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白の檻(キノ・調教モノ)

荒野に忽然と現れた真っ白な病院。
そこに閉じ込められたキノを襲うおぞましい陵辱と調教の日々。
その果てにキノの精神が行き着く場所は……?
ラスト、エルメスがかなり酷い目に合っていますので、エルメスファンは閲覧にご注意を……。






真っ白な部屋があった。
学校の教室ほどの広さのその部屋は、床も壁も天井も全てが白で統一されていた。設置されている家具はベッドがただの一つきり。もちろん、ベッド本体もシーツも真っ白だ。
病的なほどに白い空間の中で、色を持つものはただ二つきり。
その内一つはベッドの上、シーツにくるまった少女。短い黒髪の彼女は、薄い水色のパジャマを身に付けて白い天井をぼんやりと見上げていた。
もう一つは、壁に据え付けられた巨大なモニターである。
高さは2メートル、横幅も4メートルはあろうかというこのモニターに映し出されているのは、他ならぬベッドの上の少女の姿だった。
モニターの中で、少女は陵辱を受けていた。
『…あっ!…ああっ!……あっ!…また……また…きひゃううううっ!!!!』
聞こえるか聞こえないかのごく小さな音量で、画面の中の少女の喘ぎ声が部屋の中に流されていた。
ベッドの上の少女はあくまでもモニターを無視するように、目が痛くなりそうな天井の白に心を集中させる。しかし、他に物音一つないこの部屋で、それは至難の業だった。
『…うあっ…ああ……も…やめ……もう白いの、ボクにかけないでぇ…』
画面の中の自分の声に、少女の体がピクリと反応する。それでも頑なに天井だけを見つめる少女の頬はしかし、ほんのりと上気し始めていた。
『…またイクっ!!またイクぅううううっ!!!!…いやだ…ボク…もう……ふああああああああああああっ!!!!!!!』
一際甲高い声を聞いて、少女は我慢できずに体を起こした。睨みつけた画面の中では、絶頂に達したばかりの少女の体を、数人の男たちが容赦なく嬲っている。
それを見ながら、少女はギリリと歯を食いしばった。悔しかったのだ。この白い部屋から抜け出せない事が、このモニターを無視できない事が。
そして何より、画面の中の自分の被虐に倦み疲れた瞳の奥に、さらなる陵辱を、さらなる快楽を求めるほの暗い炎を見たような気がした事が、悔しかったのだ。
「…駄目だ…はぁはぁ…これ以上こんな所にいたら…ボクは……」
不安感を滲ませた声で呟いた少女の声に、荒い呼吸が混ざり始めていた。シミ一つない清潔な服装の内側で、大切な部分が熱い湿りを帯びているのがわかる。
たまらずに自分自身を抱きしめて、少女は自分の中の衝動をやり過ごそうとした。それでも堪え切れず、ベッドの上に倒れて少女は激しく身悶えする。
「…うあ…このままじゃ…ボク…本当におかしくなって……」
ベッドにしがみつき、必死で欲望を堪える少女。そのはだけた襟元に何か銀色の物が覗いていた。犬がつける首輪のように、金属の輪が少女の首に嵌っていた。
一体どうやって取り付けたものか、彼女の首にぴったり巻きついたそれには、継ぎ目一つ存在しなかった。
その時、銀の首輪のなかで唯一金属に覆われていない部分、透明なプラスチックらしきものに覆われた部分が突然、赤い光を発して点滅を始めた。
「……っ!?……や…またなの!?…うあああああああああああっ!!!?」
首輪の点滅と同時に、少女の体がビクンと痙攣し、全身に言いようのない快感の波が押し寄せた。思考をぶつ切りにする強烈な快感の濁流に、少女は悲鳴を上げる。
それでも、何よりも屈服する事を恐れる少女は、自らの手が自分の敏感な部分に伸びる事を、鉄の意志で遮った。
しかし、容赦のない快感の電流は少女の手の平を借りずして、彼女を絶頂へと押し上げた。
「…やっ…はあああっ!!…あっ!!…ふああああああああああああああっ!!!!!」
ガクンと糸の切れた人形のように、少女の体から力が抜ける。荒く呼吸の切らす少女の目からは、激しすぎる快感のために全ての感情が抜け落ちてしまっている。
その時、ピーッという電子音が部屋に鳴り響いた。ドア一つないと思われた壁の一部が浮き上がり、横にスライドする。
その向こうに現れた部屋と同じく真っ白な廊下から、部屋と同じ白い服に身を包んだ一人の女性が少女の部屋に入ってくる。
「お楽しみの最中だったのね。ごめんなさい」
声に反応して、少女は女性の方に顔を向けた。女性の姿を見つめた途端、放心していた少女の顔に一瞬、戦慄の色が浮かぶ。
クリップボードらしきものを片手に、首からは聴診器を下げたその女性は、少女のベッドの脇まで歩み寄って
「さあ、今日も治療の時間よ。キノさん……」
優しげな笑みを浮かべて、そう言った。

荒野に突然、ぽっかりと現れた白いドーム。小さな国ならまるごと入りそうな巨大なその建造物にキノが足を踏み入れたのは、それなりの理由があっての事だった。
相棒であるモトラドのエルメス、彼のエンジンの調子が優れず、なるべく早く修理が必要だったのだ。
ロビーらしき白い空間に通されたキノは、そこで彼女に出会った。
「どうやらお困りのご様子ね」
「はい。力を貸していただけるでしょうか?」
「ええ、もちろん任せてちょうだい。ここは病院だもの、患者を見捨てるような事はしないわ」
「病院、ですか?」
キノが怪訝な顔をする。こんな荒野の真ん中に、どうして病院などがあるのか?そもそも、ロビーには彼女以外に、患者も他のスタッフも見当たらないではないか?
