。
だが、それだって無理の無いことだと思う。なんたって、明日は私とヴィルの初デートの日なのだから………。
もちろん、これまでもヴィルと一緒に遊んだ事はいくらでもあった。しかし、今回は今までとは訳が違うのだ。
お互いに好きだと、恋人同士だと確かめ合ってからの、初めてのデート………。これはもう、興奮するなと言う方が無理と言うものだ。
二人で一緒に映画を見て、街を歩く。客観的に見れば、そんなに大したことをするわけでもないのに、むやみに胸が高鳴る。
ヴィルに告白して、首都のアパートで一緒に暮らすようになってから、もう一月は経っただろうか。
引越しの忙しさや、お互いの用事にかまけて、これまでこんな機会を持つことは出来なかった。しかし、ついにこの日が来たのである。
ドキドキ、ドキドキと高鳴る胸の鼓動、カチコチ、カチコチとうるさい時計の音、私の中で二つが混ざり合い調子の外れたビートを刻む。
眠れやしない。眠れるものか。ねむれるわけがない。眠気なんて、ねむけなんて…ねむけにゃん…て…ねむ…………………………むにゃむにゃ。

窓から差し込む光に起こされて、私は爽やかな目覚めを迎えた。しばし、空っぽの頭のままで部屋の中を見回す。あれ、今日は何をするんだっけ?
しばらく天井を見つめたまま固まる。やがて、一点を見つめたままぼんやりとしていた私の顔が、にんまりとにやけてくる。否応も無く頬が緩む。
「ヴィルと………でーと…」
先ほどまでとは別の意味でぼんやりとした頭を抱え、私はゆっくりと起き上がる。なんにせよ、支度をしなければ始まらない。
しかし、ベッドから降りてふと壁にかけられた時計を見た瞬間、にやついていた私の顔が一気に凍りついた。
「うわああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
昼近くを指したその時計に釘付けになった目を、無理矢理引き剥がして窓の外を見ると、空高く昇った太陽から無情な光が降り注いでいる。
寝坊してしまった………。
「なんで起こしてくれなかったのよぉ!?ヴィルぅうううううううぅぅうううっ!!!!!!!」
その時、叫んだ私の後ろでむくりとだれかが起き上がる気配がした。まさか、もしかして…………。
恐る恐る、私は振り返った。
「どうしたの、アリソン?」
眠そうに目を擦りながらベッドの上に起き上がったヴィルの顔を、私は愕然としながら見つめたのだった。
「ぜえ、ぜえ……な…なんとか」
「…ふぅっ……間に合ったみたいね…」
なんとかたどり着いた映画館の前で、私とヴィルは息を切らした。時間ギリギリ、間に合ったのはほとんど奇跡のようなものだ。
まったく、いきなりとんでもないケチがついてしまったものだ。家からここまで全力疾走、正直、デートというよりは運動会みたいなものだ。
しかし、ここからいくらでも挽回できる。暗い映画館の中で雰囲気を出して、一気に形勢を逆転するのだ。
そのために、客のあんまり入らない公開期間終了間近の映画を選んだのだ。もうヘマは許されない。
「アリソン、寝坊しちゃってごめん」
「いいのよ、間に合ったんだから。終わりよければ全て良しでしょ」
申し訳無さそうに謝ってきたヴィルに、笑顔で答える。正直、寝坊したのは私だって同じなのだから、文句の言えた義理では無い。
ただ、一つだけ気になることもあった。
「それにしても、私はともかくヴィルが寝坊するなんて一体どうしたの?」
「あっ…うん…それは………」
私の質問には答えずヴィルは口ごもる。何だか、様子が変だ。いつものヴィルじゃない。
「そ、そろそろ中に入らないと……」
じーっとヴィルの顔を睨みつけていた私に、上ずった声で言ってから、ヴィルは映画館の入り口に向かって歩いていく。
その落ち着きのない後姿を眺めながら私はつぶやいた。
「本当に、どうしちゃったんだろ?」
館内の照明が落ちて映画が始まった。しかし、私の頭には映画の内容など頭に入ってこない。
隣に座ったヴィルの存在ばかりが気になって、ドキドキドキドキとうるさいぐらいに音を立てる心臓の鼓動ばかりが耳につく。
不安、焦燥、憤慨、私の中で様々な気持ちが入り乱れて、居ても立ってもいられなくなる。
………ヴィルのバカ。手ぐらい握ってくれても良いじゃない!
