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水着だらけの国(シズ×キノ・ネタ指数高め)

タイトルからも分かる通りネタの度合いが高いお話ですが、
シズ×キノ成分も含有しています。
どれだけ水着だらけなのかは、実際お読みになって確かめてみてください。





「どうしても、ですか?」
「はい、どうしてもです」
あくまで事務的な調子で答える入国管理官の言葉に、シズの表情が引き攣る。
実際にこの国に来てみるまでは、こんな厄介な事になるとは考えていなかった。治安も良好、気候も温暖で豊かな国であると聞いていた。
確かに、多少変わったところのある国だとも聞いてはいた。だからって、これはないと思うのだ。
シズの目の前にいる入国管理官の男性、その格好が問題なのである。水着姿なのだ。水着の男が平然と事務机についているのだ。
「海パンにスク水、ですか?」
「はい」
「もちろん、水着の、ですよね?」
「それ以外に何があるんです」
頭痛がするとでも言うように、頭を抱えてシズが俯いた。
この国の国民は全て海パン、スク水を着用して生活しなければならない。この義務は、たとえ一時しか国にとどまらない旅行者であっても逃れる事はできない。
入国するには今着ている服を脱ぎ、この国の住人に相応しい姿となる事が最低条件なのだ。
「シズ様、諦めましょう……」
シズの足元に控えていた陸が、心底気の毒そうに言うと、
「……そうだな、仕方がない。仕方がないんだ……」
自らの迷いを断ち切るように語調を強め、シズが顔を上げる。後で待っていたティーの方を振り返り、
「ティー、そういう事になったんだけど、大丈夫かい?」
ティーがコクリと肯くのを確認して、前に向き直って、
「わかりました、私たちは入国を希望します。この国から課せられる義務を果たします」
待ちくたびれていた入国管理官から、スクール水着と海水パンツをそれぞれ一着ずつ、静は受け取ったのだった。

ともかくは宿を探さなければならない。水着姿の人間二人といつも通り素っ裸の犬一匹を乗せて、バギーは国の中心を目指した。
「伝統衣装だというのは、本当らしいな……」
ちっちゃな子供も立派な大人もよぼよぼの老人も、果ては生まれたばかりの赤ん坊に至るまで、老いも若きもみな水着姿。
海パン姿の八百屋の親父が奥さんお安くしとくよと、スク水の人妻を呼び止めている。スク水老婆の手を引いて、親切な海パン姿の若者が道路を渡る。
ここでは、その全てが当然のごとく日常の出来事なのだ。
「なんというか、落ち着かないな………」
「お察しします」
なんて、戸惑い顔のシズの横で、ティーの方は初めて身につけたスクール水着をそれなりに気に入っているようだった。
ただ、戯れにスク水の肩の紐などを弄ぶので、これはこれでシズにとっては落ち着かない。
若い女の子などが通りかかると居たたまれなくて視線を逸らすのだが、逸らした視線の先にまたスク水がいるのでどうにもならない。
仕方ないので意識を道路に集中させ、他のものは見ないふりをする事をシズは心に決める。
そうやって前だけ見ていたとき、シズは遠く前方に見覚えのある後姿を見つけた。
「あれは……キノさん?」
短くて黒い髪、耳にたれのついた帽子、茶色いコート、脇に停めてあるモトラドはキノの相棒であるエルメスに間違いないように思えた。
シズは一瞬、大声で呼びかけてみようかと考えてから
「でも、顔が見えないな……。もし人違いだったら……」
「ともかく近くに行ってみましょう、シズ様」
ゆるゆると、バギーをキノらしき後姿に近づけていく。と、その時、もう目の前まで来たその後姿が、気配に気付いたのか不意に振り返った。
「あ………っ!」
「ああ、やっぱり……」
以前と変わらぬキノの精悍な顔が見えた。だが、妙な違和感を感じる。その原因を測りかねていると、キノの顔がみるみる赤くなって……