「そう、病院。あなた達みたいな人や物を直してあげる場所よ」
「ボクは病気も怪我もしていません」
「いいえ。あなたはひどく病んでいるわ。あなたのモトラドだって、単にエンジンの故障だけじゃない。もっと大事なところが病気にかかってる」
何かがおかしい。キノは、イチかバチかでこのドームに入った事を悔やみ始めていた。もしも自分を逃がさないつもりなら仕方がない。
キノは女性に気付かれぬよう、こっそりと腰のホルスターに手を伸ばしたが
「……ふあっ!?…なっ?…うあああっ!!!」
突然体の奥から、言いようのない熱がこみ上げ、電気に痺れたようになった体が床の上に崩れ落ちた。
「な…どうして?…何を…したんです?」
「ごめんなさい、キノさん。既に治療は始まっていたの。もうあなたは装置の影響下にあるの」
「装置?」
「あなたの心と体を縛り付けているものを取り払い、正しい方向に矯正するための装置。言ったでしょ、ここは病院なのよ」
ほとんど身動きの取れなくなったキノに微笑んで、女性は懐から取り出した金属製の輪をキノの首に掛けた。たちまち輪は小さく縮まって、首にぴったりとフィットする。
そして同時に、首輪に取り付けられたランプが凄まじい勢いで点滅を始めた。
「ひああああっ!!!やああああああああああああああああっ!!!!」
異常な量の快感が、キノの意識を呑み潰した。床の上でのたうち、女性が見ている事にも構わず、キノは自分で自分を慰め始めた。
「心配しないで。早くあなたが良くなるように、私も医師として全力を尽くすわ」
女性が言ったその言葉も、キノにはもう聞こえていなかった。

それから幾日が経過したのか。キノは強靭な精神力で毎日休む事無く続けられる『治療』に耐え、自分を見失わぬように欲望と戦い続けた。
しかし、状況はキノにとって、あまりにも絶望的だった。『装置』なるものの影響下にあるこのドームの中では、キノは自分の能力の三分の一も出せなかった。
『装置』が患者に与える快感は、神経に干渉する事で生み出される。当然、正常な体の働きは阻害されるし、集中力も自然と落ちてしまうのだ。
パースエイダーやナイフは全て没収され、病室の中には武器になりそうなものは見当たらない。さらに、『首輪』の存在もあった。
「ふふ、キノさんもだいぶ治療されてきたみたいね。あんなに激しく首輪を作動させるなんて……」
真っ白な廊下をキノと女性が歩いていた。既に『首輪』のランプは消えているが、女性の前を歩くキノの顔は憔悴しきっていた。
女性曰く、『首輪』は快感の増幅装置だった。『首輪』は装着者が一定以上の興奮を覚えた際に作動するという。
『首輪』はキノの興奮を一つとして見逃す事無く作動し、かすかに芽生えた快感のきざしを増幅し、正常な思考さえままならない快楽の境地へとキノを導くのだ。
彼女は言う。初期の段階に比べて、キノの『首輪』の作動頻度は格段に上がってきている。『首輪』によってより快感を引き出されやすい体に変化しているのだと。
「まさに治療の賜物よ。元の快感が大きければ増幅率もぐんとアップするわ。これからもっと感じられるようになるわよ、キノさん……」
「……………」
キノは女性の言葉を無視して進む。廊下ははるか向こうへと真っ直ぐに伸び、まるで果てなど無いかのようだ。この異常な広さも、キノの脱出を阻む壁だった。
小さな国ほどの広さ。しかもこれほどの建物ならば、各フロアの床面積も尋常ではあるまい。その上、どこまで行っても同じ廊下が続くため、闇雲に走ればすぐに迷ってしまう。
この白い迷路で迷わずに歩けるのは、恐らくキノの隣にいる彼女だけなのだろう。
「さあ、着いたわ」
ピーッという電子音と共に、壁の一部が音も無くスライドする。女性に続いて部屋に入ったキノを待っていたのは、数人の男たちだった。
「やあ、待ちかねたよ」
「さっさと始めようじゃないか」
男たちの声は穏やかで、これから始まる淫猥な行為を微塵も感じさせない。しかし、キノにはわかっていた。男たちの目の奥に、小さく燃える炎があることを。
飽く事無くひたすらに快感を求める歪んだ欲望の迸り。見間違えるはずが無い。それは、モニターの中に映ったキノ自身の瞳に燃えていた炎なのだから。
恐らくは彼らも患者なのだ。女性によってまともな思考が出来なくなるまで『治療』されてしまった人間なのだ。
「さあ、キノさん……」
女性に背中を押され、男たちに腕を取られ、キノは欲望の渦の真ん中に押しやられる。うすら笑いを浮かべながら、男たちはキノの服をビリビリと破り取る。
「………っ!!…いやぁ……」
キノが漏らした小さな悲鳴に、男たちがニヤリと笑う。何度やられても、この瞬間の恐怖に、キノはどうしても慣れる事ができない。
だが、恐怖にすくんだ体を、一瞬遅れてぞわぞわと、快感の波が覆い被さった。
「……えっ!?…な、何?」
キノの『首輪』が再び赤いランプを点滅させていた。困惑した表情のキノの顔は、彼女の上にのしかかる男たちの体に隠れて、すぐに見えなくなった。
『治療』が始まった。

度重なる陵辱と、『装置』や『首輪』がもたらす凄まじい快感によって、キノは男たちに襲われる恐怖すら、快感のシグナルとなるように改造されてしまっていた。
前の穴も後ろの穴も、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられ、数え切れないほど中出しされる。その度にこみ上げる快感は『首輪』によってされに増幅され、キノを粉々にした。