いくら映画館の中では静かにしてなきゃいけないからって、このまま何事も無く終わってしまって良いわけが無い。
そうだ。相手はあのとんでもない朴念仁、ヴィルヘルム・シュルツなのだ。むしろ、こちらからリードしてあげるぐらいの気持ちで行かなくては。
「……………よし」
口の中で小さくつぶやく。私は心を決めた。深く息を吸い込んで目を閉じ、頭の中で10秒数えて行動に移る。
暴れ出しそうなほどの体の震えを気合に根性、そしてありったけの愛情で押さえつけて、ヴィルの手の上に自分の左手を重ねる。
そして、ゆっくり、ゆっくりと握り締めた。
やった!どんなもんだ!これでどうだ!私は心の中で自分の勇気と決断に盛大な拍手喝采を送る。
しかし………。
「あれ?」
隣の席から伝わるヴィルの気配には相変わらず変化が無い。
恐る恐るヴィルの横顔を覗き見る。相も変わらずスクリーンに釘付けのままの目、真剣な表情で映画に集中しきっている。
「……………………」
言葉も出なかった。まるで自分とヴィルの間が100万光年の距離で隔てられたような気分に陥る。
重ね合った手の平から伝わるヴィルのぬくもりが、今の私にはあまりにも辛い。
穴が開くほどにヴィルの横顔を見つめても、そこには何の変化も見られない。私は諦めて、スクリーンに視線を戻す。
映画の内容に没入して全てを忘れるのだ。そうだ、そもそも今日は映画を見に来たんじゃないか。うん、見るぞ。よし、見るぞ。
しかし、相変わらず手の平から伝わってくるヴィルの体温が、私の集中を妨げる。
目の前で展開される息を呑むような銃撃戦も、白熱のカーチェイスも、私には何の感動も興奮も与えることなく、頭の中を通り過ぎていく。
そして気が付けば、私は同じ言葉ばかりを口の中でつぶやいていた。
「…………ヴィルのバカ、バカ、バカ……」
場面は主人公とヒロインのキスシーンに移った。まったく、アクション映画でさえ、この程度のロマンスはあるというのに……。
泣き出したい気分だ。
やがて映画は終わり、館内に再び灯りがともる。しかし、もはや私に立ち上がる気力など無かった。
何も映らなくなったスクリーンを呆然と眺めながら、シートにもたれかかった私の体は、まるで底なしの沼に沈んでいくようだ。
隣でヴィルの立ち上がろうとする気配を、私は感じる。だけど、私はまだ無理だ。いっそ、先に映画館の外に出て行ってもらおうかとすら考える。
するり。私の手の平の下からヴィルの手が抜け出て、私の手は置き去りになる。肘掛に残されたヴィルの体温、その虚しさを手の平に感じる。
うん、そうしよう。なんとか言い訳して、先に映画館の外で待っていてもらおう。そんなことを考えたときだった。
私の手の平の上に、あったかい何かが覆い被さったのを感じた。
「………えっ!?」
驚いて見てみると、ヴィルの手の平がしっかりと私の手を握っている。握られた手をくいっと軽く引っ張られた。立ち上がるように促しているのだ。
信じられないような気持ちのまま、ヴィルの手に引っ張られて私は劇場の外にむかう。
ドアを抜けると、館内の闇に慣れた目にはまぶしすぎる光で目がくらむ。
その光の中でヴィルが振り返った。いつもの優しげな瞳に、今の状況に照れているのか少しばかり赤い頬。
そして、いつもより心なしか嬉しそうに微笑んで、ヴィルは私に話し掛ける。
「行こうか、アリソン」
「……うん!」
さっきまでの不機嫌も忘れて、私も微笑み返した。
ヴィルの手に引かれて街の中を歩く。周りの視線が気になるだとか、そんなことは全然考えもしなかった。
ヴィルと交わす何気ない言葉が、そろそろ見慣れてきたはずの首都の風景が、私の中で輝く。
ただそこに確かにあるヴィルの手のぬくもり、それだけで全てが違って感じられる。
時間なんて、あっという間に過ぎていく。
「なんだか、いつもと逆になっちゃったわね」
私がヴィルに引っ張られてる。こそばゆいような、嬉しいような、何ともいえない気持ちが胸に広がるのを、私は感じていた。