「シ、シズさんっ!?」
そこでようやくシズは違和感の源に気付いた。コートにブーツに帽子にガンベルト、キノの姿は以前見たときと変わっていない、ただ一点を除いて……。
キノがコートの下に着ているのはスク水だった。当然である。この国に入国したなら、キノだってスク水を着ていなければおかしいのだ。
なんて事を一瞬の内に考えていたシズの視線は、当然の如くキノのスレンダーな体を覆う紺色の布地に向けられていた。
キノは、その視線を浴びているだけで体が焼けてしまうとでも言うかのように、コートの前を合わせてスク水を隠し、
「……うあ……あ……うわあああああんっ!!!!」
エルメスに跨って脱兎の如くに逃げ出した。
引き止める暇などなかった。それなり以上の交通量がある国の中心に向かう道路を、交通事故スレスレの猛スピードでモトラドが走り抜けていった。
「………悪い事をしてしまったかな」
取り残されたシズ達は、キノが消えていった道路の先を呆然と見つめる事しか出来なかった。

「残念でしたね。久しぶりの再会だったのに……」
「仕方ないさ。キノさんも女の子だ。私だってこんなに恥ずかしいんだから、無理もない」
そこそこ居心地が良さそうで、手ごろな値段のホテルを見つける事が出来たシズ達は、自分達の部屋に入って休んでいた。
とにかく外にいるだけで緊張して、じりじりと疲弊してしまう。どうやら、この国に定住するのは止めておいた方が良さそうだった。
「まあ、少なくとも同じ国にはいるんだ。キノさんとだって、また会えるかもしれない」
と自分で言ってみても虚しいばかりだ。多分、もう一度キノと会うことが出来ても、さっきの調子でまた逃げられてしまうに違いない。
ため息を一つついて、シズは立ち上がる。
「とりあえず、買出しに行ってくるよ」
ホテルに逃げ込む事ばかりを考えて、その辺りの事をすっかり忘れていた。この国に定住するでもないのに、そう怠けてばかりもいられない。
鞄を肩に担いで、シズは部屋を後にする。
薄暗い廊下をエレベーターに向かって歩く。誰が見ているわけでもないのに、何故だか足早になってしまう。
ボタンを押してすぐにエレベーターの扉は開いた。そのタイミングの良さに暗くなっていた気分を少し明るくして、シズは一階のボタンを押した。
しかし、動き出してすぐにエレベーターは停止してしまった。一階下にも同じようにエレベーターを待っている客がいるようだ。
ぼんやりと見つめるシズの前で、扉がゆっくりと開いて……
「………っ!!?」
扉の向こうの誰かさんが息を呑んで、シズは一瞬遅れでその正体に気がつく。
「キノさんっ!!!」
その一声でキノは弾かれたように動き出した。まだ開きかけの扉からエレベーターの中に強引に手を突っ込み、ガチャガチャと『閉』のボタンを押す。
「ちょ、待ってくれ!!キノさんっ!!!」
『開』のボタンを押せば良いのに、動転したシズは閉じようとする扉の間に両腕をつっこんで、強引に押し開く。
すると、キノはキノで、逃げたいならさっさと逃げればいいのに、ムキになってガチャガチャと『閉』のボタンを押しまくった。
「キノさん!!落ち着くんだっ!!!キノさんっ!!!」
「うるさいですっ!!!変態っ!!!ストーカー侍っ!!!尾行してたんですねっ!!!!」
「な、何を言って……っ!!!」
「じゃあ、どうしてこんな所にいるんですかっ!!!どうして同じホテルなんですかっ!!!」
「偶然っ!!偶然に決まってるだろうっ!!!ストーカーってなんですかっ!!!」
「現行犯じゃないですかっ!!!ネタは挙がってんです!!!観念してボクの前から消えてくださいっ!!!」
延々と続いた醜い争いは、最終的にシズに軍配が上がった。力任せに廊下に転がり出たシズを残して、エレベーターは一階へと下っていった。