さらなる快感の導入として、段々と陵辱される恐怖を求めるようになった自分に、キノは恐れおののいた。だが、その恐れすら新たな快感に変わる。
「ふあああああああっ!!!やっ!!…またイクぅ!!!イクのぉおおおおおおっ!!!」
弓なりに反らせた体の内側から、外側から、白濁の雨がキノをどろどろに汚していく。膣内で暴れまわり、肌を打ちつける粘液の感触がキノをさらなる絶頂に導く。
絶頂を『首輪』が増幅し、キノの意識はズタズタに引き裂かれる。何も考えることが出来なくなったキノの脳裏は、ただただ快感の白に埋め尽くされる。
病室や廊下と同じ、呪わしい純白。
「らめっ!!らめぇえええっ!!!…も…イクのとまんないのおおおおおおおっ!!!」
絶頂の連鎖の中で、キノは無我夢中で腰を振り、口と両手を使って男たちに奉仕する。余った男たちはキノの柔肌に自分のモノを擦りつけた。
体中が熱くてたまらなかった。先ほど体に受けた白濁だけではまだ足りない。もっと沢山かけられたい、注がれたい、体中を汚されたくて仕方がない。
『首輪』のシグナルはさらに速まり、キノの頭の中の全てが容赦なく、唯一つの白で塗りつぶされていく。
「ひあっ…はあああっ!!…ボクにもっとかけてぇ!!!出してぇええええっ!!!!」
瞬間、再び栓を抜かれた男たちの欲望が、キノの体に降り注いだ。生臭く、ぬるぬると汚らしい白濁液に塗れて、キノの心は間違いなく幸福に満たされていた。

そして、それをまた、真っ白な病室の中でくり返し見せ付けられるのだ。
モニターに大きく映し出された自分の姿は間違いなく、繰り広げられる行為に歓喜していた。
シーツを頭からかぶり、耳を塞いでも、自分のはしたない声を遠ざける事は出来なかった。
「…聞いちゃ駄目だ。聞いちゃ駄目なんだ」
かすかに届く自分の嬌声を聞きながら、キノは泣いていた。ボロボロと切り崩される自分が恐ろしかった。
それでも、その恐怖すらも快感へのスイッチに変えられた事を理解していたキノは、ギリギリの一線で踏みとどまり、感情を抑えるべく努力した。
しかし、その努力を嘲笑うかのように、切り替わったモニターの映像がキノを追い詰める。
『…やめてっ!!…痛っ…や…も…嫌ああああああっ!!!!!!』
それは、キノが最初にここで陵辱を受けた時の映像だった。悲痛な悲鳴がキノの耳を突き刺す。それがしばらく流れて、またもや映像が切り替わる。
『…駄目ぇ…イクぅ…イっちゃうぅうううううっ!!!!!』
今度は二度目の時の映像。一度目の映像より幾分か声が熱を帯び、表情が艶が入り始めている。キノが戸惑っているうちに、さらに次々と映像は切り替わった。
「…嘘だ……こんな……」
キノは気付いた。現在の映像に近付くにつれて、自分がより感じやすく、欲望に従順な体となっている事を、一連の映像の流れによって気付かされた。
映像がさらに現在に近付く。モニターの中のキノの乱れ方はさらに激しくなっていく。『治療』が進んでいるのだ。確実に、自分は改造されている。
その時、キノの胸に湧き上がったのは名状しがたい恐怖と、それ以上の興奮だった。
「ふあああっ!!…駄目…駄目なのにぃいいっ!!!!」
壊れていく自分の姿がたまらなく欲望を煽った。これからもっと壊れて、もっと乱れていくであろう自分の運命に、身震いするほど興奮した。
そして、それを首輪が見逃すはずはなかった。
「…や…また…首輪……ひあああああああああああっ!!!!!!!!!」
ズン、と体の奥底をめがけて、狂おしい快感の衝撃が襲いかかった。一瞬、キノの思考の全てが断ち切られる。
「…らめぇっ!!!…きもひいいっ!!!きもひよすぎるよおおおおおおっ!!!!」
気が付いた時には、両手をショーツの中に突っ込んで一心不乱にアソコをかき回していた。
今まで、どんなに耐えがたい欲望に襲われても、キノが自分の指を使う事はなかった。自らを律して、本物の快楽の奴隷となる事を回避してきたのだ。
しかし、その涙ぐましい抵抗も今この瞬間に水泡に帰した。ギリギリのところで衝動を堪えていたキノの、最後の防衛線が破られたのだ。
「…あっ!!ああんっ!!…くあっ…ひああああああんっ!!!!」
キノは何度も自分の指を止めようとした。しかし、指を動かす事で得られるであろう快感への期待に抗えず、キノの指はひとりでに動いてしまう。
ここを撫でれば、ここに突き入れれば、今よりももっと気持ちよくなれる。そういった予感に流されるまま、キノの支配を離れた指が新たな快感を紡ぎだす。
体はさらに狂おしく燃え上がり、巨大な快感の渦に翻弄されるキノは、自分の口元にだらしなく垂れたよだれにも、瞳からぼろぼろとこぼれる涙にも気づく事ができなかった。
「…うあ…ああああっ…こんなの嫌なのに…ボクのゆび…止まんないよぉ!!!」
この病院で受けた『治療』によって、自分の体がもう引き返す事の出来ない場所にまで追い詰められようとしている事が、キノにはわかった。
今までの自分が死んで、欲望にどこまでも従順な自分へと変わっていく。しかし、それに対する恐怖でさえ、今のキノにとってはさらなる快感の種子に過ぎない。
『首輪』のランプの激しい点滅に導かれるように、キノは狂ったように秘所を弄り続けた。
「…ひあぁ!!…はひぃ!…あっ!…ボク…も…イっちゃ…あああああああああっ!!!!!!」