「うう、重い……」
「ファイト!いとしの我が家はもうすぐよ!」
家に帰り着いた時には、夕日は西の空に沈もうとしていた。アパートの階段を意気揚揚と登る私の後ろからは、紙袋を3つも抱えたヴィルがよたよたとついて来る。
あの後、なんやかやと家に必要なものを買ったのだ。
やっとのことで部屋にたどり着いた。ヴィルが紙袋の中身を片付けている間に、私は寝室に向かう。大騒ぎして外に飛び出したために、部屋の中は荒れ放題だ。
散らかった部屋の中を片付けていると、ヴィルがやって来た。
「そっちは終わったみたいね。ご苦労さま」
そう言って微笑みかけた私に、唐突にヴィルが頭を下げた。
「あの……アリソン、今日はごめん!」
「えっ!えっ、何?…何のこと?」
映画館を出て以来、浮かれ気分で過ごしていた私にはヴィルに謝ってもらうような理由がわからない。
「………映画館の中で手を握ってきてくれたよね」
「う、うん」
「……だけど、僕は映画館を出るまで何も出来なかった。」
ヴィルは一言一言、言葉を搾り出すように喋る。
「アリソンの…あ、あったかい手の平が僕の手の甲に乗って、そしたら……頭の中の何もかも吹っ飛んじゃって……本当はすぐに握り返してあげたかったのに……」
いつになくたどたどしいヴィルの口調、うつむいて真っ赤になった顔からは玉のような汗が流れ落ちる。
「それだけじゃない。昨日の晩中、今日のこと考えてて全然眠れなくて…そのせいで、今朝は寝坊しちゃうし…………」
そう言うことだったのか。映画館の前で、寝坊の理由を尋ねられたとき、ヴィルが結局その質問に答えなかったことを思い出す。
「なんだか今日は、アリソンに迷惑をかけてばっかりで……だから」
「そんなこと無いわよ。色々あったけど、今日はとっても楽しかったわ」
どんどん小さくなっていくヴィルの肩に、私は手を置いた。それまでうつむいていたヴィルがようやく顔を上げる。
「ずっと昔からアリソンを好きな気持ちは変わってないはずなのに、一緒にいるだけで、何だかドキドキして、居ても立ってもいられなくなる……」
いつものマイペースぶりはどこへやら、ブルブルと細かく肩を震わせるヴィルの姿は、横から見ればあるいは、滑稽な光景に見えるのかも知れない。
それでも私には、ヴィルがどれだけ真剣な気持ちで、私に語りかけているのかが解った。
なぜなら、私はそれを良く知っているからだ。
好きな人のことで頭が一杯になって、にっちもさっちも行かなくなって、それなのに心の中にはどこまでも駆けて行けそうな程のエネルギーが満ち溢れてくる。
どこまでも苦しく、もどかしく、それでいて甘いあの感情………。きっと出合った頃から、私がヴィルに抱き続けてきたもの………。
それは確かに、ヴィルの中にもあるのだ。
「知らなかったんだ。僕がアリソンをこんなに好きだったなんて………」
私の瞳をまっすぐに見つめてくるヴィルの瞳が見える。
「あの旅行以来、僕はずっとこんな調子で……………僕に好きだって言ってくれたあの時まで、アリソンはずっとこんな気持ちでいたの?」
ヴィルの問いかけに一瞬考え込んだ私だったが、すぐに気を取り直す。質問の答えはわかりきっていた。躊躇うことなく、私は答えを口にする。
「ううん、違うわ」
「えっ!?」
驚いたヴィルに、私にっこりと微笑んでこう続けた。
「あの時まで?………違うわ。今も私はヴィルと同じ気持ちなの!」
ポカンとしていたヴィルの表情が、一瞬遅れて笑顔に変わっていく。
「……ありがとう」
嬉しそうに、ヴィルが言った。
「どういたしまして!」
嬉しそうに、私も答えた。
二人して、なんとなく笑い合う。
恥ずかしさに赤くした顔、むやみやたらに高鳴る鼓動、胸の奥で今にも飛び出しそうなこの思い、きっと全部同じなんだと信じることが出来る。
ヴィルの頭の中が覗けるわけじゃないけれど、これはそんなに分の悪い賭けでは無いはずだ。