シズにとって運が悪かったのは、廊下に飛び出る勢いが強すぎた事である。ギリギリまで『閉』のボタンを押して頑張っていたキノを下敷きにしてしまったのだ。
廊下のど真ん中でキノを押し倒してしまった。シズが慌てて体を起こすと、真下から一直線にキノの視線が突き刺さった。
「………………やっぱり変態じゃないですか」
真っ赤な顔に恨み骨髄といった感じの表情を浮かべて、キノはシズの顔を睨んでいた。気圧されたシズがキノの上から体をどけて、キノがゆっくりと立ち上がる。
そこでシズはようやく、落ち着いてキノの服装を眺めた。相変わらず、コートの下のスク水以外は頑なにいつものスタイルを守ろうとしている。
「そんなに水着が良いんですか。それなら外で好きなだけ眺めればいいじゃないですか」
シズの視線に気付いたキノがコートの前を合わせてそっぽを向く。この状況に対する、それがキノなりの防衛策なのだろう。
しかし、シズが見る限りそれは逆効果だった。
「キノさん、その、一つだけ…………」
「………なんですか?」
「いや、服の事……………」
睨みつけるキノの視線に晒されて口ごもりながらも、シズは勇気を出して口を開いた。
「………何ていうか、その、………コートとか、着ない方が良いと思うんだが……」
キノにとっては最終防衛線のつもりなのだろうが、コートはむしろ今のスク水を着たキノに怪しげな雰囲気を付加してしまっていた。
スク水姿の娘などそこらにゴロゴロしているのだ。それをコートなど着てしまうと、逆にやましい事を意識させられてしまう。
裾から覗く生脚、必死に前を合わせてもときどきチラリと見えてしまうコートの下のスク水の紺色、隠される事で逆に際立つ白い肌………。
それはまるで、コートの下を見て欲しがる類の変態を思わせるものだった。
「………だから、キノさん逆に目立っちゃってるから……なるべくそのコートは……」
概ねそんな意味の事を、シズは考え得るかぎりの遠まわしな表現を使って伝えた。しかしまあ、話が話だし、今のキノにその言葉を聞くだけの余裕もなかった。
黙って聞いていたキノは次第にわなわなと震わせ始めて……
「つまり、脱げと……」
「は……いや、だから……この国ではその格好は逆に恥ずかしいって話を……」
「要するに、脱げと……」
「キ、キノさん?聞いてるかい?」
「変態のシズさんに見せるために、脱げと……………」
キノが、ぎゅっと怒りの拳を固める。異変に気付いたシズが後ろに下がる。しかし、シズの背後にあるのは硬く閉ざされたエレベーターの扉だけ……
「ばか――――――――っっっ!!!!!」
鼻っ柱をブチ折られて床に崩れ落ちたシズを残し、キノは自室へと逃げ戻った。

それから一時間ほど経った後、シズはキノの部屋の前にいた。どうしてキノの宿泊する部屋がわかったかというと……
「準備はOKみたいだね。今はシズだけが頼りだからね」
「わかってるよ、エルメス君……」
エルメスはキノによって部屋の外、ドアの脇に置かれていた。盗難防止のためだろう。どこから持ってきたのか、ヤケクソのように鎖を巻かれた哀れな姿である。
「いや~、さすがに僕も『裸なんて、いつも見せてるじゃない』はまずかったと思うんだけどね……」
「そんな事を言ったのか?」
「いや、キノがあんまり恥ずかしがるもんだから、ちょっと悪ふざけしすぎて………シズと街中で会うまではあそこまで恥ずかしがってなかったんだけど……」
とにかく、今のキノに会うのが相当難しい事は確かである。しかし、シズとしてもストーカー呼ばわりされたまま引き下がりたくはなかった。
それに、一応作戦も無いではなかった。
「だけど、こんなので本当に大丈夫かい?」
「大丈夫、大丈夫、いつものキノを知らないから、シズはそう言うんだよ」
「そうか、それじゃあ……」
