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恋って大変(アリソン×ヴィル)

アリソンと愛しあった昨夜の事を回想するヴィルのお話。
朴念仁な彼も好きなあの娘の事になるとやっぱり照れくさいようで……。






カーテンの隙間から差し込む朝日に目をこすりながら、ヴィルはベッドの上に起き上がった。
むにゅ。
シーツの上についたつもりの手の平が何か温かくて柔らかいものに触れて、ヴィルは自分の手元を見る。
「………あ」
生まれたままの姿で横たわるアリソンの、その形の良い胸のふくらみが、ヴィルの手の平の形に歪んでいる。
途端に顔を真っ赤にして、ヴィルは手を引っ込める。アリソンに気付いた様子は全くなく、スヤスヤと幸せそうに寝息を立てている。
後ろめたさと恥ずかしさを感じながら、ヴィルは己の姿を顧みる。ヴィルもまた、裸だった。当然だ。昨夜はアリソンと夜を通して励んだのだから。

『…ひぅ…ああああっ!!…ヴィルぅ…もっとぉ!!…もっとはげしくしてぇっ!!!』
『…っく……ああっ!!…アリソンっ!!…アリソンのなか…すごくあついよ!!』
『…ヴィルのもぉ…あつくて……かたくて…うああっ!!…わたし…へんにぃっ!!』
『……ああっ!!…アリソンっ!!好きだよっ!!大好きだよっ!!!』

自分の中のどこにあれほどのエネルギーが隠されていたのか。無我夢中にアリソンを求めて、求められて、疲れ果ててもなお互いに抱きしめ合いぬくもりを分かち合った。
まるで、上級学校時代に例のルームメイトの友人から見せられた官能小説そのままだ。知識として知ってはいても、それを現実にする事になるなんて。
しかも、その相手があのアリソンだなんて。
「…………ほんとに信じられないよ」
身近すぎるゆえに考えもしなかった可能性。だけど、未来の家で、その後のさまざまな冒険ではぐくまれた確かな感情は否定しようもない。
「……大好きだよ」
呟いて、ぐったりと横たわるアリソンの体を軽く抱き起こし、抱きしめる。腕の中に感じる鼓動が、体温が、愛しくてたまらず、さらに腕に力がこもる。
「ん……」
かすかに声を漏らして、アリソンがもぞもぞと動き、ヴィルに体を擦り付けてくる。金髪越しに覗くアリソンの至福の表情に、ヴィルも顔がほころんでしまう。
「でも、やっぱりコレはどうにかならないかな…」
まあ、それだけなら良かったのだけれど、ヴィルも生物でありオスである以上、それらの感情とないまぜになって強い衝動が湧き上がってきてしまう。
それがまた、その方面にはとんと疎いヴィルを悩ませるのだ。
そもそも、今は朝なわけで。否応なくやって来る生理現象はさすがにヴィルにとってもお馴染みだけれど、やっぱりこの状況では落ち着かない。
硬くなってる。しかも、衝動的にアリソンを抱き寄せたので気が付いてなかったが、いつの間にやらアリソンの腕が硬くなったソコに触れてしまっている。
「ん、んんぅ~………」
アリソンが身をよじれば腕も動いて、その感触が切ないことこの上ないわけで。
そういう欲望、劣情自体への抵抗感がまだ抜けないヴィルは、その快楽との間に板挟みになってしまう。
(やっぱり、やっぱり駄目だぁ……)
なんて思ってみた所で、否定すれども湧き上がる獣的欲望はあまりに抑えがたい。今にも暴走してしまいそうなこの気持ちもまた、ヴィルにとっては未体験だったもの。

『…ふああっ!!ヴィルぅ…ヴィルっ!!…も…だめええええっ!!!』
『…アリソン…僕もっ…僕ももう……っ!!』
『あああっ!!…ヴィルっ…きてっ…わたしの中ぁ…ヴィルぅううううっ!!!!』
『アリソンっ!!…いくよっ!!アリソンっ!!!』
『ふあっ!!…あはああああっ!!!…ヴィルぅ…イくぅうううううううっ!!!!』

またも蘇る昨夜の記憶。振り払おうとする余裕さえなく、ヴィルは真っ赤な顔を俯かせ、ただひたすらに混乱する。
愛情が、欲望が、かつてない規模でヴィルの中を暴れまわっている。しかも、そうやって振り回される事自体が、どうやら自分にとっては不快ではないようで…。
渦巻く感情の中心に、確かに感じるアリソンの存在に胸を高鳴らせてしまう。
「うぅ………アリソン」
どうにもできず、アリソンを抱きしめ続ける。だけど、腕の中にそのぬくもりを感じている限り、ヴィルのドキドキも過ぎ去ってはくれない。
八方ふさがりのベッドの上、霞がかかったようにボンヤリする思考の片隅で、ヴィルはしみじみ思う。
(恋って、大変だ……)

結局、ヴィルはその後も動くに動けず、目を覚ましたアリソンが寝ぼけ眼のまま言った
『あ、ヴィルってばもー朝から情熱的なんだからー』
の台詞を皮切りに、一日中からかわれてしまう事になったのだった。

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