「アリソンはずっと昔から、とんでもない鈍感な僕のために頑張ってきて、そして今も頑張ってるんだね」
「えへへ……まあね」
「……だから、今度は僕が頑張ってみるよ…」
ヴィルのあたたかな腕が、私の体を抱き締めた。驚きに一瞬の間固まった私だったけど、すぐさまヴィルの体に身を任せた。
「アリソン、愛してる」
ヴィルの唇が私の唇を塞ぐ。息が止まるほどの長いキス、痛いくらいに強く抱き締めてくるヴィルの腕の感触が心地よかった。
キスを終えてようやく唇を離すと、目の前にはやっぱり真剣なヴィルの顔が見えた。ぎゅっと抱きしめてくる腕からは、ヴィルの気持ちまで伝わってくるようだ。
ヴィルに抱きすくめられて、私の体はベッドの上に押し倒される。せっかく片付けたのに、またやり直しになるのかと思うと、少し残念だ。
「…うあ…や…ひゃぅう…くすぐったいよ、ヴィルぅ…」
服の上から何度も撫で回してくるヴィルの手のひら、それだけで声を抑えられなくなる。ヴィルに触れられた所がどんどん熱くなっていくのを感じる。
ヴィルの背中にまわした私の手に伝わってくる体温も、どんどん熱くなっていく。触れ合うほどに高まる熱の中で、私とヴィルはただ求め合う。
「…あっ…やあっ!……はぁはぁ…あああんっ!!!」
荒く息を切らす私の様子を見て、ヴィルは服の中にまで手を這い入らせる。直接に素肌を刺激されて、知らず知らずのうちに私の声も大きくなっていく。
ヴィルの指先に乳首を転がされて、胸から全身に駆け抜けていく電流のような感覚に、どうすることもできず体を震わせる。
「…ひうううぅ!!!…あんっ!…そんな…だめぇ!!…乳首ばっかりぃ!!」
「…わかったよ…それじゃあ……」
思わず漏れた私の言葉にそう答えてから、ヴィルは私への責めを切り替える。ヴィルの舌が私の首筋を、鎖骨を舐め上げ、耳を甘かみする。
指先は体中を余すことなく弄ってきて、私の感じるポイントを執拗に責め立てる。快感に頭の中が霞んで、何も考えられなくなっていく。
「アリソンのどこが気持ちよくなっちゃうところか、もう全部覚えちゃったから……」
「…あっ!…やぅ…そんなぁ…ヴィルぅ!!」
ヴィルに耳元でそう囁かれると、私の背中がぞわりとした快感に震える。もう既に息も絶え絶えの私、しかしヴィルの責めはなおも続く。
おもむろに伸ばされたヴィルの手が、私のズボンとショーツを脱がせた。もうびしょびしょに濡れてしまっている私の大事なところが露になる。
「あ…や…ふああっ!…そこぉ…まだぁ…やああんっ!!」
冷たい外気に触れてひくひくと震えるそこを、じっと見つめてくるヴィルの視線を感じる。恥ずかしさで死んでしまいそうだ。
「アリソンのココ、きれいだ……」
「そんな……や…言わないぇ!!…………ふあああああああああっ!!」
ヴィルの舌先がアソコに触れた。柔らかなそれにひと舐めされただけで、私は背中をのけぞらせて叫ぶ。
何度も何度もヴィルの舌に触れられ、クリトリスを突っつかれて、どうにもならない快感の渦の中で、私はただ喘ぐことしかできなくなっていく。
もう限界だ……。そう思った瞬間、ヴィルに舌を突き入れられて、私の意識は吹っ飛んだ。
「あっ!?…や!?…もう!!!ああああああああああああっ!!!!!」
ぐったりと力が抜けた体の上に、ヴィルが覆いかぶさって私にキスをする。熱い口の中に感じるのは、ヴィルの味と私の味だ。
唇を離してから、ヴィルは私にゆっくりと語りかける。
「アリソン…好きだよ。やわらかいおっぱいも、かわいいお尻も、きれいなアソコも、キラキラ輝く金髪も………そして、ずっと昔から僕を好きでいてくれたその気持ちも」
ヴィルの手がやさしく私の頬に触れる。
「アリソンに好きだって言ってもらって、僕の知らなかったアリソンを次々に知って、どんどんアリソンのことを好きになっていく……僕はそれがとってもうれしい」