覚悟を決めて、シズはキノの部屋のドアをノックする。静まり返った廊下に、コンコンという音がやけに大きく響いた。
「キノさん、開けてくれ、キノさん」
返答はない。しかし、ここまでは予想通り。シズが足元に置いていた袋を持ち上げて、ドアの覗き窓から見える位置で抱える。
「キノさんと一緒に食べようと思って、色々食べ物を買ってきたんだけど、もしかして眠ってるのかい?」
袋の中にはさまざまな食べ物が詰まっていた。
あんまりと言えばあんまりな、作戦とも言えない作戦である。しかし、シズの横のエルメスはなにやら自信満々である。
「キノ、早めにお昼を済ませてから、何も食べてないはずだから、きっと上手くいくよ」
エルメスの言葉を信じて、シズはキノに呼びかけ続ける。
「サンドイッチにミートパイ、他にも色々買ってきたのに、本当に眠ってるのかい?」
あまりに棒読みな自分のセリフにシズが多少ウンザリしはじめた頃、扉の向こうに何かが動く気配がした。
予想よりも早い反応に驚きながらも、気付かないふりでシズは続ける。
「本当に眠ってるみたいだなぁ。まったく残念だ。勿体無い……」
ドアの向こう、息を殺してこちらの様子を窺うキノの姿が見えるようだった。
「勿体無い、これは陸とティーと私で食べる事にしようか……」
ガタン、扉の向こうで音がする。もう一押しだ。
「仕方ない。いつまでも陸たちを待たせてる訳にもいかないし。エルメス君、キノさんによろしく言っておいて……」
ガチャ。きぃ……。静かに、チェーンロックの長さの分だけ、小さくドアが開いた。
「………そんな手に引っ掛かると思ってるんですか?」
そのドアの隙間から、コートの代わりに今度はシーツに全身を包んで、恨めしげなキノの瞳が覗いた。
「やあ、キノさん。起きてたんだね、いや良かったよ」
「うっさいです。ボクはそんな手には乗らないって言ってるんです」
なんて言いながら、キノの視線はシズの腕の中の食料袋に釘付けである。
「良くわからないが、とにかく私としてはせっかく買ってきたご馳走をキノさんに食べてもらえないのは残念なんだけど……」
「引っ掛かりませんよ。そんなのに引っ掛かるほど、ボクはバカじゃないですよ」
「うーん、残念だ。でも、キノさんにその気が無いのに無理強いするわけにもいかないな……」
わざとらしく首など振って、シズがその場から立ち去ろうとする。遠ざかる食料袋。その瞬間、扉の隙間から延びたキノの手がサンドイッチの入った箱を掴み取った。
しかし、そのまま引っ込めようとしたキノの手はドアの隙間につっかえた。サンドイッチの箱が引っ掛かったのだ。
ちょうど、壷の中から餌を掴んだ手を抜く事が出来なくなった猿と同じ状態である。
それでも何とかドアの隙間に箱をねじ込もうと頑張っているキノに、シズは優しく微笑みかけて
「キノさん、なんならそのサンドイッチも、他の食料も、まとめて部屋の中に運んであげますよ」
かくして、堅固な城門のごとく閉ざされていたキノの部屋のドアが開かれたのだった。

よっぽどお腹を空かせていたのだろう。キノはシズが持ってきた食料を片っ端から掴み取り、次々と胃袋に収めていった。
一脚だけの椅子をキノが使っているので、シズはベッドの端っこに腰掛けている。キノが食べ終わるのを見計らって、シズが魔法瓶から注いだお茶を手渡す。
口の中に残っていた食べ物をそのお茶で流し込んで、キノはようやく一息ついた様子だった。
「………ごちそうさまでした」
ただし、まだまだ語気に険がある。警戒は解けていないようだ。それでも『閉』のボタンを押しまくったり、ギャーギャー叫ばない分ずいぶんとマシだ。
「卑怯ですよ、シズさん」
キノがぼそりと言った。
「それは、ボクもずいぶん大人気無い事をしましたけど……、人の部屋にムリに上がりこんで来ようとするのは褒められた話じゃないですよ」
「すまない、キノさん」