雷に撃たれたように、キノの体が激しく痙攣した。激しい絶頂が体を貫き、許容量を遥かに超えた快感の前に、キノの体は力なく崩れ落ちた。
「…ごめ…エルメス…ボクはもう……」
薄れてゆく意識の中、キノは悟った。自分がエルメスの背中に跨って走る日は、もう二度と来ない事を………。

それから何時間が経過したのか。目を覚ましたキノが最初に感じたのは、硬く冷たい床の感触だった。ゆっくりとその場に起き上がり、キノは周囲を見渡す。
「……ここは確か……」
そこは、キノが最初に通された病院のロビーとおぼしき部屋だった。ガラスの扉の向こうには、見覚えのある荒野が広がっている。
しばし呆然としていたキノだが、自分の姿を見てさらに驚いた。
「……これ、ボクの…」
キノが今身に付けている服は、まぎれもないキノ自身のもの。ジャケットも、コートも変わらない。腰を探ると、カノンも森の人も吊り下げられていた。
まるで、今までの事全てが夢であったかのような錯覚を、キノは覚えた。
しかし、キノの首には相変わらず、銀色の『首輪』が装着されている。その上、体中に仕込んでいるはずの多数のナイフもない。
『治療』は続いているのだ。だが、キノに再びこんな格好をさせた意図は何なのだろうか?キノは額にじっとりと汗を滲ませながら、周囲の様子を窺う。
「あら、もう起きていたのね。お待たせしてごめんなさい」
その時、ロビーの一角から真っ直ぐ伸びる廊下を歩いて、白衣の女性が現れた。キノは女性をキッと睨みつける。
「うふふ、そう怖い顔をしないで。ようやくリハビリにまで漕ぎ着けたんだから」
「……リハビリ?」
「そう。今までは他の患者さんに協力してもらって『治療』を進めてきたけれど、今度はキノさん自身の力で、自分の体に正しい行動を叩き込むの………」
その瞬間、キノの体に、あのおぞましい衝動が襲い掛かった。
「つまり、キノさんがさっき自分の部屋でやってたみたいな……」
「………っ!!…っああ!!…やあああああああっ!!!!」
キノの体が床に突っ伏した。両膝を立て、両手の指を秘所へと伸ばし、床に倒れた上半身を右肩で支える。お尻だけを突き上げたような姿勢で、キノはアソコを弄る。
しかし、ズボンの布地の上から撫でるだけでは、今のキノにはあまりにもどかしすぎた。キノは直接アソコをかき回そうと、ズボンの中に指をねじ込もうとした。だが……
「や……この服…なんでなの…!?」
「ごめんなさい。これもリハビリの一環なの。あなたの服に少し細工をさせてもらったわ」
服は、本来切り離されているべきところが全て縫い合わされて、一体化されていた。キノがいくら脱ごうとしても、ボタンひとつ外れないように改造されてしまっていたのだ。
「服自体にも特殊なコーティングを施して、今のキノさんには破けないようにしてあるわ」
「……嫌っ!!…助けてっ!!!…あたま…ヘンになっちゃうううううっ!!!!」
「苦しくて仕方がないでしょう?でも、これを使ったらどうかしら?」
キノの乱れ様に満足した女性は、懐をごそごそと探って、鈍く輝く一本のナイフを取り出した。
「……あっ…それは……」
「あなたのナイフ、一本だけお返しするわ」
女性は、キノの目の前にナイフを転がした。震える指先で、キノがそれを掴む。
「裸になってオナニーしたいけど、服は脱げない。目の前には一本のナイフ。簡単な問題でしょう?」
キノは理解した。これは罠なのだ。キノ自身に、これまでの自分の象徴を手に掛けさせる。それによって、『治療』をより完璧なものにしようとしているのだ。
「さあ、リハビリ開始よ」
女性がそう言って、嬉しそうな微笑を浮かべた。しかし、女性の見え透いた意図は、キノを逆に奮い立たせた。このままで終わらせないという気迫が、キノの中に生まれたのだ。
「そう何もかも思い通りにはいきませんよっ!!!」
『治療』を受け続け、『装置』の影響に晒され続けたキノの体では、以前ほどの素早さは発揮できなかった。
だがそれでも、キノの握ったナイフは女性の頚動脈を、寸分違わぬ正確さで切り裂いた。
「…………っが!!!?」
女性の体が、どうと床に倒れ伏す。驚愕に目を見開いたまま、血の海に沈んだ女性の体はしばらく痙攣を続けたあと、ピクリとも動かなくなった。
「…………やった」
女性の横でナイフを固く握り締めたまま、キノが呟いた。本当に危ないところだった。完全に堕ちる一歩手前で、キノはこの女性の張り巡らせた糸を断ち切ることが出来たのだ。
キノの後ろで、ドームの入り口のガラス戸が音もなく開いた。ようやくこの地獄から抜け出せるのだ。だが、自由への一歩を踏み出そうとして、キノはふと立ち止まった。
まだ逃げ出すわけにはいかない。エルメスを、大切な相棒を取り戻さなければならないのだ。彼がいなければそもそも、あの荒野を渡り切る事など出来ない。
ひとまずドームの内部に向かおうと、キノが振り返ったその時だった。
「……………っ!!!!!!」
キノの心と体を幾度も蕩かした、あの凄まじい熱の奔流が再び押し寄せてきたのだ。あまりに突然なその襲撃に、キノは再び床に倒れこむ。
事態を理解できないまま、キノは床の上にのたうち、身悶えた。湧き上がる欲望は、先ほどとは比べ物にならないほど大きい。
「…なんで!?…どうして……ボクはまた!!?」
それは全て、キノが女性を殺したためだった。明確な意思をもって最後の抵抗を試みたキノだったが、その相手である女性が死んだ事で緊張の糸が切れてしまった。
