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水着でゴー!(シズキノ?・小ネタ)

とある夏のビーチでのシズ様とキノさんのお話。
何やら新しい水着を手に入れた様子のキノさんですが……。
キノ→シズ気味な小ネタです。





とあるビーチの片隅、物陰からなにやらガサゴソと音がして、誰かの話す声が聞こえてきます。
「キノ~、やっぱり無理があるんじゃないの?」
片方が心配そうに言うと
「大丈夫、大丈夫」
もう片方が自身満々といった様子で答えます。
「これならシズさんだって……」

シズと陸は砂浜に寝転がって日光浴をしていました。
周りに人影はありません。ティーの危険な魚獲りに恐れをなして、みんな逃げ出してしまったのです。
というわけで、ほかの海水浴客には申し訳ないけど、今のビーチは彼らの貸しきり状態です。
「シズさーん」
遠くからシズを呼ぶ声がします。シズは起き上がって、声の聞こえた方を見ました。
大きなタオルを体に巻きつけたキノが走ってきます。
キノはシズの目の前で立ち止まり、
「どうです!!」
と言って、タオルを投げ捨てました。
タオルの下から現れたのは、ビキニの水着でした。キノがかねてから用意していたとっておきのものです。
呆然としていたシズでしたが、一瞬の間を置いて鼻血がドバー!!!
「……最高…です」
そうつぶやいて、砂浜に突っ伏しました。白い砂がシズの鼻血で赤く染まります。
それを見たキノさんは
「やたっ!!」
と喜んで、スキップで海の方にかけて行きました。
取り残されたシズに、丸まっていた陸が起き上がり、心配そうに声をかけます。
「大丈夫ですか?シズ様……」
「…ああ」
起き上がったシズは、自分の鼻の穴にティッシュを詰めながら、遠くで泳ぐキノの姿をぼーっと見つめています。
そんなシズ様に、陸がおずおずと尋ねます。
「ところで、シズ様はさきほどのキノ様の水着姿に、どこにあんなに反応したのですか?」
その問いに、シズは笑顔で即答しました。
「だって、さっきのキノさん、自分のスタイルでは無理のあるあんな水着なんて着て………可愛らしすぎるじゃないか!!!ほんと、あの背伸びしてる感じがなんとも……」
「それ、キノ様に言っちゃ駄目ですよ……」
ため息混じりの陸の言葉も、また遠目にキノを見ながらくーっと唸るシズには届いていないようでした。
あきらめた陸は、沖合いで上機嫌に泳ぐキノに同情のまなざしを送ってから、再びその場に丸まりました。
今後、二人のあいだに何かあっても、知らんぷりを決め込むことをひそかに心に決めていました。

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