「街中で逃げたのは悪かったですけど………。シズさんだって、この格好を恥ずかしがる気持ち、わかるでしょう?」
キノが視線を落として、相変わらず頭の上からかぶっているシーツの隙間から覗く、スクール水着を身に着けた自分自身の体を見た。
つられてシズもキノのスク水を見てしまう。濃紺の布地に包まれて、キノのスレンダーな体のラインの、そのごく僅かな陰影が強調される。
幼い胸に、細い腰、おへその辺りから太ももの隙間に消えるなだらかな曲線、スクール水着が引き立たせるキノの肉感に、ゴクリと唾を飲んだ。
そこでシズはハッと正気に返った。顔を上げる。キノが見てる。
「やっぱり変態じゃないですか………」
「………すまない」
シズの顔が赤くなる。一体、何のためにキノの部屋に入ったのやら。
キノの様子がおかしい事が気になったとか、とにかくキノと話がしたかったとか、さっきまで自分で信じていた理由も疑わしくなってくる。
バツが悪くなって、視線を下げる。海パンの下で、自分の体がかすかに反応し始めている事に気付く。本当に、何のつもりだったのやら。
そうやって、ベッドの端っこでどんどん小さくなるシズを半目で睨んでいたキノだったが、何を考えたのか、ふいに立ち上がった。
「キノさん……」
気配に気付いて、シズが顔を上げる。キノはシズの隣まで無言で歩いてきて、シズと同じようにベッドの端に腰掛ける。
すうっと息を吸ってから、呆然と自分の様子を見ていたシズの方を向き、その顔を覗き込む。
「…………シズさんのせいなんですよ」
言った後から、キノの顔がかーっと赤くなっていく。そこでようやく、シズもその意味に気付く。
「私の、せいなのか……」
「もちろんです」
そういえばエルメスも言っていた。『シズと街中で会うまではあそこまで恥ずかしがってなかったんだけど……』
元からスク水の上にコートなど羽織ってやたらと恥ずかしがっていたキノだが、シズと街中で会った直後からさらに態度を頑なにしたのだ。
「単なる知り合いなら、こんなに気にしません」
「そうか…」
「水着にコートが変なのもわかってました。でも、どうしても恥ずかしくて、他にどうすればいいかわからなくて……
その上あんな所でシズさんに会うなんて想像もしなかったから………」
シズは自分の間抜けさ加減に頭を振った。確か自分で言ったはずじゃないか、キノも女の子なのだと。
「私が行けば行くほど逆効果だったわけだ」
「嫌がる女の子に同じ事をし続けるのは、変態と小学生だけです」
「……………でも、キノさんと話したかった」
「それは、………ボクも同じです」
一息ついて、二人してようやく笑い合う。そこでキノが頭の上からかぶっていたシーツを、しゅるりと脱ぎ去った。
「あの、水着なんてもう着る機会は無いと思うので聞いておきます。…………似合ってますか?」
「ああ、もちろんだ」
キノの体が、ゆっくりとシズの方に傾いた。

キノを膝の上に抱き上げてから、シズは気がついた。
「ガンベルト、してたのかい?」
「はい」
シーツの隙間からもちゃんと見えてた筈なのだが、それどころじゃなくて気がつかなかったようだ。その上、ブーツもまだ履いている。
スク水+コートと同じ、何かスク水単独では出せない背徳的な臭いの漂う組み合わせである。
「外しましょうか?」
固まるシズに、キノが何となくそう言うと
「いえ!!だいじょうぶ、だいじょうぶですよ!!!」
思いがけず強い口調でシズが答えて、キノが怪訝そうな表情を浮かべる。
「やっぱり、いつ何があるかわかりませんから、武器はなるべく肌身離さず……」
「水浴びの時とか外でも外すときはあるし、近くに置いておけば問題ないです。っていうか、シズさん……」
「いえ、その、別にキノさんにやましい事は……」
「反応してます。当たってます、ボクのお尻に……」
テント状に膨らんだシズの海パンの股間の部分。シズの膝の上に座るキノのお尻が、その接触を受けている。