もはや、抗うべき対象を持たないキノには、襲い掛かる快感の中で耐え抜くための心の支えとなるものを無くしてしまったのだ。
「…あっ!!ああっ!!…はぁんっ!!…やああああっ!!!!」
服の布地に阻まれて触ることの出来ない素肌が、さきほどより一層もどかしい。キノは狂ったように、服の上から自分の体を愛撫した。
それでも一向に去らない疼きに、キノはふと、女性が自分にさせようとした事を思い出す。手元に転がったナイフが、照明を反射してギラリと光る。
「駄目だ。そんなことしたら…結局振り出しに戻ってしまうじゃないか……」
ナイフを見据えたまま、キノは激しく葛藤する。少しでも気を抜けば、すぐさま欲望の僕へと変わりそうな自分を、必死で押し止める。
「…………そうだ。絶対駄目だ。ここまで来たんだ。負けるわけにはいかないんだ。………………でも、だけど……」
しかし、これまでの『治療』によって衰弱し切っていたキノに、それはあまりにも酷な仕打ちだった。熱に浮かされたような瞳で、キノはナイフを握り締める。
「……だけど、こんな血塗れの服で脱出したら、次の国でどんな目に遭わされるかわからない。……脱がなくちゃ、このコートだけでも……」
自分自身、嘘とわかりきっている言い訳を呟きながら、キノはビリビリとコートを切り裂いていった。コートがただの布切れに変わると、今度はジャケットが気になった。
「……これも、血の臭いがする。念には念を入れないと……」
キノは一つ間違えば自分の肌すら切りつけてしまいそうな勢いで、ジャケットの胸に縦の切れ目を入れてから、そこから一気に左右に破り裂いた。
その下のシャツには、ほとんど血糊は飛んでいなかったが、キノはもうそんな事を気にしなかった。
シャツを、下着を、次々と切り裂いていくその感触。それだけでもキノにとっては、言い表し難い快感となった。淫欲に堕ちていく自分が、身震いするほど心地良かった。
やがて、キノは足に履いたブーツを除き、何一つ身に付けていない状態になった。歓喜の表情を浮かべながら、キノは念願を果たすべく、自分のアソコに指を差し入れる。
「ふああああっ!!!すご……っ!!!きもひいいのっ!!!ボク…とってもぉ!!!」
まるで百年ぶりに触れたかのような心地だった。めくるめく快感に我を忘れ、キノは夢中になって自分のアソコを蹂躙した。
じゅくじゅくと湿ったアソコから、自分の太ももに雫が滴り落ちる。ピンと張り詰めた乳首に触れると、頭が真っ白になるほど気持ちよかった。
「ああっ!!…やあんっ!!!…や…ひああああっ!!!!」
だが、キノの小さな指先では、体の奥に燃え盛る炎を鎮める事が出来ない。もっと深く、もっと激しく、そうしなければこの圧倒的な欲望に押しつぶされ、おかしくなってしまう。
キノは、自分の体を満足させる事が出来る方法を探した。自分で自分を犯す為の、とっておきの道具が、ここにある様な気がしたのだ。
「……そ…だ……これ……これなら……」
ウットリとした表情でキノが手に取ったのは、キノが片時も手放さず愛用し続けた、キノにとってはほとんど自分の腕同然の存在。
「……カノン…ゴツゴツしてるから、ちょっと痛いかな?」
ぴったりと手に馴染むそれをぎゅっと握り締め、先端を大事な部分にあてがった。重たい金属の塊が、ぬめぬめとした雫で濡れて、淫靡な輝きを放つ。
キノは呼吸を荒くしながら、ズブズブとカノンの銃身を膣内へと挿入した。
「……ああっ!!!すごいっ!!!カノン、きもちいいよぉ!!!!」
ぐちゅぐちゅと派手な音を立てながら、鈍く輝く砲身がキノの内側を滅茶苦茶に嬲った。体の奥を貫く快感に、キノの理性は完全に崩壊した。
尖った部分が膣内に多少の傷をつけたが、キノには全く気にならなかった。そもそも、キノはそんな傷など比較にならない危険に自分が晒されている事を知っていた。
カノンはちゃんと装弾されている。手に取った時、すぐにわかった。もちろん、この状態で暴発すれば命がないであろう事も承知の上だった。
それでもキノは止まらない。止まる事が出来ない。この快感さえあれば、他に何が必要だというのか。
「…ひああっ!!…あふぅ!!…ひ…あはあんっ!!!…や…あああああああっ!!!」
一心不乱に突き上げて、ただ目の前にある快感を貪る事だけに集中した。頭の中にはもはや、病院の外の事も、エルメスの事も、何も無くなってしまっていた。
激しくランプを点滅させる首輪はさらなる快楽を呼び込み、その渦のさなかで、キノの意識は一気に高みへと押し上げられる。
「イクっ!!!!…ボク…イっちゃうのおおおおおっ!!!!ああっ!!!あああああああああああああっ!!!!!!!」
自らがもたらした地獄の快楽によって、キノの心は粉々に砕け散った。荒く息を切らせて、絶頂の余韻に浸る彼女の瞳は、虚ろな光を宿すのみだった。
キノの呼吸音以外、何一つ物音のないロビー。しかし、そこに遠くからカツコツと、誰かの靴音が近付いていた。一人の足音ではない、三人、四人、五人。
「どうやら、リハビリは順調なようですね」
聞き覚えのある声に顔を上げたキノは、そこに立つ人物を見て驚愕の表情を浮かべた。そこにいたのは、確かに自分が殺したはずの人物。
「どうしたんです?お化けでも見たような顔をして」
「……だって、あなたはボクが……」
キノは床の上に転がる女性の死体を確かめた。間違いなく彼女だ。偽者なんかではない。だが、その疑問は次の瞬間に氷解した。
「うふふ」