今、私の目の前には、心底から嬉しそうで、それでいて少し照れているのか頬を赤らめたヴィルの顔だけが見える。
私はヴィルの言葉に答えるかわりに、おでこをコツンと付き合わせた。
「これからもっと好きになる。どんどん好きになってく…」
私はヴィルの目を見つめて微笑む。ヴィルはうなずいて、ファスナーを開け、取り出したモノを私のアソコにあてがう。
「……いくよ」
「……うん」
ゆっくり、ゆっくりとヴィルが私の中に入ってくる。ヴィルの熱を体の内側に感じる。ヴィルが私のことを思う気持ちが燃え上がらせているその熱さ……。
そして、私を気遣うかのように、あくまで優しく、ヴィルは動き始める。
「…あっ…ああんっ!…や…ふあああっ!!…」
抑えようもなく漏れる吐息、ヴィルの息遣いを間近に感じる。
触れ合った肌、流れ出る汗が互いの熱を伝え合い、互いの境界すらわからなくなりそうな快感の中で、私たちは求め合う。
「あっ…はぅ…ああんっ!!…ヴィル…ヴィルぅ!!」
「…くぅ…ああっ…アリソン…好きだよ…」
互いの名を呼び合う。いつのまにか重ね合わせていた手の平を強く握り合う。全身の感覚がヴィルを感じることだけに振り向けられていく。
何度も口付けを交わし、感じる部分を思うさまに愛撫される。ヴィルの動きがだんだん激しくなって、突き上げられる快感で視界に火花が散るようだ。
「…ひあああっ!!!…うあ…や…へんになっちゃうぅ!!…きもちよすぎて…わたしぃ…ふあああっ!!」
長い髪を振り乱し、目に涙すら浮かべて、ヴィルの与えてくれる快感に私の意識は何度も明滅させられる。
どろどろと理性が溶けていく。どんどん乱れていく自分、強すぎる快感に、いったい自分はどうなってしまうのだろうと、不安感さえ感じてしまう。
たまらずにヴィルの体に抱きつくと、ヴィルの腕も私の背中を優しく抱きしめてくれた。何もかもわけがわからなくなりそうな快感の洪水の中、ただ一つ確かなその感覚に身を任せる。
「はうううううっ!!!あああっ!!…も…わたしっ…わたしぃいいいいっ!!!!」
体中を責められて、快感に翻弄され続けて、私の心も体も限界を迎えようとしていた。
今にも溶け出しそうな体を、ひときわ深くヴィルに突き入れられて、私はついに絶頂へと上り詰める。
「…あああああああああっ!!!!!!…はうぅ…ひああああっ!!!ヴィルっ!!ヴィルうううううううううっ!!!!!!!」
「…アリソンっ!!アリソンっ!!!」
同時に放たれたヴィルの熱がおなかの中を満たしていくのを感じる。そしてしばらくの間、私たちは何も言わず、ただ抱き合い続けたのだった。

乱れた呼吸が落ち着くのを待ってから、ヴィルが私に話しかけてきた。
「ありがとう…アリソン」
私の髪を何度も撫でながら、ヴィルはしみじみとつぶやく。
「アリソンがいなかったら自分の中にこんな気持ちがあるなんて知ることが出来なかった……。アリソンのおかげで僕はここまで来ることが出来たんだ……だから…」
それを言うならこっちだって同じだ。ヴィルに出会って知ることが出来た気持ち、私の胸の中でずっと輝いているそれは、きっと私の一番大切なものなのだから……。
私も心からの感謝をこめて答えた。
「……こちらこそ、ありがとう……」

全く、これからどうなってしまうことやら……。
心の中ひそかに、私はため息をつく。
たかだか今日一日だけで、私もヴィルも頭の中は上へ下への大騒ぎだ。きっと明日も、そしてこれからもずっと、私たちはこの気持ちに振り回されていくのだろう。
まったく見当もつかないほどの遠い道のり、それでも恐れず進んでいけるのは、私一人じゃないからだ。二人で選んだ道だから。
行けるとこまで行ってみよう!
とことん振り回されてみよう!
きっと絶対大丈夫だ。
私とあなたが一緒にいられる限り、私とあなたの中にこの気持ちがある限り……。

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