「やっぱり、シズさん変態ですね」
「………うぅ、申し訳ない」
「それに、もしかしたらボクも……」
その言葉の意味を測りかねて一瞬思考が停止したシズの胸に、キノは背中を預けてしなだれかかる。
「恥ずかしい格好して、ドキドキしてる……」
随分と体格差のある二人なので、キノが上を見上げると視線の先に見下ろしてくるシズの顔が目に入る。自然と、二人の顔が近づいて、頬が上気して赤味を増す。
「もうこんなの着る機会は無いと思いますから、一応聞いておきます。………似合ってますか?」
「ああ、とても、すごく……」
シズに言われて、嬉しそうに、照れくさそうに、キノが笑う。
「可愛いよ、キノさん……」
「…シズさん……んっ…」
唇が重なって、スク水を着たキノの華奢な腰に肩に、シズの腕が回される。きゅうっと愛しげに抱き締めて、抱き締められて、二人の鼓動は高鳴っていく。
「…んんっ……うん…あっ……シズさ…ぁあん!」
シズの指が、手の平が、キノの体を包み込む濃紺の布地の上に蠢きはじめている。撫でて、触って、スク水の中で弾力としなやかさを増したかのようなキノの体を楽しむ。
「…やっ……うあっ!!…ああっ!…やあああっ!!!!」
スク水にコートの恥ずかしい格好で街を歩いて、人目をずっと意識し続けて、絶え間ない緊張で張り詰めていたキノの肌は敏感にシズの動きに反応する。
無防備な首の後ろをシズの舌が舐めて、スク水から露出している首の付け根のあたりギリギリまでの範囲を、何度も往復して唾液で濡らした。
「…あっ……そんなぁ!?…何度も…ひゃめぇ!!……あああああっ!!!!」
舌を絡みつかせる。ねぶる。吸い付く。いたる所に甘噛みして、かすかな歯型がいくつも残される。耳たぶの上を舌に這いまわられて、キノが何度も甘い声を上げる。
「…それ…やめ……シズさ…ん……ひうぅっ!!!」
「じゃあ、今度はこっちだ」
キノの体をくまなく撫で回していたシズの手の平が、キノの幼い胸の上に移動する。
キノの体温が高まるのに合わせて、次第に布の下で立ち上がり始めていた二つの突起の上に、シズの人差し指の腹が触れる。
そのまま接触されているだけで、キノの胸にジンジンとした感触が湧き上がってくる。これからされる事を想像して、大事なところがキュンと疼く。
「興奮してるみたいだね。こんなに尖って、水着の上からでもちゃんとわかる」
「……シズさんが…こんな……するからぁ…その…せいでぇ……」
「わかってるよ。責任は取るさ。ほらっ!!」
「…ひゃっ!?…ふああああああっ!!!」
一旦停止していたシズの指が再び動き始める。キノの乳首の先端を指の腹だけでさんざん撫で回して、もどかしさと切なさで壊れそうになった所できゅっと摘む。
そのまま指の間で転がされ、敏感な突起はシズの指に苛められまくる。たまらず背中を反らせて声を上げたキノの、今度はその白い喉にシズの唇が吸い付く。
「…ん…ああっ!!…や…らめぇ!!…あっ…あはああああああああっ!!!!!!」
首筋を、鎖骨を、唾液の描くキラキラとした軌跡が埋め尽くす。胸への責めは激しさを増してゆき、ジンジンがキノの小さな胸を覆い尽くしていく。
そして、そのジンジンしてたまらなくなった胸全体をシズの手の平が揉みくちゃにし始める。
「………っ!!!……ふあっ!!?………っあ!!!……ふあああっ!!!!!」
激しすぎるほどの快感。シズに責められる場所全てに電気が走るようで、その衝撃を味わうたびに、キノの呼吸までが止まってしまうようだった。
間断なく責めて、責め立てられて、シズも、キノも、次第に理性を忘れて、肉体の促すままに動くようになっていく。
そして、無我夢中のシズの指先は、キノの細い脚の隙間、スク水の下で熱と湿りを増していく最も敏感な部分に伸びていく。