「そんなに驚いて」
「キノさんたら、本当に可愛いのね」
そこにいたのは、同じ顔の女性たち。四人の女性がキノを取り囲んでいた。完全に絶句したキノを見ながら、女性たちはくすくすと笑った。
「わかったでしょう。つまりはこういう事なの。ほんと、驚かせてごめんなさいね」
廊下の奥から姿を現した五人目が、キノの目の前に立ちはだかる。ぐったりとして力の入らないキノのあごをくいとつかんで、女性はこう言った。
「さあ、キノさん。最後の治療を始めるわよ」

五人の女性によって、キノはロビーから再び病院の奥へと運ばれた。キノ達はエレベーターに乗り込み、凄まじい速度で下へと下った。
いったい何百メートル下ったのか。キノが辿り着いたのは、半径100メートルほどのドーム状の空間だった。
「………こんなところで、ボクに何をするつもりですか?」
「そんなに噛みつかないで。私はただ、キノさんとの約束を果たそうとしてるだけよ」
「約束?」
怪訝な顔をするキノの前で、女性の一人が壁に触れる。すると、女性に触れられた部分が四角く沈み込んで、地下ドーム全体が低く振動し始める。
どうやら何かのスイッチだったらしい。丸い床の中央から、何か円筒状のものがせり上がってくる。
「ほら、約束したでしょ?キノさんのお友達のモトラド、エルメス君を治してあげるって、私最初に言ったじゃない」
女性の言葉に、キノは背中に冷や水を浴びせられたような気分になった。
「……エルメスに、何かしたんですか?」
キノが喉から搾り出すような苦しげな声で、女性たちに尋ねた。女性は相変わらずのやさしげな笑みを浮かべて
「勿論、『治療』をしてあげたのよ」
最悪の答えをキノに言い放ち、ドームの中央にせり上がる円柱を指差した。
円柱の高さは10メートル、直径は3メートルほど、外側はガラスに覆われ、内部にはぎっしりと機械が詰まっている。
訳のわからないままそれを凝視していたキノは、円柱に詰め込まれた雑多な部品の中に、見覚えのあるものを見つけた。
「………エルメスの、メーター……」
それだけではなかった。目を凝らせば、いたる所にエルメスのパーツが組み込まれている。
エンジンが、タンクが、マフラーが、ブレーキが、他の得体の知れない部品と組み合わさって、まるで生物の内臓のような異形を作り上げていた。
バラバラに分解され、正体不明の機械の一部とされてしまったエルメス。あまりの悲惨な光景に、キノは思わず目を逸らした。しかし
「やあ、キノひさしぶりぃ」
懐かしい声に、思わず顔を上げた。声は間違いなく、その円柱から聞こえていた。
「…エ、エルメス……なの?」
「ひどいなあ、キノ。自分の愛車の事も忘れちゃったの?」
「だって、そんなにバラバラになって………」
「バラバラ?違うよ、僕はようやく戻る事が出来たんだ。僕自身の、本来の姿にね」
キノは完全に絶句した。自分の相棒を襲った事態が理解できず、ただただ信じられないというような表情で、円柱に変えられたエルメスを見つめた。
呆然とするキノに、女性たちは優しげな声でこれまでの経緯を説明する。
「ほんと、手のかかる患者さんだったわ。あなたと同じよ」
「最初はあんまり素直にならないから、少し手荒な事もしちゃった」
円筒の中のエルメスのパーツは良く見ると、ドリルで無造作に開けたらしい穴や、大きくえぐれたような傷跡がいくつも残っていた。
「ようやく素直になってから、あなたの『治療』の様子なんかも見せながら、じっくりと治してあげたわ」
「それでも、泣いて叫んで、本当に大変だったんだけどね」
女性たちの『治療』によって、エルメスの精神は一旦崩壊させられた。そして、そのボディを分解され、再度この形に組みなおされたのだ。
「ねえ、キノ……」
エルメスがキノに語りかける。
「僕はやっと気付いたんだ。僕の本当の気持ち、僕のやりたかった事。それを解放してもらったら、ホントに楽になれたんだ」
「エルメス…やめてよ…エルメスっ!!」
「ねえ、キノも同じでしょ?『治療』を受けたのなら、キノにだってわかるよね?心の奥底でグルグル回ってる何か、それを解放しなきゃ、本当の幸せは来ないんだ」
地下ドームの球形の壁面がゆっくりとスライドして、いたる所に暗い穴が開く。その奥から、無骨な金属のフレームがいくつも連なった機械の腕が姿を現す。
「…エルメス、嫌だよっ!!ボクは嫌なんだっ!!!」
「あはは、キノってばほんとに意地っ張りだね。僕が知らないとでも思ってるの?さっきだって、カノンを使って夢中でオナニーするキノの事、ずっと見てたんだから」
誰にも見られていないと思って始めた行為が、実は自分の相棒に筒抜けだった。あまりの恥ずかしさに顔を手で覆ったキノを、エルメスの機械の腕がやさしく抱き上げる。
「キノって本当にエッチな声出すよね。実は前から知ってたんだ。キノがとんでもなくエッチな娘だって。
いつも夜中になるとオナニーを始められて、横で聞いてる僕の身にもなってほしかったなぁ」
「……うそ…そんな…うそだよぉ……」
エルメスのものとは思えないその言葉に、キノの体が震える。そして、その動揺を見逃さず、キノの首輪が再び点滅を始めた。
「ここへ来てからも、知らない人たちに体をいいようにされて、ヒィヒィよがって、数え切れないぐらいイキまくって……。
最初はキノが酷い事されてると思って見てられなかったけど、ようやく気付いたんだ。犯されて、汚されて、キノはとっても喜んでるって……」