「………あっ!!!だめっ!!!…そんなとこまだ……っ!!!…シズさ…あああああああああああっ!!!!」
一撫でされただけで、体の下から上に向かって雷が通り抜けたみたいだった。布地越しに割れ目の部分を執拗に撫でられる。こね回される。
じゅくじゅくと、止めようも無く熱い液体が溢れ出して、スクール水着の濃紺を濡らしてさらに暗い色に変えていく。
「熱い。……キノさんの…アソコ……さわってるだけで指が溶けそうだ……」
興奮に追い立てられるように、シズはキノのアソコを覆う布地をずらし、熱く濡れた割れ目に夢中で指を入れて、何度もかき混ぜた。
シズの腕の中、指先の僅かな動きに敏感に反応して、ビクン、ビクン、とキノの体が痙攣する。
シズの指に翻弄され続け、快感の波に溺れるばかりのキノの意識は次第に、自分の背中を包むシズの体温と、それが最も熱く硬くなっている部分の事を強く意識し始める。
「……お尻の下……当たってる……シズさんの…かたくて…あついのが………」
ドキドキドキドキ、胸の奥で早鐘が鳴って、頭の中が熱く蕩けて、それからのキノの行動はほとんど意識してやったものではなかった。
ふいに腰を浮かせ、気が付いたシズが手を止めたところで、シズに背を向けた今の体勢から180度方向転換する。
パンパンのシズの股間に手を伸ばし、そっと海水パンツをずらして、その下で猛る熱い肉の棒に指を絡ませた。
「………キノさん?」
「……欲しいんです…シズさんのが………ボクのアソコ…シズさんにめちゃくちゃにしてほしいんです………」
快楽で体も頭の中もぐちゃぐちゃになっていたけれど、その言葉を言うのはやはり恥ずかしかった。顔を真っ赤にして、俯いたまま、小声でキノが言った。
「………いれて…ください……」
シズの手がキノの頬に伸びて、その手に促されて俯いた顔を上げる。細かく息を切らしているキノの唇が、シズの唇に塞がれる。
「………わかった、キノさん……」
腰を、背中を、シズの腕が包み込む。キノは逸る気持ちを押さえながら、ゆっくり、ゆっくりと腰を下ろしていく。入り口にシズのモノが触れる。
「………っ!…ああっ!!…ふ…ああああああああっ!!!!」
最初の2,3センチが入ってきただけで、圧倒的な快感の電流が背骨を駆け上っていった。それ以上は、体勢を保つ事すら出来なかった。
腰が砕けて、そのまま残りの部分が一気に挿入された。巨大な質量が熱い肉を貫いて、体の奥までが燃え上がるようだった。
「……奥まで……シズさんの…奥までとどいてるぅ……っ!!!!」
さきほど、指に絡めて確かめたシズのあまりに熱すぎる体温が、自分のお腹の中で脈を打っている。貫かれているだけで下半身全体が痺れて、とても自分では動けない。
堪え切れずに自分の首に抱きついてきたキノの、その後頭をシズはよしよしと撫でて
「だいじょうぶかい、キノさん?」
「………は、はい」
「これから動かしてみるけど、かまわないかい?」
それ以上答える余裕も無くて、キノはただコクコクと首を縦に振った。シズはゆっくり、腰を上下に揺らし始めた。
「……っくぁ!!…あふぅ!!!…やあっ!!…あっ…あああんっ!!!」
キノの口から漏れ出る吐息は甘く、シズの欲望を沸き立たせた。じゅぷ、じゅぷ、と淫らな水音が響いて、二人の荒い息遣いと混ざって奇妙なリズムを刻む。
細い腕に必死でしがみつかれて、その震えから快感に身悶えるキノの様子をダイレクトに伝わって、シズはキノと一つに溶けて混ざるような心地を味わう。
「……ひあっ!!…や…はあああんっ!!!…シズさんっ……シズ…さんっ……シズさあああああんっ!!!!!」
夢中で自分の名を呼び、すがりついてくる少女が愛しくて、もっと彼女を乱れさせたい、くちゃくちゃにしたいという欲望ばかりが頭を埋め尽くす。