「……エルメス……もうやめて……」
エルメスが言葉を重ねるごとに、首輪のランプは点滅を激しくしていく。相棒の声でなじられる羞恥が、快感のレベルまで増幅されていく。
「キノ、認めなよ。キノはいつでもどこでもセックスのことばかり考えている、どうしようもない淫乱なんだって………」
「…うあ……エルメスっ!!エルメスうううううううううううっ!!!!」
エルメスの最後の言葉と同時に、地下ドーム中に響くような大声で、キノが叫びを上げた。ビクビクと体中が震え、一瞬の後、脱力したキノの股間からぽたぽたと雫がこぼれた。
「うわあ、キノったら僕の言葉だけでイっちゃたんだ。すごいなあ」
「ええ、キノさんはこの通り、『治療』の過程をほぼ完了してるわ。最後の仕上げは相棒のあなたがしてあげて」
「うん、わかった。僕、がんばるよ」
壁から伸びたアームが、キノの四肢を固定する。腕を横に広げ、脚をM字開脚の姿勢にさせられたキノの股間に、エルメス本体から伸びたアームが近付く。
「あ、よく見たら今のキノ、裸にブーツだけ履いてるんだ。マニアックだねえ」
「……やめて、エルメス…許して…ボク、エルメスだけには……」
「ううん、燃えてきた。キノ、たっぷり気持ちよくしてあげるからね」
エルメスは、キノの哀願の言葉を無視して、アームの持つ三本の指の基部にあたる部分から、本物よりもかなり大きめに作られた男性のモノの模造品を出現させる。
三つの指がキノの股と、お尻を掴み、機械製の肉棒がキノのぐちゃぐちゃに乱れたアソコにあてがわれる。
「キノ、好きだよ。こうして一つになれて、僕はほんとにうれしいよ」
「……エルメス…だめ…おねがいだから……」
「さあ、いくよ」
人間のモノをはるかに上回る剛直が、キノの体を一気に貫いた。子宮を突き上げてくる凄まじい衝撃に、キノはあられもない叫び声を上げた。
「うああああっ!!!あああっ!!!いやあああああああああああああっ!!!!!」
最初の衝撃だけで意識を全て持っていかれそうになったキノの体を、エルメスは容赦なく、さらに何度も繰り返して突き上げた。
ズン、ズン、衝撃が体を貫くたび、全身を駆け抜ける異常な快感のために、キノの体は激しく痙攣し、全ての思考能力を奪われたキノは、訳もわからず嬌声を上げる。
キノの可愛らしいアソコをめいっぱいに押し広げたエルメスのモノは、とめどなく溢れる愛液に濡れてさえ強烈な摩擦を起こし、キノが味わった事のない快感を生み出す。
「…だめっ…エルメスぅ…こんな、おおきすぎるよぉっ!!!!」
「キノったらよっぽど僕のが気に入ったみたいだね。でも、これぐらいで満足してもらっちゃあ困るよ」
「……えっ!?…な、なに?…や…ああああっ!!!!!」
エルメスの本体付近から、さらに数十本の触手が出現した。ラバー製の表皮を持ち、しなやかに動き回る触手たちはみな一様に、べとべとした粘液に塗れていた。
触手はキノの体にするすると巻きつき、キノの柔らかな肌を余すところなく粘液で汚していく。そして、粘液に含まれた成分がゆっくりとキノの中に浸透し始める。
「……あっ!!…あはぁ!!!…やめ…からだ…へんになるぅ……っ!!!!」
「すごいでしょ。キノの体を分析して、キノの為だけに調合された媚薬だよ。これだけ塗りたくったら、キノだってきっと素直になれるよ」
キノのまわりでのたうつ触手の中の二本の先端が、ぱっくりと花びらのように開いた。内部には繊毛のような細かい触手が、媚薬粘液に濡れて蠢いている。
二つの淫猥な花はゆっくりとキノの乳首に近付き、しゃぶりつくようにキノの可愛らしい二つの突起に吸い付いた。
「ひはあぁっ!!…くぅっ!!…ひゃううううっ!!!…むねがぁ…ボクの…むねがああああっ!!!!!」
何十本もの細い触手が、キノの乳首とその周辺の肌を嬲りまくった。しかも、その一本一本に粘性の媚薬が絡みついているのだ。
きゅっと締め付けられた乳首の上を、何本もの触手が代わる代わるに撫でて、媚薬を塗りつける。正気を失いそうな疼きに、キノは髪を振り乱して泣き叫んだ。
「うんうん、いい反応だね。じゃあ今度は、こんな風にしたらどうなるかな?」
キノのお尻の前に六本の触手が集まった。その内の四本はキノの小さなお尻に左右に分かれて取り付いて、可愛くすぼまった後ろの穴を暴き出す。
そして、残りの二本はロープのように絡み合い、太く逞しい一本の怒張を形成する。それは切なげにひくつくキノのアナルにそっと近付いて
「あひっ!!くううううっ!!!ああああっ!!!おしりぃいいいいいいっ!!!!」
容赦なくそこを刺し貫いた。これまでの『治療』で散々使われてきたキノのお尻は合体触手をいとも簡単に受け入れ、媚薬を吸収して新たな性感を覚醒させる。
後ろ穴を攪拌される狂おしい感覚に加えて、媚薬が生み出した異常な快感がキノのお尻の中を嵐のように渦巻いた。
「くはあっ!!!あひいいいっ!!!ああっ!!!エルメスやめてえええええっ!!!」
「乳首にお尻、腕も脚も背中も、キノの体中全部粘液で汚されちゃったね。こうなったら、最後はここにも注いであげなくちゃ嘘だよね」
「ああっ!!らめっ!!!エルメス…やめてぇ…ボク…も…らめなのおっ!!!!!」
まるでキノの哀願を引き出すかのように、エルメスは自分の次の行動を囁いた。
それからたっぷり数十秒の間を置き、十分に焦らして、怯えさせてから、キノのアソコを突き上げ続けるモノの先端から、薄く濁った特濃の媚薬を発射した。