キノの上げる声が大きくなればなるほど、シズの動きも激しくなっていく。熱く火照るキノの肌にむしゃぶりつき、スク水の上から乳首を歯と舌でめちゃくちゃにしてやった。
「…シズさんっ!!!……ボク…へんになるぅっ!!!!きもちよすぎて…あたまおかしく……っ!!!!」
折れそうに細い腰を抱き締めて、激しく、さらに激しく、ピストン運動を加速させる。息もつかせぬ快感の連続攻撃で、キノの頭は真っ白になっていく。
自分の声がどんどん大きくなっていくのも、体がガクガクと痙攣して言う事を聞かないのも、まるでどこか遠い所の話のようにしか思えない。
全てを凌駕する快感の渦の中で、乱れに乱れていく自分を呆然と見ていることしか、今のキノにはできない。
「ああ………っ!!!…シズさんっ!!…もう…ボクっ!!!…ボクぅうううううっ!!!!!!!」
「キノさんっ!!!…私も…もうっ!!!」
そして次の瞬間、噴火寸前で体の奥底に押さえつけられていたマグマが、堰を切って溢れ出した。
絶頂が、二人を飲み込んだ。
「…ふあっ!!ああああっ!!!…イクぅっ!!!!イっちゃうぅうううううううっ!!!!!!」
体を貫くすさまじい絶頂感に、キノはシズの首に回した腕にぎゅうっと力を込めた。そして、それが過ぎ去った瞬間、体中から力が抜けてそのままベッドに崩れ落ちた。
放たれたシズの欲望はキノの膣内には収まり切らず、溢れ出してキノのスクール水着を白濁に汚した。
「………あっ…シズ…さん……」
うっとりと呟いたキノの瞼に、シズがキスをする。そして、今日一日分の緊張の糸まで切れてしまったのだろうか、キノはそのままスヤスヤと眠りに落ちていった。

その後、遅く戻った事を陸とティーに怒られたり、手榴弾を投げられたりはしたものの、一応、一件落着と言ったところであろう。
一時間ほどして目を覚ましたキノは、すっかり平静を取り戻していた。
「それでもやっぱり、恥ずかしい事は恥ずかしいんですよ」
「わかってるよ。私もさすがにここに住む気にはなれない」
二人は今、キノの部屋の前にいる。追い出してしまっていたエルメスを部屋に運び入れるところだ。
「やっぱり、ラブラブパワーは効果覿面だね」
エルメスに冷やかされて、キノは一瞬ムッとしたが
「………今回はエルメスにも悪かったよ。追い出したりして反省してる」
「わかればよろしい」
そんなキノとエルメスのやり取りを見ながら、シズも笑顔を浮かべる。これでともかく、メデタシメデタシだ。
その筈だった……………。
ようやく胸を撫で下ろしたシズの前で、エルメスがうっかり口を滑らせたのだ。
「でも、キノもそんなに恥ずかしがらなくても、つるぺた娘にスク水なんてこれ以上ない組み合わせだよ」
一瞬で、空気が変わった。
「ほとんどキノのために作られたみたいな水着なんだから、まさに貧乳専用装備………」
シズが止める暇など無かった。エルメスの軽口はいつもの事だが、いくらなんでもタイミングが悪すぎる。
塞がったばかりの傷口から、カサブタをひっぺがすようなものである。凍りついた笑顔のまま、キノはエルメスのスタンドを蹴っ飛ばす。
「あっ!?」
シズのつま先が下敷きにならなかったのはほとんど奇跡のようなものである。呆然とするシズの前で、キノはくるりと踵を返し
「………………寝る」
バタンッ!!!とドアを閉じて、部屋に引っ込んだ。取り残されたシズはやれやれと頭を振り
「………さすがに責任取りかねるので、後はエルメス君、よろしく」
「えっ!?ちょっと、シズ!!」
「明日もキノさんといっしょに色々したかったんだけどなぁ………」
「……せめて起こしてってばあ!!!ねえっ!!!」
立ち去っていくシズの背中は、エルメスの言葉に振り返る事は一度としてなかった。
まあ、自業自得。こればっかりはどうしようもない話である。

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