「うあああっ!!!!イクぅううううっ!!!!エルメスっ!!!!エルメスぅううううううっ!!!!!!!」
思い切り突き上げられ、熱い粘液に膣内を満たされて、キノは絶頂に昇りつめた。しかし、膣内に即座に吸収された媚薬は、キノに休む事を許さない。
一気に敏感にされたキノのアソコは絶頂の余韻を増幅し、さらなる絶頂の連鎖へとキノを押しやる。
エルメスは、ただでさえ感じまくっているキノを前にしても突き上げを休まず、キノの大事な部分を徹底的にかき混ぜまくった。
「ああっ!!!キノっ!!!可愛いよっ!!すごく可愛いっ!!!最高だよっ!!!」
「や…はああああっ!!!こわれるぅっ!!!…ボク…こわれちゃうよおおおおおっ!!!!」
相棒の手によって、ただただ肉欲に溺れるばかりの肉人形に堕ちていくキノ。その様子を満足げに眺めていた女性たちが呟く。
「大詰めね。リミッター外しちゃうけど、いいかしら?」
「ええ、そろそろ頃合だわ。やってちょうだい」
女性の一人が懐から小さな箱を取り出す。真っ白な箱を開くと、無数の白いボタンが並ぶ中に一つだけ、赤いボタンがあった。
「うふふ、キノさん、これで楽におなりなさい」
女性は嬉しそうに微笑んでから、赤いボタンを人差し指で押し込んだ。すると、キノの『首輪』のランプの、左右の金属が突然スライドした。
エルメスに言葉だけでイかされて以来点滅しっぱなしだったランプの横に、さらに二つのランプが出現する。
三つのランプは連動して点滅を始める。一つだった時よりも速く、激しく。そして、『首輪』全体が甲高い機械音を発生させ始めた。リミッターが外れたのだ。
「ああああっ!!!!熱いぃいいっ!!!ボクの…からだ…熱くて…へんにいいいいいいいいっ!!!!!」
その瞬間、今までとは比較にならない熱量がキノの身体を包み込んだ。
本来、『首輪』はキノの興奮状態を監視しながら、快感の増幅をある程度コントロールしていた。しかし、リミッター解除によって、それらの機能は完全に停止した。
もはや『首輪』は、キノを快感に屈服させるための道具ですらなくなっていた。圧倒的な快感でキノを内部から破壊するそれは、キノにとってもはや凶器も同然の代物だった。
「うああっ!!!イクっ!!イクっ!!イクぅうううっ!!!…らめ…イクの…とまらないよおおおおおおっ!!!!!!」
膣内やアナルへの突き上げの一回一回が、体中の感じやすい場所への一撫でずつが、キノの中で絶頂へと変化し、キノの精神を最後の一片まで破壊していく。
絶頂が絶頂を呼び、新たに湧き上がった巨大な絶頂感は、より大きな絶頂の波に飲まれて消えていく。
痺れ切った頭の芯まで、気持ちいいことだけが埋め尽くして、キノの思考はそれ以外の方向に向かおうとする能力を失っていった。
「あはぁ…えるめすぅ……すきぃ…ボク、えるめすのことらいすきなのぉ…ねえ、だからぁ……」
「うん、わかってるよ。僕がこれから、キノの事を、ずうっと気持ちよくしてあげるからね」
エルメスの言葉に、キノの表情は歓喜で満ち溢れた。無数の触手に身体を支えられながら、アームから生えたエルメスのモノを両手でしごき、体中に媚薬粘液を浴びた。
そこには、無法の荒野を越えて度を続けてきた凛々しい少女の面影はない。ただ己の求めるままに快感を貪り、腰を振り続けるだけの哀れな雌の姿がそこにあった。
全てを奪い去られたキノとエルメスは、欲望に抗う事すら忘れ、さらなる快楽の高みを目指して乱れ、狂い、壊れていく。
「うあ…あはああんっ!!!…ああっ…イクっ!!またイクぅ!!!…あ…ボク…またイっひゃうよおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」
キノの強制がドームの中に響き渡る。
こうして、キノは完全に『治療』されてしまった。

それから10年の歳月が過ぎようとしていた。あの白いドームの地下の、巨大な空間で、キノはいまだに犯され続けていた。
驚く事に、その容姿はほとんど変化をしていない。体格も、髪の長さも、10年前のあの日と同じである。
全ては女性たちがキノに投与した薬の作用だった。この薬のためにキノの身体は時を止め、もはや成長も老化もする事のない存在となっていた。
ただ一つ違う点があるとすれば、ぽっこりと膨らんだそのお腹である。そこに宿るのは紛れもない、キノ自身の子供だった。
「あっ…動いてるぅ…お腹の中から蹴ってるよ、エルメスぅ」
「うん、元気な赤ちゃんだといいね、キノ」
「大丈夫だよ。ボクとエルメスの子供なんだもん。きっと元気な子だよ」
さらなる改造を受けたエルメスはついに、キノの細胞を元にして、精子を合成する事が可能になったのだ。
もっと妊娠しよう。もっと子供を作ろう。快感のせいでほとんど働かない頭の片隅、キノは夢を見ていた。沢山の子供たちに囲まれ、どろどろのぐちゃぐちゃに犯される夢を。
X染色体しか持たない女性の体だけで、男の子が産まれるはずはないが、構う事はない。あの白衣の女性たちに頼めばどうとでもなるはずだ。
フタナリに改造してもらって、自分が娘を犯すのもいいだろう。
「ああ、赤ちゃん……ボクの…ボクの赤ちゃん……」
胎児の脈動が伝わるお腹を撫でながら、永遠に続く快楽の地獄に思いを馳せ、キノはうっとりと呟いたのだった。

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